今回はJBL4311Aと4311B、人気のグレーモデルをフルレストアします。 U
●Aは4311の2ndモデルで、ウーファーとスコーカー(MID)がアルニコになり、
Bは3rdモデルで、ウーファー、スコーカー(MID)、ツィーターの全てがフェライトモデルとなる。

写真のよう並べるとスコーカー以外の違いはない。
音質はAの方が中低域が力強く、ややメリハリがある。
Bのマイルドな感じも優しくて悪くない。

今回ある両モデルは、年式のわりにはとても程度が良いものでした。
●そんなグレーモデル、写真だと一見綺麗に見える概観ですが、実は実際見ると以外と汚れてます。

←天板の一部のみ汚れを落としてみました。
ぜんぜん違うでしょ。
右のUP写真を見るとわかりやすいが、これ簡単に言うと壁紙と同じノリで表面が凸凹しており、その隙間に汚れが染みこんでいる。
強力クリーナーなどで落ちないこともないが、全面だと相当手間になるのと、ムラになったりで完璧に綺麗にはならなそう。
●なので全面塗装することにしました。
JBLは同じ青やグレーでも、機種によって色身がぜんぜん違います。だからどこに照準をあわせるかは難しいところでもある。
元色を調べるには左写真のよう、シール部を剥がしてみると、だいたいは元色が綺麗に残ってます。
その色を参考にしながら塗料を調合します。

 今回も前回のJ216同様、体に優しい室内塗料を使いました。塗料は一見どれも同じに見えるが、油性の外用と水性の室内用ではまったく違います(動物が近寄りません)。

ほとんど寝かした状態での作業になるため、最初に背面だけ筆で塗装(左)。まったく違いますよね。
全体をサンディング後、エアブラシで仕上げます。
●ウーファーはコーンの汚れを落とし軽く再塗装。
エッジも一度ダンプ剤を全て除去後、新たに塗りなおしました。4311のエッジは完全に固まったりはないが、このダンプ剤が曲者で硬く解けにくく落ちにくい。
小音量で問題なくても、大音量で歪んだりバランスが悪くなったりします。特にJBLはウーファー命ですからね。

スコーカーのエッジはカチカチなので、溶かし落とし除去して塗りなおし。元々ダンパーも固めなのでフルレンジユニットのようストロークするものではないが、元の状態より3割程動くようになるだけで、音質はぜんぜん変わってきます。

ツィーターも同様、一番分解しやすいユニットだが繊細なヶ所もあるので、神経使いながらの作業になります。
●レストア後。

 見た目もそうだが、音はぜんぜん違います。
特にスコーカーは単品で聴くと、まったくの別物?と感じるくらい差が出ます。
車と同じですね。
 ユニットの裏面は軽く磨いたあと錆止め処理をおこないました。これでいいコンディションが保たれます。

それにしてもBのスコーカーの黒フレームはアルマイト処理によるもので、すごくかっこいい!
錆落としも慎重になるほどでした。
●さて、今回はチューニングをほどこします。

純正ケーブルはワイヤー、針金と言えそうなほど硬いものです。音質は悪くなく解像度も高めだが、柔らかく広がるような自然なフィーリングにしたいので交換しました(右)。

←このケーブルはオーディオテクニカ製で、生ゴム巻きの銅線の上に銅箔が巻かれ、さらに外側のシースが2重なってる、そうとう凝ったケーブルです。
音色は自然で柔らかく、一気に現代フィーリングに変わりました。
ただこれ剥くのが大変。合計16ヶ所もあるので、剥くだけで2時間はかるくかかります。

●さらに今回はネットワークを追加。
 (モザイクはご了承ください)

 貧弱な裏板を交換し、そこにスイッチを装着。
オリジナルサウンドとチューニングサウンドの
両方が楽しめる
 「 
切り替え式 」にしました!

こんなチューニングは久々でしたが、セッティングもわりとさくさく進みました。
コンデンサーが劣化することはほとんど無いのもあるが、オールドJBLの貴重なコンデンサーは、変える必要性を感じさせません。他にターミナルやスイッチは新品だが、今回はスカスカだったアッテネーターも新品交換しました。
●キャビネットの塗装が完了。
一面も全面も変わらないので全面塗装しました。
3度塗り+クリア仕上げ。
TOPコートをしっかりおこなっているので、汚れもつきにくく、付いた汚れも落としやすくなってます(水拭きでOK)。
最後の塗装から1週間ほど乾燥させた状態だが、あと1ヶ月はこのままにしたいものです。

