●今回ご紹介するのはスーパーツィーターの専用箱で、自作したものです。
以前LS3/5Aに合わせたこんなものを作りましたが、今回はそれよりもさらにグレードUPさせました。
最近のページは写真をまとめてますので、ちょっと重いのですが、どうぞご覧くださいませ。 |
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●これはFOSTEXの GS90A というスーパーツィーター。
詳細はこちらのHPですが、6dBでアッテネーターを搭載
してるようです。
←それでこんなのどうかな?なんて具合で、
馴染みの御方より制作依頼を受けました。
ツィーターはFOSTEXのT90Aを予定。
私がもっとも得意とするネットワークで武装するので
←とは比較にならない操作性になるでしょう。
側はウォールナットという事で進めていたのですが・・・ |
●こういう流れに変わりました。
内容は追って説明するとして。
←こちらFOSTEXのFT7RPというリボンツィーター。
普通に購入できるリボンツィーターの一つ。
Daytonとか他にも少しの種類がありますが、
たぶんこれは無難だろうと決めました。
私的には
STW(スーパーツィーター) = リボン
と思ってるくらい、
リボンの爽やかな超高域が好きなんです。 |
●今回はSTW箱なので、なるべく小さめで考えました。
そこでFT7RP本体をそのまま合わせるという
現物合わせ、それが上の写真です。
直接フレームに合わせてるので、ネジ留めしなくても
大丈夫なくらいなんですよ。
←はFOSTEXの凸部に合わせて削りました。
こういうのは一般的に”ワンオフ ”なんても呼ばれており
現物に合わせて制作していきます。
車のエアロ・フェンダーをタイヤに合わせて作る。
そんなときによく使う言葉です。
流用なんかもそうですが、普通そんなことやらないだろう
なんてことは、私が得意とするやり方でもあります。 |
●さきほどのフレームに合わせた下地に板を貼り
フロント部が完成。
こういうRを希望されたのですが、
ここは質感を重視し”無垢材 ”で作りました。
角の角度切り、機械でカットするならわけないんでしょうが、
私は手切りなんで手間がかかります。
失敗したらやり直しですからね。
ただし苦労したぶん、
こういうのが”いい味 ”だしてくれるんですよね
精度はちとダメなところもありますが
そこがハンドメイドのいいところでもあるんです。 |
●上のフロントに合わせ、ボディを作りました。
今回は左のウォールナットと
右のカーリーメイプルの2種類を作ってみた。
ウォールナットのほうはRだが、
カーリーのほうは直線・45度にしました。
しっかしこのカーリーメイプル(ツキ板)は
高めですね。
ツキ板は様々な種類がありますが、
一番高価な類でした。
だから高級感でるのかな? |
●さてネットワークの制作にはいります。
部品はこんな感じ。
せっかくのワンオフですから、
部品も良い物をチョイスしました。 |
●まずは背面板に部品を取り付けます。
これも”ワンオフ ”ならではのもので
部品に合わせて穴をあけ
細部は彫刻刀で仕上げてました。
←はロータリースイッチで、基本的にシャフト(取り付け部)が
短いんです。
だから普通は、アルミやプラスチックのような薄い板に
取り付ける事を前提としてますので、
厚い板に取り付ける場合、加工が必要となる。
ていうか、こんな取り付け方は普通しないでしょうね。
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●全ての部品を取り付け、完成!
