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●ユニットのオーバーホールが完了しました。
うっかり写真を撮り忘れましたが、分解・錆取り、
錆が再発しないよう、入念にコーティングしました。
左から
ウーファー2213
 アルニコ
スコーカーLE5-2
アルニコ
ツィーターLE20
 アルニコ

 スピーカーにとってネットワークが音質の要になりますが、JBLの場合は「
ユニットの動作 」も大事になります。

 特にフルレンジ動作のウーファーは、ストロークの量や質がが肝になるので、念入りに再セットしました。
●こちらはスコーカーのLE5-2
音質はもちろんですが、見た目も大事だと考えています。
なので一番目立つこのフレームは、丁寧に磨いて処理しました。
 このフレームはアルミでできており、表面の酸化を落とすことで黒ずみが取れピカピカになります。
ですが一度表面の酸化を落とすと、逆にまた酸化しやすくなるという弱点もうまれます。

 そこで磨いた後は、必ず表面をコーティングします。
それで美しさを長く保つことができます。



●いよいよユニットを取り付けます。
単線は硬いので、ユニットのターミナルに負担がかからぬよう、形を整えます。

そして装着
4311はウーファーとツィーターが逆相です。

A.なぜ単線を採用したのか?
Q.それはこのウーファーがフルレンジの役目を担うから。


 例えば20cm以上のフルレンジを単品で使うとき、配線は何にしようと考えると、すぐに単線が浮かびました。
それはこの2213、30cmウーファーの能力を
 「 ありのままに引き出したい 」そんな思いからです。

 単線と一口に言ってもウエスタン物のビンテージから銀まで、いろいろあります。
そして高解像度で、素直な音を出したいときに、単線が有利だと私は経験しました。
★ただし条件があり太さが重要。高解像度を求めるなら
最低でも「 2mm以上の太さ 」が必要になります。

 細い単線は10cm程度の小口径やツィーター向きなので、大口径では力を発揮できません。 
銀もそうです。完全なポテンシャルを引き出すには、最低でも2mm以上が必要です。
 それと銀の場合は癖があるので、使う場合はツィーター、スコーカー、ウーファーと全ユニットを同じ物で統一する必要があります。 
上だけ銀で下は銅とか、上は0.5mmで下は2mmなんてやると、「 音の統一感がなくなり 」ちぐはぐな音になります。
 だから銀は難しい素材ですが、私が銀を使う場合は、銅と銀のハイブリットを自作して使います。 
 パーツそれぞれの能力や役目をしっかり把握することで、自然に結果(音質)もついてくると経験しました。 
●そして最後の仕上げ

ユニットを慎重に装着!
●プレートをセットし
●構想から5ヶ月
ついに 
祝!完成! しました!
●どうでしょう
●どうでしょう
●オールアルニコモデル
至高のカスタムの名に恥じぬよう、プレートをアメリカから取り寄せました。
これを装着すると雰囲気がぜんぜん違いますよね。
エージング中
この角度から見えたユニットも最高でした。
●こちらは以前仕上げた 4311WX

この4311も、もう手の入れる所が無いほど
念入りに仕上げたものです。
●そして今回の4311supremacy(スプレマシー)

    「 
至高の4311 」

 全て完璧に仕上がりました。
今回一役かってくれたのがこれ
DCモーターの扇風機です。

 毎日毎日長雨が続き、箱も中々乾燥してくれません。
そこで強すぎるサーキュレーターの代わりに、超微風が出せる扇風機を購入しました。 
24時間一週間の連続稼動にもへこたれずに活躍しました。
なにより音が静かで、深夜も気にならないほどです。
ただしDCの場合ノイズが出やすいので、精密機器の近くに置いてはいけません。 
●ついに完成した至高の4311、エージングもそこそこにさっそく音出し
まずは一言 
 「
やばすぎる!!

 最初にお気に入りの女性ボーカルを鳴らしてみると、 
いきなり「
生々しいリアルな声 」が飛び出してきた。 
今まで多くのJBL製品を聞いてきましたが 

 初めて、「
これがモニターの実力なのか 」と思えた瞬間でした。

そしてこの自然で柔らかく、眠くなるほど心地いい音色は 
LE20を装着した「
オールアルニコ 」の影響が強そうです。 

さらにこの「
解像度の高さ

 重なり合った音楽でも「
一音一音はっきり聞き取れる 」フィーリングとは、 
まさにこれの事を指すのだろうと、思わず唸るほどでした。 

・ユニットを完全にオーバーホール(かなり効きます) 
・ネットワークやパーツを再構築 
・LE20をセット、オールアルニコへ 
などの条件がうまく重なり、この音が出せる結果へと繋がったのでしょう。 

まとめると 
 以前オーバーホールした4311も最高だと思ってましたが、 
  今回の
4311supremacy を聴いてしまうと、 
    肌にに伝わってくる音がぜんぜん違いました。 

 
とにかく凄い!

 私が在庫してる4311を全部このようにしたい! 
と思えるくらい、素晴らしいポテンシャルを発揮した4311です。 
自分で製作した物を褒めすぎるのもなんですが、 
とにかく凄い音としか言いようのないスピーカーができました。 

ここに
   「 
至高の4311  」の誕生です!


最後に。 
 今回の4311、いかがでしたか。 
音質は確実に良くなるだろうと思ってはいたものの、 
ここまで変わるとは、まさに予想外の出来事でした。 
 ツィーターとスコーカーは完全OFFにできるので、 
ウーファー(2213)とツィーター(LE20)の2wayでも楽しめます。 
 それとJBLはアンプや周辺機器により、フィーリングも変わってくるので 
機材を換えて駆動させるのも、楽しみの一つですね。 

 今回ご依頼くださったオーナー様は他にも4311を所有してるので、 
聞く比べされたらきっと感嘆してくださると思っております。 

 他にもすごい4311がありますが、 
  CP値や素材、組み方や音質など、全て含めて考えると 

 間違いなく「  
日本一の4311  」と言い切れるでしょう。

 この感動はみなさんにも味わって頂きたいくらいです。 
特に5ヶ月もの長きにわたり、お待ち頂いたオーナー様には感謝してます。 
ありがとうございましたm(_ _)m
 

 VKチューン 「  
至高の4311  」、ぞんぶんに鳴らし楽しんでください!

次回 
 こういうのの後は出しずらいですね(^^; 
  ですので次回も、大物をぶつける予定です。お楽しみに♪ 

JBL 4311 + LE20  Supremacy4311 オールアルニコ モディファイ
メーカー解説:録音スタジオや編集室、調整室などでのモニターや屋外録音用として開発されたスピーカーシステム。
方式 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:3.6cmコーン型(LE20)アルニコ  
中域用:13cmコーン型(LE5-2)アルニコ 
低域用:30cmコーン型(2213) アルニコ 
再生周波数帯域 45Hz〜15000Hz
インピーダンス
出力音圧 91dB/W/m
クロスオーバー周波数 1.5KHz、7KHz
外形寸法 幅362×高さ597×奥行298mm 約L
重量 23kg


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