今回は、BOSE 11.5cm フルレンジユニットを使った、自作箱を作りました。
前回、BOSE 121V のメンテナンスをおこない、十分なほど音色を堪能しました。だからこのタイミングでの紹介です。

 このユニットはだいぶ前、センターキャップが凹んでいた単品での購入です。凹みを直し、いずれ箱を作ってやろうやろうと、ずっと思っていました。
No,4の箱を作った時、ほんとはこのユニットを使う予定でしたが、バッフルサイズが小さくて断念。
そこで、センモニのバフレス化に伴い、余った材料で箱を作る事を思いついた。 だから板のサイズが、必然的に335mmとなってしまう。

 BOSEのこのユニットを使い、ちょっと大きい木箱に入れたら、どんな音が出るのか!?
興味あるでしょ。 そんなところから入りました。ではさっそく、ご覧ください。
木材はMDFの21mm。この厚さは初の扱いになる。 それにしても、写真で見てもブ厚いですねー。隣に並べた12mmが、薄く感じるほどです。
21mmともなれば、ヘタな小細工は無用。 基本に忠実でシンプルな、バスレフにしようと思ってました。
 まずは各部に○を開けます。 ユニット開口サイズはΦ104。 他にも適合するユニットがありそうですね。
ポートは塩ビ管ではなく、洒落た専用品を使います。それにしてもズッシリきますね。補強は入れなくても、十分な気がするほどです。
接着が乾いたら、音出しテスト。 この時点で、ポート周波数のセッティングをします。
ていうかこのユニット、スルーだと能率がもの凄く高くて驚いたほどです。
まずは左上写真のよう、後面開放型として聴いてみた。 う〜ん。中域がとんがりすぎて、好きな音ではなかったですね。
箱は約9L。スポンジを入れると8Lになる。 板厚があるので外観の大きさに比べ、容量は以外に少ない。
 さて内部だが、補強は一切しませんでした。 中央上、背面に板厚同等の吸音・ウレタンスポンジを貼ります。実はこれ、インフィニティの真似なんですね。
以前インフィ二ティの音を聴いた時、その繊細な響き具合に好感がもてたので、同じ手法を試みました。
 スポンジを貼った背面の板を接着し、カンナとヤスリで整えた後、突き板を貼ります。
フロントバッフルの化粧(木目が斜め)は、前回のセンタースピーカー(No,5)を作ったときと同じ手法です。 今回は2回目なので、バッチリ決まりました。
こだわりは、ユニットのネジ穴が▼なので、その角度に合わせてみました。 突き板を貼り終えたら、塗装します。
塗料はOILで3回塗りました。OILの乾きは遅く、 2回目以降に塗ったものは乾くまで4、5日はかかります。
箱を乾燥させてる間、細かい仕上げに入ります。まずはネットワーク。 私がいつも作っている補正回路です。
今回は121Vがあったので、BOSE・オリジナルと同等に作ってみました。だからさほど、音色のセッティングはしてません。 逆にBOSEの意図が、
分かってきた気がします。 これも勉強、良い経験です。 今回は、”見せるバッフル ”にしたので、ネットは作りませんでした。
ただそのままだと、いまいちに感じたので、左下のように、ユニットに直接ネットを貼る事にしました
 写真で読めるよう、素材はファッションタイツ。 ストッキングより少し厚手のタイプです。柄入りとかでも、洒落てるかもしれませんね。
少し厚めと言っても、一般的なサランネットよりはだいぶ薄いです。
ただ距離も近いので、あまり高域が吸われないよう、かなり引っ張り気味で取り付けました。
 これが結構大変。 引っ張り過ぎると伝線するわ、▼の形といい貼る箇所の面積も少ないく、時間だけが過ぎていく。何度もやりたくない作業でした。
ただ苦労したぶん、見た目はよくなったと思います。 ポートは3cmほどカットし、フェルトを巻ダンプ処理します。 ポート周波数は約60Hzです。
さて、箱もようやく乾いてきました。 途中、何回かペーパーをあて、最後は蜜蝋WAXで仕上げます。3部艶といったところでしょうか。品のある仕上がりになりました。
 私の自作品、背面はいつも黒ですが、 特別な意味はありません。
その黒は最初に塗ってしまう為、最後には傷が付いたり汚れが付いたりと、汚くなってしまうのが難点ですが、最後にマスキングして塗るよりは楽なので、そうしてます。
 切り替えスイッチ用のステッカーを作り、貼りました。
-側はスルー、+側は候補が色々あり、オリジナル・ネットワーク・サーキットの中から、サーキット(回路)にしてみた。
ポートはきつい装着感なので、少しの接着材で取り付けました。 ユニットとケーブルは直接ハンダ付けし取り付けます。
で、完成!!! いかがでしょう。 幅230×高さ335×奥行200mm 一台約7kg
形はシンプルな角々。正面は離れて見ると、少しだけ立体的に見える顔です。 何より精悍な顔立ちでクールでしょ。
太陽光での室内撮影は、反射により白っぽく映り気味で、上の写真の方が実際の色目に近いです。