左はスイッチ類を付けた時の状態。
知らない人なら、ちんぷんかん、
知ってる人なら、よくやるよな〜なんて思うでしょう。
私もこれ見て、そう思いました(笑
最初の一個は考えながら作るので、
けっこう時間がかかります。
ただこれはわりとシンプルなほう。
スピーカーチューンで切り替え式にする場合、
もっと複雑になる時もあるんですよ。 |
●表はこんな感じ。
左上から
ロータリースイッチ(3段)
トグルスイッチ(ON OFF)
アッテネーター
これで4種類の切り替えができます。
本当はトグルスイッチをもう一個取り付け、
6種の切り替えができるようにと考えてましたが、
思ったより差が無かったのと
複雑になりすぎるので、4種類にしてみました。
これでも完璧な”オールマイティ ”です。 |
●最後はユニットを取りつけます。
ユニットは写真のよう、パカッと押し付けるだけ。
ネジ留めしなくても、しっかり装着できます。 |
●ですが一応、輸送時に外れるとか
そんなことにならないよう、棒で押さえました。
それが背面板に挿してある丸棒の正体なんです。
これでより安心できますよね。 |
●これは端子部分。
通常はこんなノリだが
箱がギリギリサイズなので、ケーブルが邪魔になる。 |
●そこでこのように90度に曲げました。
ついでにこれ、+と-が近いので片側を逆さまにします。
これで万が一の接触もないでしょう。 |
●吸音材を入れたあと、裏ぶたをネジ止めし
周波数の説明シールを貼って |
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●完成!!! 小さな箱ですが、中身がギューと詰まった魔法の箱なんです。
↑、最終仕上げはまだで現物合わせをする予定。
↓、こちらカーリーメイプルは、これしか考えられないほどの相性であるクリアー仕上げ。 |
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●いかがでしょう?写真が長すぎるって?(^^; ↑濡れたような艶・超グロス仕上げ!鏡面は写真写りが悪いですよね。
カーリーメイプルは縦の木目に加え、横にシワのような模様が入ってるでしょ。
それが特徴ですが、実際に貼ってる時、やばっ、シワが出た?なんて思うことがしばしありました。
ツキ板貼りに失敗すると、まさにこんなシワが出たりするんですよ。
ただ模様のせいで、そこがシワになりやすいというのも事実です。だから他のツキ板より、ちと神経使ってました。
サイズは共に、幅113×高さ127×奥行150mm(スイッチ凸含む)、↑のような縦置きの場合。
バランスを考えると横長のほうが見栄えしそうだが、FT7RPに合わせた最小サイズがこれなんです。
一応縦置き・横置き、どちらでも設置できるよう、4面とも仕上げました。
操作説明だが、まずは3段のロータリースイッチ、これは @4K A10K B20KHz(すべて6dB/oct)の切り替えになる。
その下のトグルスイッチはON-OFFで、これをONにすると、Bの20KHzが、18dB/octの10KHzへと変わります。
以前制作したスーパーツィーターは、6dB OFF 18dB という切り替え式。
今回は上記の内容に加え、アッテネーターを付属させました。
@の4KとBの20Kでは、だいたい3dBくらいは違ってきますからね。
これでもう、どんなスピーカーにも合わせることができる”完璧 ”なスーパーツィーターでしょう。
このスーパーツィーターがあれば、
あなたのオーディオライフ、「 数段グレードUPすること間違いありません」
営業トークっぽいですかね(^^;
メーカー製ならほぼ網羅できそうだが、能率がばか高いフルレンジなんかは微妙です。無いよりはましですけどね。
★なぜスーパーツィーターを追加するのか?
