この手のページを見る人にとっては、すっかりお馴染みの雑誌Stereo。
2010の7月号にはなんと、6.5cmのユニットキットが付いていた。
厳しい状況が続く出版業界。だがおまけを付けて大ヒットしてる雑誌があるほどで、いわゆる一つの流行りです。
そんな流れに乗っかってるよう感じたが、悪い事ではありません。
そのうちオリジナルのSPケーブルとか、RCAインタコなんかも出そうな予感がしてきます。

さて、いきなり私事をぶっちゃけるが、メーカー製スピーカーを聴き込んだり改造するのは興味がある。
でも自作スピーカーに関しては、それほどでもない。だからおまけ付きでも、最初は関心がなかった。
だがこのユニット限定で”コンテスト ”があると知り、目の色が変わる。
コンテスト。それは自分の技量を見定められるいい土俵です。
だから闘士に火がつき、興味が湧いてきました。

この本はコンテストを知ってからの購入で、幸い近所の書店に一冊だけ残ってました(外装の状態悪し)。
値段もその時知った2310円。安いですよね。
ただキットなので、自分で組み立てる必要があります。
今回はユニットの組み立て〜コンテスト用・自作スピーカー制作の紹介になります。
写真のレイアウトを変えたので見難いかもしれませんが、どうぞご覧ください。
まずはキットの紹介。雑誌に厚さ5cmの箱が付いている。箱を開けるとなんとも新鮮な絵柄。
組み立て式だが部品点数が少ないので、比較的楽に短時間で完成できそうです。
最初にフレームとマグネットを接着する(左下)。ガイドピンもあり、ネジ止めで簡単。
サイズの割には、○(ヨーク)のクリアランスが大きいなぁと感じた。誰でも作れるようにと、意識しての設計でしょうか。
次にダンパーを接着する。
ダンパーにはコイルが装着済みで、そのコイルと○が接触しないよう、薄いプラ板が付属している。
このプラ板、長さが円の外周と同じなので、うまく円になるよう端に折り目を入れる。
でもこれは1.5〜2倍の長さにして欲しかったですね。
これ位薄いと重なりも問題ありませんし、その方が均等に円になりやすいんですよ。
今ではほとんど見かけないポジフィルム。そんなんでも代用できます。
次はコーンと一体化されている、エッジを接着する。
ダンパーの接着はフレームが段になっており解りやすいが、エッジを貼るさいフレームにガイドはない。
ここが一番”
注意するポイント
エッジの位置がズレ端に寄ってしまうと、ボビンがヨークに接触する恐れがある。そうなるとまったく使いものにならない。
ここにこそ、ガイドが必要でしょう。
 エッジを接着した後、コーンとボビンを接着する(矢印)。これで初めてコーンとダンパーが一体化され、ストロークできるようになる。
ちなみに本誌説明では、ここのコーンとボビンの接着が一番難しいと書いてある。
注意点は接着材を流し込むさい、コーンを押さない(触れない)よう気をつける。
速乾性のボンドだから、コーンを押しながら接着してしまうと、中心(高さ)がズレる恐れがある。
それさえわかっていれば、さほど気を使う必要はありません。
 ボンドを1時間程度乾かし、最後にセンターキャップを接着して完成。
センターキャップを接着する前に、一度音を出しテストする事をおススメします。
万が一擦れてるような音がする場合、どこが擦れてるかを確認し、エッジの再接着で調整します。
 仕上げ・キャップの接着だが、ここのボンドが綺麗に円を描いていると、完成度が高く上手に見えます。
見た目の問題だが、ここが一番重要かもしれません。
私は綺麗に見せようとやってたら、ボンドがどんどん広がってしまいました。
このボンドは速乾で強力だが、すぐに表面が乾き伸ばす事が困難なので、一発で決める必要があります。
もっと柔らかいといいんですがね。

 プラモデルなんかを作った事のある人は、さほど難しくありません。
そんな経験がなかったり、手先が器用じゃない人にとっては難しく感じるかもしれません。
ただしこれはスピーカーですから、作りゃぁいいってもんじゃないんですよね。音出しで擦れてたら努力も水の泡です。
私ならもっとわかりやすく、簡単に作れるよう設計しますけどね。
今後は初心者でも完全対応できるよう、さらに捻って欲しいものです。

