これ、以前自作スピーカーに端子だけ使い、捨てずにとってありました。 役に立つ日がくるものです。 トグルスイッチを取り付け
端子も取り付け 裏面。 ここも、トグルスイッチを6Pの物に変えたり、また戻したりと、何回かやり直し大変でした。
カバーを取り付け、完成。 ここだけ見たら、何スピーカーかわからないですね。
ネットワークも改造。
元ケーブルの長さに余裕があるものは、外さずOFCケーブルを追加して2重にしました。
端子を磨き、音出し、スイッチの切り替えをチェック。 
エンクロージュアに取り付け。 ユニットもバラして磨きます。
単発で聴くと良くわかるが、抵抗の実測値や音圧の違いが多少あります。
吸音材(グラスウール)を追加。 ほんとはびっしり入れたかったが、手持ちの量が足りませんでした。 ユニットを取り付け
完成! じっくりエージングします。

インプレ
下に解りやすい図を載せましたが、とにかく高域が強すぎ、「 うるさい
ツンツン音が耳障りで、普段聴き慣れてる曲でも、2.3曲聴いただけで頭痛がするほどです。
中域はかなり凹んでいて薄い。
高域が激しいので、低音は聞こえません(笑

中型でこういう構成のスピーカーって、2way+STWって思うじゃないですか。
メーカー詳細には3wayと書いてあり、確かにその通りですが、
TW+STWではなく、TWが2個付いている、と思ったほうがいいでしょう。

だから、とにかくクリアー質だが、これはクリアーすぎと言うか、うるさいので透明感を感じるどころではない。
一般的に言う ドンシャリ ではなく、「 トン・シャリ 」です。
アンプのトレブルを最大、バスを最小にすると、同じような音が聴けると思いますよ。 言いすぎかな(笑
ただ、TWが2個付いているということで、1個の物より「 ワイドレンジ 」です。
ここはNS-20Mに似ており、広い部屋では有効かと思います。

最初にこの音を聴いた時、高域の能率を落とせばいい感じになるのでは? なんて誰でも考えると思うのですが、
甘かったです・・・ で、改造しました。

これがノーマルの特性をあらわした図。
解りやすく、大・中・小とします。
中はアッテネーターで完全OFFにできるが、OFFにしても小がうるさすぎで、刺さる刺さる。
だからまず、中をOFFにした状態で、小と大の能率を合わせてみた。 小は9KHzカットだが、6dB/octで下まで出ているので、つながりもまずまず。
図は小が5、大が5くらいの特性で、小3.5大6.5くらいにすると私の好みの音質になり、中の必要性を感じられなくなってしまう。
そこで、最終的には図のような感じにもってきました。
この赤点線にそろう事がバランス◎という事ですが、このバランスは私の好みですので、お間違えないように。
4:6(高域:低域)ぐらいが私の好みです。
で、このD-1Rは、小0or3、中0〜6、大4くらいにしました。

バランスを取るのに大変だった要素が小と大。
せっかくこのような3ユニット構成なので、小はSTWとしての特徴を出してやろうと「 12dB/oct 」にしました。
これにより、高級スピーカーでありがちな「 透明感 」が出ますし、TWの中域も生きてきます。

ネットワークいじった事がある人ならわかると思うが、抵抗で 音量 は変わります。
さらにTWの場合、コイルやコンデンサーの値でも、ガラッと 音量 が変わります。
例えば能率を下げようとする場合、抵抗3Ωを5Ωに変えます。でもコンデンサーを4uFから2uFに変えても音量が下がります。
抵抗とコンデンサー、両方変えると、グッと下がってしまいます。
抵抗の場合、全体的に音量を下げるので、アッテネーター同様、聴こえなくなる音が出る場合があります。
そんな時はコンデンサーですが、音量が下がるにしたがい、下がどんどんカットされていきます。
ただ1uF以下なら、1と0.1uFでもたいして変わりません。10KHzで切ろうが15KHzで切ろうが、ボーカルはわりとハッキリ聴こえます。

次に大、これは密閉の弱点だと思いますが、これも「 箱鳴り 」がひどい。
箱の響きをどぅこぅすると言うレベルじゃありません。
吸音材が少なかったのも、この箱鳴りを利用して、低域の量感UPを狙ったものだと思います。
これウーハーは20cmだし、バランスによっては低域の量感もかなりあります。ただ著しく低域の質が下がりますけどね。
箱鳴りを解消するためには、バランス7:3(高域:低域)くらいにする、吸音材をたっぷり詰める、などがありますが
バランスを7:3にしたら最初に戻ってしまう(笑
で、私は吸音材をたっぷり入れる方法をとり(少しすくないですが)、バランスも私の好みより、少し上よりにしました。
そこで、少ない低域を補をうと「 バスレフポート 」を作ったわけです。
fob(共振周波数)は約80Hz。 「 リアルボイス 」にセッティングしたので、中域はいらない。
低い音だけ欲しい、が狙いだったのですが、あまりかわりませんでした(TT)
密閉状態である程度の量感にセッティングした事や、ユニットの非力さなんかも原因と思われますが、
大音量で聴くと、少しうねってくるくらいです。

