●ページ2 U |
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●じゃん!
出てきました!
これがネットワークの全貌です。 U
パーツの量が多く一つひとつが大きめなので、必然的にこれくらいのサイズになったようですね。 U
パッと見目を引くのは抵抗ですが、よくよく見ていくと繋ぎ方に特徴がありました。 U
ツィーターは下をカット、スコーカーは上下をカット U
ウーファーは上をカットという3way定番スタイルではないので
よく追っていかないと間違ってしまいそうです。 U
設計者の情熱が多いに感じられたネットワークでした。 |
●そしてこのターミナル、JBLではたまに見かけますが
実際に手にしたのは初めてです。 U
コードを穴に入れツマミを右に回すとロックがかかり U
コードが抜けなくなるという優れものです。 U
穴は5mmですが、内部が絞られているので
3mm程度がギリギリ限界でしょうか。 U
2mmではまったく問題ありませんでした。 U
ロックはしっかりかかりますが、 U
動きが渋くカバーのひび割れもあるので U
交換しようと思ってましたが U |
●よく確認していくと
なんと+プラス側は純銅でした。 U
これを見た瞬間 U
粋なはからいだなっ!と感心感心。 U
だから交換は止めてO/Hすることにしました。
良い物は純粋に良いです。 U |
●そしてようやく全パーツを外しました。
ポートはプラスチックで、90度に曲げられた構造でした。U
音を聴く前、ネット上では低音出ないような印象だったので、
ポート調整も視野に入れてましたが、ぜんぜん問題ありませんでした。 U
ポート自体にダンプ処理はした方がいいでしょう。 |
●で、
これは私が思い描いていた最初のイメージです。
4313はこの薄さが最大の利点だと感じたので U
これはもう、こんな使い方が良さそうだな U
なんて感じていました。 U
ただし1979年製と30年以上経ったスピーカーなので、U
正直古臭ささはいなめません。 U
←のようリビングにかっこよく映えるにはどうすればいい?
黒の鏡面なども考えましたが、そこはJBL U
JBLらしさをそこなわず、かつ存在を主張するのは U
やはりこの青しかないでしょう。 U |
●ということでさっそく塗装しました。
この青は現代JBLの青よりも淡い色味で、 U
とても魅惑のある青です。 U
ただ当時のオリジナル調合データが無いので、今まで扱ってきた4301Bや4344の全ての色を管理してデータとして保管、
そこから割り出してこの色を作ってます。 U
だからいつも微妙に違ってきますが、ベースはほとんど同じです。
そんなんで、80年代黄金期の青がここに復活しました!
近似色の青も売ってますが、それは艶が出すぎです。U
艶消し剤は混ぜると白っぽくなるので難しいですが、そのあたりは経験で配合しています。 U |
●前後のバッフルは再塗装によりほぼ新品のようになりました。
だから木目側も気合を入れる必要があります。 U
木目部分は下地の調整でほぼ良し悪しが決まります。 U
ぶっちゃけ下地が良ければ、塗装が適当でもけっこう綺麗になります。 U
←どうでしょう
JBLはまるで炭?や古民具か?(笑 U
なんて思えるほどまっ黒のやつ多いですよね。 U
経年劣化なのでしかたありませんが、 U
塗装を落とし下地をしっかり仕上げると、こんな風に見違えるくらい綺麗になります。 U
大変な作業ですが、綺麗な物には理由があると言ったところでしょうか。 |
●さて、JBL製品では初となる凝ったネットワークに胸踊り、回路図を作りセッティングなどなど、色々と実験しデータを取りました。 U
そしてこのネットワークにはそれなりの意図を感じたので、
今回セッティングは変えずに、部品のグレードアップ化をはかりたいと思います。 U
まずはコンデンサー(ジャンセン)を用意しました。 U
セッティングを変えるのは嫌みな音を修正するのが目的であり、JBLではほとんど必要ありません。 U
JBLはもっと良くしたい、ポテンシャルUPをはかりたい!
