●今回は、以前扱ったことのあるスピーカー、KENWOOD S270 と DENON SC-E757 。以前のS270はこちら
2回目の視聴ではずいぶんと印象が変わりましたが、原因の一つとして、置き方の違いが考えられます。
ご覧のような山積み、積み重ねたままの視聴ですが
いずれも前回より”いい音 ”に感じました。これはこれでありなのかもしれません。
 自身の体調変化はもちろん、湿度なんかでも聴こえ方がずいぶん変わってきますから
その時その時にベストセッティングに調整するのも、オーディオの楽しみ方の一つかも知れませんね。
 さて今回は、わりと優秀なスピーカーなので、長所を伸ばす”極みチューン ”で攻めたいと思います。
2台続けてどうぞご覧ください。
●出入り口を塞ぐほど積まれた、スピーカーだが
今はもっとやばいことになってます(^^;
今回は赤枠のスピーカー。
●ケンウッド・S270の背面板を外しました。
しっかりしたネットワークが顔を出しました。

ちなみに上の3種、いずれも背面板がネジ留めで
外れるようになってます。
メンテナンスのさい、部品をまとめて購入するということもあり
ばらせるものは全て、いっぺんに外してしまいます。
ネジはどれも似たようなもので、もう何本あるのか?
どれがどれだか分からなくなるほどの量なんです。
一応小皿には分けてるんですけどね。
●これはケーブルの末端、端子部分。
きちんと収縮チューブで覆ってあります。
こういうのがマインドをくすぐるもんです。
●これは超珍しい” アース”なんです。
前回の記事を読み返してみると、書いてなかったので
あれれ?なんて思いましたが、
とにかく後にも先にも、たぶんこのS270だけのような
アースなんです。


外して聴いても変化がないので
効果がどれほどあるのかは分かりません。

アンプはもちろん、車なんかでもアースは効果的というか
やったほうが安心・安全なチューニングでもあります。
私の部屋にはアース線が通ってますので
こんど大掛かりな実験でもしてみましょう。
●さてさてチューニング最初の工程、スイッチの取り付けです。
こういうプラスチックのカバーがあれば、
だいたいはそれに取り付けます。
だが色々と問題もあり、
このS270のような小型スピーカーでは、
ネットワークの位置代えも、スペースがないので
簡単にはできません。
なのでスイッチも、いつも工夫して取り付けてます。
●ギリギリですよね。
スイッチの動きは上下、スペースは狭いが
操作性は悪くありません。
●これはノーマルネットワーク。
ウーファーコイルが大きい。
容量はそれほどでもないのにサイズが大きいのは
線が太いということなんですね。
●今回は、ウーファーとツィーターのコンデンサーを交換。
ケーブルも全て交換し、
基盤を通さない ”ダイレクトな”独立配線 ”にしました。
これはけっこう効果があります。
とくにこもり、ウーファー色が強いスピーカーの場合は、
かなり変わると思いますよ。
●線材の比較。
各所にわたるこだわりがあるだけに
純正が細めなのは残念です。

右はオーディオテクニカの2mm、
情報量が多いので、最近お気に入りのケーブルなんです。


●さて今回の目玉は” サランネット
これが純正で、シルバーグレイのような
弱光沢感のある生地を使ってます。

これはこれで悪くないのだが
●SX-V1のネットを見慣れてるだけに、
グレーだといまいち安っぽく感じてしまいます。

←これがSX-V1のネット。
けっこう厚みのあるパイル地を使ってますが、
音がたくさん吸われる事もなく、違和感もない。
それよりも、これ以上にいいネットあったかな?と
思えるほど高級感がある。

上の写真もそうだが、写真だと色が微妙なんです。
実際はもう少し暗めの茶色ってとこで、
マホガニーの色にバッチリ合う感じ。
●生地を剥がします。
手でぺリぺリと、わりと簡単にいけます。
剥がすとよくわかるが、
ネットもけっこう汚れており、裏と表が色違いなほどなんですよ。
私はいつも柔軟剤で洗ってますが、
木でできたフレームのやつは、洗うのに難儀してます。










●真ん中が今回交換した生地、色は茶色。
粗めのメッシュ地で、
音質変化はほぼありません。

生地はちょくちょく探しており、けっこう買い集めてます。
ただ近所の生地屋も無くなったので、今はすべてネット購入。
 ネット購入では問題があり、
実際に届いたものは、色がぜんぜん違うんです(TT)
そんなことが多いんですよ。
 あとはほとんどのパイル地(厚め)の場合、
音が吸われすぎるので、使い物になりません。
だから無駄な生地が大量にある始末なんです(^^;