という具合で、
低音出す為に吸音材取る、質が悪くなるので入れなおす、低音出ないから高音弱くする。
なんて事でバランス取るのに何度もやり直し、えらい大変でした。
こんなことやってて感じますが、密閉の場合、強力なウーハーが必要かもしれません。
今、あらためてDS-15Bは、悩みが出ないくらい優秀なユニットだったと思います。
さて、次にさらなる特徴ですが、アッテネーター全開で
このような感じです。
ダイヤルは1時の位置まで回りますが、写真くらいの所を
MAXとしておいたほうがいいです。
小をOFFで、中をこのくらい。
甘〜く、色気のあるボーカルが楽しめます。
小ONで、中OFF。少しつながりが悪く感じるが、聴けないほどではなく、それも色気がグンっと出ます。
一気に高級感が出たでしょ。 それを狙って作ったわけじゃないんですけどね。
-(黒)側のスイッチで小のON-OFF  +(赤)側のスイッチで中域に変化を付けました。
最初は小のON-OFFではなく、ウーハーをカットとスルーの切り替えにしていました。
中域のセッティングが凹なので、ウーハースルーで中域を凸にすると、極端に変わり、違和感のある音になった。
スルーの場合、小と中のクロスポイントも変えないと具合悪い。その場合ネットワークがもぅ一個必要、
小が常時ONだと、少ないがソースによっては耳障りな音が出る。
などの理由があげられますが、たぶん小のON-OFFのほうが、必要性があるかと思いました。

+(赤)側のスイッチ、+(赤)側で「
超リアルボイス 」。
これはクロス約1KHzにして、情報量を多くした事により、解像度が上がりボーカルがマイルドになります。
-(黒)側はクロス約1.5KHz。赤側より少しボーカルが凸ります。
全体音で聴くと、赤と黒の差があまりありませんが、小OFFでアッテネーターMAXにすると解りやすいです。

このD-1Rの特徴を最大限引き出してやろうと思い、私がいつもやるような、中域凸にはしませんでした。
全体音はノーマルより、中域が少し凸です。
ドンシャリの一歩手前かもしれませんが、この中域のバランスとリアルボイスには絶対の自信があります。
一つ残念なのが低域ですね。
量感はそこそこありますが、20cmとしての絶対的な低い音が感じにくい。
低域の解像度が欲しいなら30cmクラスになりますが、ここはM55のほうが良かったです。
特徴は、
ワイドレンジで、高域の「 情報量 」が多い、高級スピーカーのような音色もあわせもつスピーカーです。

クラシックを聴く人の基準になるスピーカーはわかりませんが、私はクラシック向けだと感じました。
東芝EMI 「 BEST CLASSICS 100 」(6枚組み)、クラシック素人の私にとっては最適なCDです。
中域に厚みがあるSX-V1とかより、中域が凹みぎみでクリアー質のほうが、解像度が高く繊細な音を感じやすいし、
楽器の奥行き感もでるので、クラシックに合うと思いました。
あとは綺麗系のJAZZボーカルものですね。
目をつぶると「
そこにいる? 」感がバッチリ味わえ、ドキッとしますよ!
J-POPは基本的にシャリシャリしてますが、調整で甘い音にもできるので、合わせる事も可能です。

密閉のセッティングは、「 空中 」がいいのかな?
底面の直付けは低域の解像度が下がるので、避けたほうがいいかもしれません。

クリアー質の一つの判断材料として、TVの音を出してみてください。
ニュース番組なんか、たぶん違和感感じると思いますが、その違和感をどれだけ減らせるかが、かぎになります。
最後に。
このD-1R、しばらく聴いていただけで、他のスピーカーが全てこもって聴こえる。
それくらい強烈な高域を発していたスピーカーですが、改造セッティングで激変し、聞き比べもできる上質な音になりました。
M55といい、密閉も中々いいですね。ちょっと密閉スピーカーを自作したくなる気分ですが、
バランスを突き詰めるとドロンコーンに達する、ような気もしてきます。
次は、 Rogers LS3/5a 第二段、大・改・造に入ります。お楽しみに♪

                                
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