それは音場がより広くなるような、気持ち良さを上げる為なんです。
すべては気持ち良さの為だけにと思ってます。
気持ちいいってことは、人にとって一番の癒しですからね。音楽は癒しでもありますから。
で、当初FOSTEXのホーンツィーターを予定していたのだが、急きょリボンに変更した理由。
それは
「 FOSTEXのホーンは、メーカー製にまったく合わないから 」それが一番の理由なんです。
FOSTEXは我が道を突き進むメーカーであり、モニター系やバックロードに力を入れているメーカーです。
だから多くのユニットは、特にバックロードに合わせた物が多く、
今回実験に使った、T925A、T90A、FT90H ではいずれも、
バスレフや密閉には「 まったく合わない 」という結果でした。
これねぇ、私にすれば「 バックロード専用 」と一言書いて欲しいくらいです。そしたら買いませんから。
加えて音質だが、まず「 ノイズがめっちゃでかい! 」
ノイズは音楽をかけていない時のサーというノイズなんです。
ユニットを単発で鳴らすテストなんかは、しょっちゅうやってますが、今までノイズを気にしたことはありません。
ほぼ無音でした。
ただ唯一ピエゾ式ツィーター、あれはケーブルを繋げた瞬間”サー ”というノイズ音が耳につきました。
なんだこの安物、なんて思っていたが、FOSTEXのホーンツィーターもまったく同じ現象でした(TT)
これでは音がどうとかの問題以前で、
もう気になって気になって、セッティングするどころか普通に音楽を聴けないほどでした。
パソコン→サウンドカード→アンプ(アナログ&デジタル)→スピーカーという、私の環境が悪いのかとも思い、念の為
CDP→アンプ→スピーカーでも試しましたが、結果は同じでした。
CDPはゴッキュッパ、アンプは10〜20万くらいの複数です。
FOSTEXのホーンツィーターは能率が異常に高く、それも原因の一つなのか?
ただね
ツィーターを取り付けるさいはコンデンサーを付けますよね。それがたぶん0.5uF〜1uFだと思うが
0.5uFにした場合、10dBは確実に下がりますから(音が小さくなる)。
そんな小さい音で使うなら、能率高い意味無いじゃん!なんて思ってしまいました。
本体スピーカーの方が高くツィーターが低い場合では”合わせられない ”なんて場合もあります。
FOSTEXのツィーターは能率が合うことだけを考えて高くしてる。そんなふうに感じてしまいました。
音の特徴はとにかく中域が分厚い。
巨大なラッパ(ホーン)から音が出てるのか?と錯覚するくらい、中域命というような音質。
0.5uFのような小さなコンデンサーを付けると、他のツィーターは中域・声が聞こえにくくなりましたが
これはハッキリ聞えたので、厚いと感じました。
そんな中域命の音質は、バックロードスピーカーのあまい中域をカバーしてるのかな?
だからバックロードにはなくてはならない、そんな存在なのかもしれません。
実際に数多くのスピーカーをメンテしてますが、中域があまい(あいまいな)音質は
メーカー製にもあり、だめじゃんこれなんて思ってます。
逆に中域がビシッと決まると”いい音 ”と感じやすく、ボーカルものが俄然良く感じます。
実際今メンテしてるスピーカーもそうなんです。
ただしバックロードは経験がほとんどないもので、憶測も少し入ってます。もしそれは違う!なんて思ったら、ぜひ教えてくださいね。
一番悪い根源は”ノイズ ”なんですけどね。
最後に。
FOSTEXファンにはご立腹するほどのダメだしばかりですが、感じたことをそのまま書いてるので
どうかご了承ください。
どうも私は、FOSTEXとは肌が合わないようです。
ただし見ためはすごくかっこいい、デザインはすごく気にいってます。
FW168HR(ウーファー)なんかも音はパッとしないのだが、あんなにかっこいいデザイン他にないですよね。
ホーンツィーターもそう、ぶっちゃけスピーカーの上に乗せるだけ、音を出さなくても、
”音が良くなったような気がする ”から不思議です。
それだけオーラが出てるんでしょうね。
今回制作したスーパーツィーターだが、音質はもちろん見ためでも、最高の一品だと感じております。
最初に紹介した FOSTEX GS90A は、77,700円(←狙い?税込・ペア)という、ちょっといい値段ですが、
内容を考えるなら、私の制作したものは10万円といったところでしょうか。
もし小メーカーや外国メーカーが同じ内容で作ったなら、もっと値をつけるんじゃないですかね。
それがオーディオってもんなんです。
だからこそ自作するんです。
たぶんこういうのを作る人もいなそうなので、”日本で唯一の一品 ”ということにしといてください^^
次回、ダメだしばかりで申し訳ないホーンツィーター達を、グレードUPさせてやります!お楽しみに♪
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