 そうそう、過去の作品は全部、ローマ字と数字を用いた名前なので、印象が残りずらいですよね。
今後はもっと、印象の付きやすい名前にしようと思ってます。 顔からいくと、ギャンかグフかな?何かいい名前ないですかね。

 オーディオ仲間より、さっそく名前を頂きました、命名「 黒騎士 」かっこいい!私好みでイメージにぴったり! K様、ありがとうございましたm(_ _)m
一番右、BOSE 121Vとのサイズ比較。 1.5倍ほどです。
ではさっそく、インプレッションに入ります。
まずは一言
「 おっいい感じ、プロっぽい音ですねぇ〜 」

高域
とにかく、このユニットの高域は綺麗ですね。きらびやかで、伸びも十分。
嫌みな刺激もほとんどないから、聴き疲れる事もないでしょう。
ネットを貼った事による、吸われ具合を懸念していたが、大丈夫のようです。

中域
切り替えスイッチを付けたので、ここは二通りの音色になる。
 
<まずはスルー>
いかにもフルレンジらしい音、少し凸気味傾向。
押し出しが強いというか、エネルギー感があるというか、とにかく”
凄い臨場感!
これ2wayはおろか、3way並みの”
ワイドレンジ ”。ちょっと驚くほどでした。
ボーカルやピアノは、血が通っているような、生々しさが伝わってくる。

 
<次にBOSEタイプ・補正回路付き>
スルーの膨大なエネルギー感が、ガツンと抑えられた、落ち着いた音色。
ニュートラルと言いたいところだが、やや凸傾向。
分解能力は、こちらの方が俄然良くなり、繊細な音色が聴きとりやすくなる。

低域
121Vに比べ、1.5倍の量感ってところ。 箱のサイズが、そのまま移行してる感じ。
最初、あれっ? テスト時より低音出ないなァ、なんて思ったが、
鳴らし込みを続けると、ベースのうねりも程良く聞こえるようになり、低い音も十分に堪能できた。
いかにもっ、ていうドスの聴いた重低音ではないが、それなりに満足できるレベルです。

全体音
実像が見えやすいリアリティもあるし、ズバッと決まる、定位の良さもある。
そんな中、ワイドレンジで、やさしさに包まれる。
 たぶん過去に聴いたフルレンジの中で、”
一番いい音 ”でしょう。
それと今回は、Wバスレフよりもバスレフの方が、一体感と言いますか、全体に自然な感じがしました。
フルレンジの場合、バスレフの方がいいかもしれません。

その他
インフィニティの音を聞いた時、自然な響き、自然な鳴り方に驚嘆しました。
だからいつか、そんな箱を作ってみたい、なんて思っていた構想がこれです。
箱鳴りの少ない、自然な響き。 だから解像度も高く感じ、プロ用の音というか、レベルの高い音質。MDF21mm様々ってところですかね。
ただしこのユニットの場合、21mmは剛健過ぎると言うか、12や15mmくらいのほうが、もっと低音が出る気もします。
 ここまで頑丈な箱だと、ブーミーなほどパワフルなユニットを装着したくなるほどでした。

 ソースだが、基本的にはボーカルものと相性がいい。 スルーのエネルギー感たっぷりの音は、
上質なボーカルものを聴いてほしいくらいで、圧倒される臨場感があります。
 ネットワーク・回路を通すと、落ちつた音色に変わるので、こちらはクラシック・オーケストラなどの楽器系も合わせやすいです。
食事を楽しみながら聴くJAZZ。 そんな小さな会場までも再現できそうな、繊細さがありました。


最後に。
 BOSE・121Vの内部を見て、私の作る補正回路と同じ処理をしており、一気に共感が湧いてきました。
私のやっている事は、あながち間違いでもないと思ったのと、BOSEの求めている”意図 ”が、少しだけ分かった気がしました。
そんな事が確認できBOSEが身近に感じたので、文章も褒めすぎかもしれません。
とにかく新たな発見ができた経験となりました。

さて、掲示板にどどどんっとUPするって書きましたが、ど3は3連発の事なんです(笑  次回、ハイエンドスピーカーやりますのでお楽しみに♪

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