なんていう衝動に駆られるスピーカーが多いです。 U
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●ということで、コンデンサーを変更
小技で銅を巻き、ノイズの影響をシャットダウンさせます。U
配線の接続部のハンダは、全て銀ハンダで再構成しました。
見た目は問題ないのになぜ通電しない? U
古い物はそんな事もまれにあります。 U
接触不良が無くなれば、伝送ロスが少なくなる以上に
精神的な効果も大きいです。 U
そしてチューンドネットワークの完成です。 |
●ターミナル
まずはカバーのひび割れを修復、
その後回す動きをスムーズにしてやると U
印象が変わるほど良くなりました。 U
なにより硬めの撚り線や単線(1mm以下)でも、ガッチリくい込んでロックしてくれるのですごく安心感があります。 U
このターミナルは壊れてない限り、
変える必要はまったくないように感じます。 U
とても良くできたターミナルです。 U
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●そして数ヶ月
ようやく全てのレストア作業、O/Hが完成しました! |
●ウーファー、スコーカー、ツィーター
ツィーターの修復跡を除けば、抜群に良い状態です。 |
●ユニットの背面。
一つひとつを丁寧に分解し、錆を取りコーティング。 U
とくにツィーターのO/Hでは U
「 これほんとに同じツィーター? 」 U
と思えるくらい U
ポテンシャルが向上します。 U
特に古いツィーターは現代の物と換えたくなりますが、
この音を聴けばまったく必要が無いとわかるはずです。 U
LE25しかり、スピーカーにとってのツィーターO/Hは U
それだけ重要なファクターなんです。 U |
●最後は外した手順とは逆に取り付けていきます。
ご覧のようネットワークが大きいので、バッフルを傷つけぬよう慎重におこないます。 U |
●ネットワークを箱に入れたあと、固定する前にツィーターへ配線を繋ぎます。 U
そしてそのままツィーターを本体位置へ取り付けたあと、ネットワークを定位置にずらし固定。 U
それが無難な順序でしょうか。 U
ツィーターは取り付けるさいにも、スコーカーのバックキャビティにぶつけぬよう注意が必要です。 U |
●アッテネーター、スコーカー、ポート、ウーファーと取り付けていきます。 U
ポートは薄くて響くので、しっかり泣き止め処理をおこないました。 |
●最後にプレートを装着、
←・・・これは何でしょう?
そう、自作の音響レンズを作りました。 U
と言っても機能性を求めた物ではなく、あくまでもデザイン重視、アクセントになればと作ってみました。 U |
●材料はウォールの単板です。
2枚を張り合わせたあと、一枚一枚カッターで裁断します。 |
●ベース部はこんな感じで作りました。 |
●板に仮止めし、フィンを接着していきます。 |
●次にアクリルを用意
LE5のサイズに合わせてカットします。 U
ネジ穴部分は細すぎると割れる恐れがあるので、 U
多少余裕を持たせました。 U |
●それを先ほど作ったフィンに接着し完成。
LE5のネジを利用して留めるので、
・その分のクリアランスが必要になる事 U
・できるだけ音を妨げないという事 U
・やや縦長に見える4313のバランスを整える事 U
そんな理由でこんな形になりました。 U
ちょっと音響レンズには見えないかもしれませんが(^^;
パッと見のインパクトは大きいです。 U
そしてこの音響レンズを装着し |
●祝!完成! |
●いかがでしょう。
透明アクリルをベースにしたので、 U
音響レンズがすっきり見えます。 U |
●ほぼ新品状態に復活を遂げました。
かなり時間がかかりましたが、良い完成度だと思います。U |
●またまたはやる気持ちを押さえ、さっそくの音出し
まずは一言
「 うわっ、ボーカルがやばいなこれ! 」
4313はスコーカー・LE5の音質で良し悪しが決まるという最初の印象どおり、 U
LE5を完璧にO/Hした結果、よりナチュラルな声質になりました。 U
さらにツィーターの能力が20%くらいアップしたのでは? U
と思えるくらい良く鳴っており、2wayでは出せない臨場感も中々です。 U
