●今回はダイヤトーン、DS-200ZAとDS-300Vの紹介です。以前のページ200ZA 300V
特に300Vは懐かしい!4年ぶりの登場で、以前は良い印象でした。
だがメンテ泣かせのメーカーでもあります。ではさっそくいってみましょう。
●スピーカーが山積み、切り替えしながら音色をチェックしてます。
だがこれは10日前ほどの写真、
今はほぼ入れ代わっており、さらに山積み状態。
●これは200ZAのエッジ。
これはゴムが白くぼやけた状態で、ちょっとした水拭きでも
ポロポロと崩れ落ちる始末。
とりあえず音が出ればいいのなら、何もしない方がいいでしょう。
●エッジを交換しました。
元がゴムエッジ場合、同じようなフィーリングを出したいので
極薄の布を使います。
布が薄くてペラペラなので、制作も張り替えも難しく
ちょっと凸凹させてしまった。
 だが機能的に具合はよく
ダンピングも効いて、低域もよくでます。

ツィーターは分解・清掃。
ぶっちゃけダイヤは分解したくないのだが、
ほこりとか落とすには分解が必要になってきます。
●ネットワーク。
コンデンサーを交換、ケーブルは追加した。
ZAとZXはコンデンサーの交換が必須でしょう。

これは初代Zのコンデンサーで、
余っていたのでとりつけてみた。
ツィーター側が1uFほど大きくなり、
中域・特に人の声はメリハリが付くようになる。
でも違いは1uFですから、ほんの少しの塩梅です。

ケーブルは同じ太さ(2mm)のOFCを追加しました。
Zシリーズはネットワークがシンプル、
フルレンジ同様、太いケーブルがベストマッチでしょう。
これでパワーをストレートに引き出せます。
●こちらは300Vのユニット。
ウーハーはエッジの交換。
ツィーターは分解・清掃に加え、
リード線のハンダ部分を再ハンダしました。

300シリーズは10台中、6、7台はツィーターがダメでしょう。
ウーハーのエッジが固まり、まともな音が出ないので
ついボリュームを上げてしまい、断線する。
という事が一般的に考えられる事だが、
300・300Vに関しては、制作のあまいところがあるので
メーカー側の問題とも考えられます。
久しぶりに音出ししてみたら、突然音が出なくった(TT)
もう遅いが、当時はリコールになったのでしょうか?
残念ながら、十分にリコール対象のスピーカーでしょう。
●さてこちらネットワーク。
1.6kH付近でのクロスで、
一般的にお手本のようなネットワーク。
一番拘りは配線で、
ハンダを使わない圧着式の上、
ツィーターとウーハーを個別につなぐ、独立方式を採用しています。
こういうところから、情熱が伝わってきますね。
●今回はツィーター側のコンデンサーと
ターミナルを交換しました。
ターミナルはプラカバーを廃止、木で作り直します。
●さてここからは、ツィーターの外し方になります。
300Vは表面にカバーが接着してあり
それを外さないとネジが見えません。

これが一番の鬼門というか、
できるだけプレートを変形させないよ注意します。
まずはプレートをなんとか浮かせ、写真のようにします。
そこまでできたら、プレートの表面をドライヤーで温めながら
カッター等をスライドさせ剥がしていきます。
プレートの裏は強力両面テープ張りなので、
温めることにより粘着が弱くなります。
●プレートさえ外せれば、あとは他のスピーカーと同じ。
写真のよう、フェルトの下にネジが隠れてます。
音が出なくて分解する場合は、
フェルトを全部剥がすと、さらにネジが現れます。
●これでツィーターが外れました。
メンテナンスはもちろん、
箱を綺麗にするためには、作業が俄然やりやすくなります。
●箱の補修。
まずは徹底的にクリーニング。
ちょっと見ずらいと思うが、真ん中より左がクリーニング前
右がクリーニング後。
実物はもっと差があります。
●徹底的に汚れを取ったつもりだったが、
まだこんなに落ちるのか!
と思えるほど、ペーパーがけは有効な最終手段。
ペーパーは耐水ペーパーを使い、
だいたい600〜800番から始め、1500番で仕上げます。
汚れが完全に落ちるのと、小傷も消してくれるので
一石二鳥ですね。
ビニールシートにペーパーがけ?大丈夫です。
ツキ板と違い塗装が落ちないので、
気を使う心配がないのはほんと楽です。
一通りペーパーをかけると、全体が白っぽくなるので
最後にクリアーを吹いて仕上げます。
大きな傷や打痕がない箱なら、たぶん
新品以上に綺麗になってると思いますよ。
いずれにせよ、下地調整が重要だということですね。
●箱の内部。
部分的に吸音材が貼られているのだが、
それらをさらに追加してみた。
きざきざスポンジは見た目だけでも効果ありそうでしょ。
ユニットを取り付け
●完成!!!まずは200ZA。
スピーカーは段ボール箱に入れられたまま保管してあるのだが、実はZXかと思っていたらZAでした。
ZAは一番数が少なそうですね。
Zより気持ち大きくて、ZXとはほぼ同じ。
ZAはポート長が長めにとってあり、より低い音を感じやすい設計になっている。
僅差だが、3シリーズの中では、一番低域の量感が感じやすい。
ワイドで情報量の多い、20cmフルレンジのような音質です。
とにかく変な癖がないので、耳鳴らしにも合っており、一台は所有したくなるスピーカーですね。
●さてこちらは300V。
4年ぶりの視聴だが、ぶっちゃけ「 こんなに良かったっけ!?
と思うくらい、素晴らしい音色が飛び出してきた。
ダイヤトーンの中ではダイヤらしからぬ、中域が引っ込んだ音。
中域はクリアー質で、外国製モニターのような音質です。
もちろんエッジが完璧での話ですが、今あらためて聴いてみて、かなり良く感じました。
 なので細部をリファイン、チューニングしたしだいです。
構造上VCCは施工しなかったが、その分内部の吸音材を調整した。
それにより、よけいな響きもだいぶおさまった感じで、音質向上に一役かってるでしょう。

ソースだが、中域がニュートラルなのでオールジャンルOK。
低い音も十分なので、室内楽〜クラシックも十分に聴けます。
ちょっと引っ込み気味の中域なので、J-POPはソースによりけり、JAZZボーカルはバッチリでした。

最後に。
前回DS-500を簡易的バスレフにし、その音質には驚きましたが、
この時期のダイヤトーン、やっぱユニットが素晴らしいですね。
簡素化したネットワークが自信の表れだと思うが、そんなユニットに基本的なネットワークを搭載したのが
DS-500同様、このDS-300Vである。
 例えば中域が飛び出してくる、フルレンジのような音から聴き代えると
えらい引っ込んだ音だなァ〜なんて感じるが、しばらく聴きこむと、この奥深い音のとりこになりそうです。
とにかくダイヤトーンはいい音だ!と自信を持って言えるスピーカーではないでしょうか。

次回、DS-A5とDS-A7を、なんとか引っ張り出す(箱から)予定です。間に自作系が入りますが、お楽しみに♪

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