今回は見た目最優先はもちろんだが、くわえ
音質に影響がない生地をチョイスしてみた。

写真はありませんがユニットを取り付け
●完成!!! いかがでしょう。
ネット装着図が上の写真。本体のマホガニーと、色がよく合ってます。DENON E757と同じよう
やや透けなんですが、ネットを装着したままユニットが見えるので、ホーンの雰囲気も味わえます。
 S270の外装は、マホガニーのツキ板を使ってる。SX-V1は無垢マホガニーなんだけど、それに匹敵する美しさがあります。
最大の特徴であるツィーターのホーン形状。ここは無垢板を使っているので、しっとりした美しさがでています。
もうひとつくわえ、SX-V1しかり同メーカーであるケンウッドのLSF-777にも採用されている、
フロントバッフルが” ”。それも最大の特徴でありますが
それの効果は特に低域に表れており、解像度の高さには目を見張るものがあります。

 これ、ペアで10万という価格だが、外国製だったら余裕で30万くらいは付けてるでしょうね。
それだけのこだわりが随所に見られ、意味あるスピーカーなんです。
だから見た目にもこだわり、ネットを交換したというわけ。

一つ残念に感じたのは中域で、ちょっとこもって聴こえるんですよ。
だからチューニングの一つとして、切り替えスイッチを取り付けました。スイッチON(上)で中域がクリアーになります。
 元の音とチューニングの音、どっちも捨てがたいんで切り替えスイッチを付けるわけだが、今回のS270、
ネットワークをリファインしたことにより、一皮も二皮もむけたような音質へと変貌しました。
それは想像以上の音質で、こもり気味だった中域も、けっこうなクリアー質に変わったほどです。
スイッチの有意性が薄れるほど、効果を感じにくくなったほどでもありました。

すべてのグレードが上がったS270は、所有する喜びもふえたことでしょう。
こういうリファインはやる方もいないと思いますから、まさにチューニングS270といえる完成度になりました。

●引き続きこのままDENON SC-E757にはいります。
以前の757はこちら

ページには番号を振っており、以前の757は58番で今は109。
そういう風に書くと、数が多いのも実感してきます。
数のわりには、期間はそれほどでもなく、印象もまだまだ残って
るといった感じです。
ただ正直、どれがどれだか分からなくなるなんて事も
あるんですけどね。
この757は”浮上感最高 ”という良い印象が残っており、
それは今でも忘れないほど、強烈なものです。

さてこの写真、背面板を外したあとの内部になります。
白いのはスポンジに近いような、
コシのある綿でできた吸音材。

●中域の浮上感と迫力ある低域が印象的な757だが、
今回の視聴では、何か低音が少ない気がしました。
いろいろと原因も考えられそうだが、
とにかく何度聴いても低音が弱い。
まァいいだろうとメンテナンスを始めると、
←なんと原因はこれ(吸音材)でした。
上の写真がノーマル位置で、
←これは写真のよう、ユニットをすっぽりと隠すように
設置されていた。
これでは低音の量も少なくなりますよね。
ただし低域過多に感じた場合、こんな方法もありでしょう。
ポートにスポンジを詰める方法と、似たようなフィーリングです。
これはどなたがやったのか?
そのあたりも気になるところですが(笑
問題解決でめだたしめでたし。
●さてこちら純正のネットワーク。
セオリー通りの12dB/octという構成。
ツィーター側のコンデンサーは良い部品を使っており、
あとは標準部品といったところ。
スペースが狭いので、
ちょっとごちゃごちゃしてるのが気になります。
●右が今回、チューニングしたネットワーク。
ウーファー側コンデンサーとケーブルを交換しました。
質のいいユニットの場合、
部品の質を上げることで、ポテンシャルもかなり上がります。





●で、ケーブルの末端処理だが
UP写真、左がウーファーで右がツィーター。
ケーブルの先端は平型端子(ファストン端子)で処理しました。
通常は+(赤)がMサイズ-(黒)がSサイズを使うのが一般的だが、
これは+-両方同じサイズです。
 757にはデンマークのピアレスという会社のユニットが
搭載されており、その端子がこうなってるわけなんです。
これ間違い防止にはかなり有効です。
 
 私がネットワークをチューニングする時、最後に音出し確認を
するのだが、ウーファーのケーブルをうっかりツィーターに
付けてしまい、あわわやばい!
なんて事も何回かありました。
これはウーファーがMでとツィーターがSですから、
そんな間違も防止できますね。
+-赤黒は逆に付けても壊れることはありません。
さすがメジャーなメーカーは一味違う!といったところでしょうか。

私以外に外すことはたぶんないと思いますが、一応
わかりやすいよう赤黒を付けときました。
●さてさて今回の目玉、S270同様
見た目を変更していきます。
 これが元のウーファー。
頑丈なスチールフレームで、いいユニットです。
ちなみにエッジはゴムなので裏側より補強しました。
●そのウーファーのフレームを
躊躇なく塗装しました。
で、これは一回塗り。
表面が凸凹なのでそのまんまです。
●乾いては削りを繰り返す事3〜4回。
だいぶ見れるようになってきた。
あと2、3回もやれば完璧ですが、
まァこのへんでいいでしょう。

