●ページ8、141台目となるスピーカーはJBL 4344M
JAZZの王道と言われるJBLは4343や4344などの銘機が多い。
そんな4344を現代版に縮小したのが4344M。
縮小と言っても、一般的な大型3wayサイズ・ウーファー30cmクラスである。
そして今回は、4344Mを一回りも二回りもグレードUPするパーツ、
音質の要でもある”音響レンズ ”を制作しました。
音響レンズとは船の舵のようなもので、高域の方向性を操作する装置。
高域ユニットから出る音と中域ユニットから出る音は、平行線のまま交わることがない。
そこで方向性、道を作ってやることで、高域と中域を一つにし、フルレンジのようにするのが狙いである。
指向性の強い高域だから成し得ることで、無指向性の低域では意味がありません。
そんなレンズやホーンは、JBL最大の特徴とも言えるでしょう。 |
JBL 4344M 2000年 \500,000(ペア) |
●メーカー解説: |
方式 |
4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式 |
使用ユニット |
・高域用:2.5cmリングラジエーター ・中高域用:2.5cmドライバー+ホーン+音響レンズ
・中低域用:16cmコーン ・低域用:30cmコーン |
再生周波数帯域 |
35Hz〜20000Hz |
インピーダンス |
6Ω |
出力音圧 |
93dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
500Hz、2.3kHz、10kHz |
外形寸法 |
幅430×高さ720×奥行307mm 約90L |
重量 |
40kg |
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●JBL=マニアという印象が強いが、
実は私、JBL世代ではないので、
それほど思い入れがありません。
でもいつまで経っても
人を引きつける魅力があるのは事実です。 |
●このホーンに取り付けるのが音響レンズ。
そしてこの青・JBLブルー。
なんと例えていいか、うまい言葉がみつからないのだが、
とにかくオンリーワン、
JBLならではのものです。 |
●材料はこれ、ウォールナット・無垢板、
1本ものを私がカットしたもの。
色々と材料を探してみたのだが、
中々いいものが見当たりません。
そこでこの無垢板をみつけたのだが、
これ1.5mmと、とても薄い。
そして所々、歪みがひどい。
まずはスチームプレス(0.1t)で歪みを取り、
その後貼り合わせていく。
写真は2枚貼り合わせた状態。
スチームプレスとか、かっこつけて書いてるが、
実はアイロンでスチームし、バーベルとかを色々重ね
一晩おいたもの。
スチームは効果覿面、だいぶ真っ直ぐになりました。
でも数が多いので、この時点で挫折しそうだったが(笑 |
●次はこんな型紙を作り |
●型をとる。 |
●そしてひたすら切る。
ノコではなくカッターで切ったので、
精度は結構でています。 |
●これ |
●で塗装。
ウォールナットは木目がいいのだが、
クリア仕上げだとジミ〜な仕上がりになる。
これはJBLカラーに合わせた色。 |
●3部艶仕上げ。 |
●何枚かは時間と共にまた歪んできた。
そこでこんな処理をほどこします。 |
●するとビシッと真っ直ぐになりました。 |
●骨組みの接着 |
●一枚づつ完成 |
●そして接着。
はみ出た部分をカット、塗装して仕上げます。 |
●留め具はコレ。 |
●こんな感じ。 |
●これが純正。
ちょっと強度が頼りない。 |
●純正より重みが増したので、
マジックテープも付けました。 |
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●そして完成!!! いかがでしょう。
めっちゃいい感じだと思いませんか!?↑
やっぱ無垢はいいですね。
JBLはサランネットを外してる方が多いですよね。
そして純正レンズは強度が弱く、音量をあげるとビビりそうなので、
外して使ってる方も多いでしょう。
今回作ったレンズ、特にこだわったのはその”質感 ”
オーナー様に見本の写真をもらったのだが、それがすごくかっこいいものだったので、
負けぬよう努力しました。
質感にこだわるならやはり無垢ですね。
断面まである模様は、無垢ならではです。
そしてもうひとつ、
4344や4344MKIIといった、フルサイズ43シリーズの音響レンズは わりと出ておりますが、今回の”M
”のレンズは中々ありません。
完全なワンオフ制作なんです。
そして他の作品をよくよく見ると、レンズが厚めです。
薄い板は反ってるものが多く扱いにくいので、必然的に厚めの板を使うのでしょう。
でも私は薄さにこだわったのは、”音抜けが良くなる ”からです。
こだわりを持って作る事ができるのが自作の醍醐味ですが、
それが多いいと苦労も多くなりますね。
最後に。
今回の音響レンズ、見てわかるとおりパーツ点数が多い。
だから比例して手間がかかる。
でもこんなかっこいいレンズ、一度は装着してみたいですよね。
多くの方に使ってもらいたいのは山々ですが、制作が大変なので悩むところでもあります。
MDF+ツキ板など、違う作り方を考慮してもよさそうですね。
とにかく、材料選びがポイントになるでしょう。
次回、再登場だが、私がもっとも好きなスピーカーです。お楽しみに♪
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