Stereo&FOSTEX共同企画 P650 ユニットの詳細
型式 6.5cm コーン型フルレンジ
最低共振周波数 150Hz
再生周波数帯域 fo〜20KHz
出力音厚レベル 85dB/w(1m)
入力(NOM) 5W
M0 1.7g
Q0 0.75
実効振動半径 2.6cm
マグネット質量 74g
総質量 249g
バッフル穴寸法 Φ58mm
標準エンクロージュア方式 位相反転形
標準エンクロージュア内容積 1.2(1〜3L程度まで)

ここからは箱作りに入ります。上に1枚追いやられてしまったが、材料はMDFの12mm。
ベースの板に直接書き込み、バランスを見ながら作る。まさに創作って感じですよね。
真ん中のバッフル、やばいでしょ(笑
幅は66mmで、フレームと同サイズ。端子部を切る必要があり、上下はかなり薄い。
裏はザグリを入れてある。
実は今まで、ザグリの意味が解りませんでした(^^; だから過去は、Rとかデーパー加工とか表現してます。
初心者丸出し、しょうもないでしょ(笑
 ユニットをはめてみると1mm以下だが、ズレが生じていた。
原因はユニット端子の出っ張り(矢印)。
折り込んでみたがリード線の厚みがあるため、写真右下のようにハンダ付けした。これできちんと収まりました。
バッフルをベースの板に接着。次にホーンを作ります。
ホーンは厚紙に突き板を接着したもの。プラ板でもいいが、薄いものが無かったので厚紙にした。
その紙をベースのガイドに沿って接着していく。
このままだと強度がないので、セメントで補強します。
 左下はホーンの裏。セメントの食い付きが良くなるよう、表面を凸凹に。
セメントが固まるまで一日置き、ホーンの完成。
こんな作り方だと色々なサイズや形に対応できる。このような制作は初めてだが、思っていたより簡単だった。
 補強はエポキシやパテなんかでもできそうだが、セメントだと重量も増すでしょ。
強度が上がり制振性も増す。いい素材だと思います。
扇部を全部埋めるよう事もできますしね。ただしやりすぎには注意でしょう。
ここまで完成したところで音響迷路のテストに入り、具合のいい低域を探ります。
ユニット特性が中域凸の傾向であり、なんとか気持ちの良い低域を引き出したい。
だがやはり中域の影響が強く、極端には変わりませんでした。
 最終は右の上下で迷ったが、右下に決定。
右上のやつは一番低い音が感じられた。ただ聴感上気持ち良かったのが右下でした。
背面の仕上げとネットワークの制作。
ネットワークはコイルとコンデンサーの組み合わせ。中域を凹せるのが狙いだが、嫌味な音が出ないようにも注意する。
シンプルな構成だが以外に効果は大きい。組み合わせ値は無限にあるので、経験と根気も必要になるでしょう。
決まったら背面に取りつけ。とにかくがっつり補強した。
 ターミナルとトグルスイッチの取り付け位置は凹ませた。
これはギリギリ奥まで設置できる点や、配送のさい破損に気を使わなくて済むなどのメリットがある。
ちょっとした事だが、細かい気配りは大事ですよね。

ネットワークに吸音材を付け、上蓋を接着。次に外装の仕上げに入ります。
右下の写真だが、側面に貼る突き板に角度を付けてみた。
狙いは立体感とホーンとの協調性。だが角度が少し甘めで、メリハリが足りません。
木目が平行ではなく、それを合わせるのに神経がいきすぎた。初の試みだったが、次回はもっとがんばります。
視覚的効果が上がるよう、色々と工夫してきたわけだが、2種類の突き板を使ったのもその一つ。
正面の枠、サイド、ホーンの上下はチェリー(ややピンク系)。それ以外はセン(やや黄色系)を使ってみた。
ツートンにする事で軽いメリハリがつくのと、センスの良さを感じさせるのが狙いだ。
だが同じ色で塗装したところ、メリハリがなくなり狙い通りにはいかなかった。反省点。
蜜蝋WAXで最終仕上げ、磨きあげで表面をつるつるに。手触りはかなり良好になった。
 
 右写真、ケーブル(ベルデン9497)をハンダ付けし装着する。
実は高域も、もう少し欲しいという願いから、銀線と迷ったがフルレンジなのでベルデン9497を採用した。
ユニットは内部に装着しようとも考えていたのだが、バッフルの問題や
この箱はこのユニット以外使えないとも思い、背面を接着し正面から装着するようにした。