最初にフレームの凸凹を削っておけば、
塗りの作業も少なくすみそうだが、黒も塗る必要があります。
どちらが楽かは微妙なとこですね。

フレームが艶々なので、コーンとエッジも
なるべくそういう方向で仕上げました。
(これはまだ仕上げ前)
●箱の補修。
これは角の補修で、もう完成間近といったところ。
最初の写真を取り忘れたのだが、
もう完全にぶっつぶれており、
写真のような状態にもってくるまで、20時間ほどかかりました。
特にR部は大変でしたね。
完全に板金作業と同じです。
●757は一般的に、”ピアノブラック ”といわれる
とても上品な仕上げ方です。
 ピアノブラックというのはその名の通り、ピアノのような黒で
奥行きのある深い鏡面なんかを指していいます。

磨いて磨いて磨きぬく。
そんなんでピアノのような、しっとりした艶が生まれるわけだが、
それだけ”塗膜が厚い ”というのも
ピアノブラックの特徴なんです。
 だから普通の黒・艶ありとは、一線を画すんです。
●私が外装を仕上げる場合、小傷とかは
埋めて(塗装など)補修することが多い。
これは塗膜が厚いので、磨き込みにより(削り)綺麗に
していきます。
最初の程度にもよりますが、
他の木目なんかに比べると、労力はかかりますね。
●箱の補修が終わったので、そろそろ完成間近、
最終工程です。
これは背面にあるポート。
この757は低音が出にくいよう、吸音材で調整?されて
いたわけだが、それを元にも戻したので、
低域の量も増加します。
そのあたりを少し微調整したいので、
こんなスポンジを装着してみた。

これは俗に言うONKYO方式
ONKYOも微調整が目的だったのかもしれませんね。
●ユニットありませんが、ユニットを取り付け
●完成・・・の前に、こちら3種をご覧ください。これは見た目ユニットの色違いで、一番左がノーマル状態です。
757を初めて見た時うっとりするほどの美しさでしたが、その分逆に”ユニットの色差 ”が
気になってしかたありませんでした。
 そこでそこを改善したのが、これらというわけなんです。

 真ん中のフレームが白いやつ、これは最初におこなったものだが、白のカッティングシートを張り”まんまピアノ仕様
という狙いで作ってみました。
見た目にはとことんこだわり、サランネットにはベルベットという生地を使ったほどです。
すごくいい雰囲気が出ており気にいってました。

 今回はウーファーとツィーターをボディ同色にしてみた。車でいうとこのモール同色など。
これはとてもしっくりしており、まるで純正のよう。
インパクトはそれほどでもありませんが、一番合ってるかもしれませんし、高級感も数段跳ね上がった感じがします。
 世の中には何百万もするようなスピーカーがありますが、それらもこんなノリのはずです。

●で、改めて完成!!! いかがでしょう。ユニットが箱に溶け込み、一体感がでてかっこいいと思いませんか
鏡面はいろんなものが写り込むので、撮るのが難しいのと写りが悪いです。

 さて今回の757極みチューンは成功、相変わらずいい音で鳴ってます。
最初に気になった低音だが少し量感が増え、ちょうどいい感じになりました。
このスピーカーはあまり鳴らされなかったようで、新品のような動作が硬いというのも一つの原因の一つでした。
ただそんな今がとてもいい状態なので、このウェルバランスを維持できたらいいな、なんて気持ちもわいてきます
もちろん鳴らし込みによりどんどん味がでてくるので、奥行きの深い音へと変わっていきます。

 私の中で一番いいDENONはE535だが、それはだいぶ前のお話ですので今は微妙です。
隣にならべて聴き比べすれば、ひょっとしたら逆転するかもしれません。
757はそれほどの実力者なんです。

 今回のS270と757、どちらも甲乙つけがたい、所有するならどっち?と迷うほどのいい鳴り方をしてます。
前回のDS-A7もそうだが、日本のスピーカーは日本の音そのものであり
心地よくて眠くなるような、そんな癒しの音色を奏でてくれます。
この757、3者の中では中間サイズですので、一番かってがいいかもしれません。

最後に。
スピーカーをいじるという行為(チューニング)自体、やる人もほとんどいないのが現状であり
外観のリセッティングや今回のようなプチ創作などはほぼ皆無でしょう。
時にはハズレがあったり、壊してしまったりもしましたが、
そんな壁を越えてきたからこそ、良いものができるんじゃないですかね。
 車もパソコンも同じ”チューニング ”は、一度はまると抜けられない世界でもあります。

次回、そろそろスーパーツィーターのピッチを上げねば・・・と思ってるのですが、
7〜8台まとめてやってますから、時間かかるのはあたり前ですよね。
YAMAHAの兄弟シリーズもやる予定ですので、お楽しみに♪

      ・・・        ・・・・・