そして綿密に設計されたネットワークと相成り、 U
「 JBLらしからぬボーカルフィール 」がかもし出るスピーカーです。
もちろん全ての音をまとめているアルニコウーファーLE111Aも忘れてはいけません。
輪郭が明瞭でクリアなのは、ウーファーがアルニコゆえの影響も強そうです。 U
それら全ての音が重なり「 4313の音が生み出された 」 結果と言えるでしょう。 U
うっとりするほど心地よくなる女性ボーカルは、JBLを聴いてる事を忘れさせるほどでした。
最後に。
3wayスピーカーではボーカル帯域の音質が肝であり、 U
必然的にスコーカーの能力、音の出具合が問われてきます。 U
そのあたりを調整するのがネットワークの役目であり、声を浮かせるのも潰すのも U
ネットワークの技術力で8割方決まってきます。 U
そしてリアルな声が出せる3way、しっかり調整されてる3wayは意外に多くありません。 U
YAMAHAに代表される NS-1000M は優秀で、そのあたりに比重を置いたスピーカーの一つです。 U
豊かな音楽性は一歩譲ってしまいますが、 U
最大の魅力は、音楽以外、TVや映画などで使える事です。 U
役者の声、セリフがとても聞きやすく、内容も良く伝わってきます。 U
だから4313はさりげなくTVの横に置く、そんな事を想定しながら終始仕上げていきました。U
洋室でも和室でも、この魅惑の青はどんな部屋でも冴えるはずです。 U
こんなスピーカー、部屋にあったらお洒落ですよね。
きっと見る人全てがそう思うはずです。 U
そのあたりもJBLの魅力であり、JBLの奥深さをまざまざと感じさせられました。 U
JBLにはまだまだ凄いスピーカーありそうですね。 U
今回の「 4313WX 」には、ただただ驚くばかりでした。 U
私も手元に置いておきたくなる、そんな魅力あふれるスピーカーでした。 U
次回、200回まであと2回! やっぱ2213だよな、の予定です。お楽しみに♪
以前製作した音響レンズは「 こちら 」 |
JBL 4313WX(黒・アルニコ) 1979年 1台 142,000円 |
●メーカー解説:JBLのプロ用技術を投入して開発されたブックシェルフ型スピーカーシステム。
低域には25cmウーファーLE111A。
コーン紙裏面にJBL独自の制動材を塗布、最適な質量と剛性でコーン紙の不要な共振を防ぐ。
磁気回路には銅リボン線エッジワイズ巻きボイスコイル。
中域には13cmスコーカーLE5-9。
リボン線エッジワイズ巻きボイスコイル。ウーファーとの干渉を防ぐため密閉型バックキャビティ。
高域には2.5cmトゥイーター066。
振動板には、フェノールを含浸したリンネルをアルミ蒸着被膜で表面処理したもので優れた指向特性。
一体成型によって表面の突起を排除し不要な反射を防いでいます。
ネットワーク部は最新技術を投入した設計、クロスオーバー周波数付近での特性を平坦化するインピーダンス補正回路、
音像定位をシャープにしユニット間の位相乱れを防ぐ位相補正回路を採用しています。
空芯インダクターを採用することで高音質化を図っています。中域と高域には連続可変式のレベルコントロール。
エンクロージャー素材には19mm厚の硬質パーチクルボードを採用。
最適な低音応答を得るため34リットルという内容積を算出しダクトの形状寸法を決定。
十分な吸音材で不要な反射波や定在波の発生を防止。 〜中略〜 |
方式 |
3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式 |
使用ユニット |
高域用:2.5cmドーム型(033)
中域用:13cmコーン型 (LE5-9)
低域用:25cmコーン型 (LE111A アルニコ) |
再生周波数帯域 |
40Hz〜18000Hz |
インピーダンス |
8Ω |
出力音圧 |
89dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
1KHz、4KHz |
外形寸法 |
幅362×高さ580×奥行250mm 約L |
重量 |
19.3kg |
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