フレームの幅がピッタっと収まりました。入らなかったどうしようなんて事もよぎったが、大丈夫でした。
それにしてもケーブルの長さがギリギリで取り付け難い。
完成!!! 単純だが”VK-03 ”と命名。いかがでしょう。
写真より実物のほうが、ずっといいんですよ。
 今回は最初からセンタースピーカーを作ろうと決めていたので、比較的スムーズに進行できました。
音質はさておき、デザインが一番重要なファクターだと当初から考えてます。
 音を聴いてみたくなるようなスピーカーは沢山あります。
だがそういうオーラではなく、直感的に”置いてみたい欲しくなる
そんな衝動に駆られるよう”
官能美 ”を目指しました。
そこで視覚的効果の高い”ホーン ”にいたったわけです。以外にありそうで無いようなスピーカーだと思いませんか。
さて、音のインプレッションに入ります。
まずは一言
「 うぅぅ・・・やっぱホーンだ 」中域が張り出してくる。

まァ見た目でもわかるように、あたり前と言えばあたり前ですかね。ユニットの特性に拍車をかけてしまったかもしれません。
一つ気になるのは標準的なバスレフで聴いてないので、比較できなくて残念。
箱のホーンがどれだけ影響してるかが気になります。

 低域だがこのP650、裸で聴いた時の力強いフィーリングは、箱に入れても感じる事はできた。
だがやはり小口径の性か、低い音がぜんぜんダメ。
箱を大きくし、上手く作ればそれなりの量感が出るかと思うが、
キレの無い、箱鳴りボー音はいなめません。
だからこれくらいで納得したほうが、いいかもしれませんね。
 今手元に YAMAHA センモニ と ONKYOのM55 があり、
それらの音質は優秀で、特に低域は最高です。
もちろん比較対象にはならないが、そんな音を聴いていただけに、よけいそう感じたのかもしれません。

 高域は柔らかく、刺激はかなり少ない。
中域凸の影響力もあるが、箱の奥にユニットが収まってるという、構造上の特徴も出てるのかもしれません。
真正面以外はよけい感じ難く、柔らかくなってます。

 全体音。
割とレンジも広いし、フルレンジ特有の定位感も損なっていない。
センタースピーカーとしてはこのままで十分通用しそう。
だが2チャンネルで聴くと、やはり中域が気になる。
そこでネットワークの出番。フィルター措置で中域を凹の特性に。
全体がクリアー質に変わり、声も聴きとりやすくなる。だいぶ改善されたんじゃないですかね。

P650の良いところ。
安っぽくないと言うか、厚みのある音。
低域と高域が弱めだから中域が凸に聞こえるのは必然。
だが声の帯域に変な癖はなく、厚みもあるので、柔らかく品のある音色に聞こえる。
その辺りの音が、低域も援護し全体を厚くする傾向。 だから物足りなさを感じさせないコクがある。
悪く言うと、こもってる。
このままだとTVの音はちと辛いかな、って感じ。

まァ完全なボーカル向きのユニットですね。
私は声が低いんで、人の多い場所では声がぜんぜん通りません。
女性が「 ○○くーん 」なんて叫ぶとはっきり聞こえ、声がよく通るなんて言いますよね。
この箱のホーン効果は、中域・ボーカルの声がそんな感じで”よく通る ”そんなところが印象的でした。
最後に。
上の写真はStereo誌に送った写真。ちょっと新鮮でおもしろいでしょ。
 センタースピーカーは×1が一般的ですが”A4サイズ ”×2にいきつきました。
×2にする事で、縦・横のレイアウトが可能、どこにでも気軽に設置できるでしょ。
モニターは24インチ。横置き上乗せは、30インチまで対応できる。

・使い勝手のよい実用性のあるコンパクトサイズ。
・思わず飾ってみたくなるようなスタイリッシュデザインと、高級感のある質感。

そんな狙いがほぼ出せたと思ってます。
 考えながら作っているので、突き板・木目の角度や塗装など、反省点も多々ある。
でも次回は、もっと上手に作れるでしょうね。8cm用も作ろうと考えていました。
掲示板に感想など頂けると嬉しいです。
 コンテスト締め切りが8/20必着。必着は気を付けないといけませんよね。今日送ったので間に合いました。
果たしてコンテストの結果はどうなるか。
力作なんで落ちたらショックですが・・・まァ追ってレポしていきますので、お楽しみにしてください。

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