ユニットのレストアとネットワークも完成しあとは組むだけ。

←こちらはA
●でこちらはB。

スコーカーはAの方が重いが、逆にウーファーはBが超重。
そんなBのスコーカー(MID)は、元々フレームが黒色です。
この黒は塗装ではなくアルマイト処理によるもの。
それが高級感をかもし出し、すごくかっこいい。

だがウーファーだけの銀色が逆に目に付く。
そこで銀色部分のフレームやネジを黒に塗り、
完全な「 
ブラックアウト 」にしてみました。
●キャビネットの仕上げに入ります。
正面のプレートはご覧のよう傷やくすみが目立ちます。
ネットを付けても見える部分なので、気になると言えば気になります。
●そこで明るい光沢仕様にしました。
全体の雰囲気もかなり変わります。

このプレートのほか、マジックテープや背面プレートも取り付けます。
●そしてユニットを装着
なんかかっこいい!

以前似たような印象深いスピーカーは「 これ

そしていよいよ
●祝完成!

こちらはBでAはまだ組み上がってません。
●やばす
●背面にあるトグルスイッチで、簡単にサウンドの切り替えができる。

 ★オリジナルサウンド→ボーカルもの

 ★チューニングサウンド→クラシック、室内楽など、楽器系

と言った感じでしょうか。

こんなチューニングは「
ヴァリアスクラフト 」ならではですね。
●面がでかいからエアブラシじゃ正直きついものがあるのだが、毎度なんとかやってます。
●フレームの内ふち(ライン)も黒にしようか悩んだが、とりあえず同色(グレー)にしました。
●さて、音質は割愛させて頂きますが、
純正がやんちゃな子供なら、チューニングはジェントルな大人ってところでしょうか。 
U
 (よけいわかりずらい?ですよね(^^; U

 4311はボーカルものと相性が良いスピーカーで、これでクラシックを聴く気にはなれないが U
チューニングの方はぐっと落ち着いた音色で、クラシックでも十分対応できる音になりました。 U
高い声がきつい女性ボーカルも、少し落ち着いた雰囲気に変わります。 U
スイッチ一つで簡単に切り替えられるのも、VKチューンの特徴ですかね。 U

最後に。
 今回のAとB、どちらも元々程度の良い品でしたが、全面塗装により U
もう新品と言っていいほどの質感に変わりました。 U
キャビネットが綺麗になったのでユニットも綺麗にせねばと、丁寧に仕上げました。 U
Bのブラックアウトはちょっとしたさりげないものですが、 U
全体の印象がガラッと変わるほど、めちゃくちゃかっこよくなりました(私の好みですが)。 U

 Aは最初チューニングする予定はなくオリジナルのままでいこうと思っていたのですが、 U
Bのチューニングが以外と良かったので、Aもチューンすることにしました。 U
まだキャビネットの乾燥中で組み上がってませんが、 U
そろそろ組み上げてセッティングしようと思ってます。 U

 それと毎度書いてるのだが、写真だと実物より少し青みかかって見えてますよね。 U
私の環境はDELLの27インチモニターで、元々青味が強いので黄味を強め色温度も下げたセッティングです。 U
さらにブルーカットフィルムも使ってるので、逆に写真を青くしてしまってるのかもしれません。 U
あとはカメラの問題と、撮影時に使ってるLEDライトが青白いので、その影響もあるかもしれません。 U
あとから別のPCで確認すると、いつもあれ?なんて感じてしまうので、一応か書いときました。 U

 今回の4311はいかがでしたでしょうか。 U
古いスピーカー全部塗りたくなるほど綺麗に仕上がったと思います。 U
今でもまったく古臭くないデザインの旧車とかありますよね。 U
そんな感じでしょうか。とにかく音も見た目もカッコ良くよみがえった4311でした。 U

次回、4312Aのチューニングとかあるのですが、その前に少し脱線(JBL)予定です。お楽しみに♪

JBL4311A B  初代4311-1973年〜 2nd1976年〜 3rd1979年〜 1982年〜4312にモデルチェンジ
メーカー解説:録音スタジオや編集室、調整室などでのモニターや屋外録音用として開発されたスピーカーシステム。
方式 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:3.6cmコーン型(LE25)フェライト。アルニコは4310のLE20-1のみ。 
中域用:13cmコーン型(LE5-2)アルニコ、これ以降はフェライトになる。
低域用:30cmコーン型(2213)アルニコ、これ以降はフェライト(H付き)になる。
再生周波数帯域 45Hz〜15000Hz
インピーダンス
出力音圧 91dB/W/m
クロスオーバー周波数 1.5KHz、6KHz
外形寸法 幅362×高さ597×奥行298mm
重量 19kg(1台)
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