●密閉が気になり「ふと」思い出した15B。1年以上前に購入。音出しで「なんだこの変な音↓」と感じて放置。70年〜80年代の古いSPはメンテ必然!と再認識させられた。
ダイヤトーン DS-15B 2ウェイ2スピーカー密閉型 クロス2K 79年 1台25000円
以前購入した時、第一印象は「とにかく軽い」音。最近チェックし、やはり音は同じだが、とにかく「エッジが硬い
私のチェック方法のひとつ「同じ物を購入」、だがやはり同じでエッジが硬い。ちょうど10BをいじっていてWFを入れ替えてみると「
おっ、まともな音になった」「しかもいい感じだっ!」これはOHするしかないですね♪
アルミダイキャストのフレーム。厚みもあるし、逃がし補強も万全。「お手本」のようなユニットです。
●アコースティック・エアー・サスペンションと言うわりには吸音材が少ない。201、251はビッシリだが。 ●至る所に補強が。手間がかかってます。
右側にだけ挟んだ吸音材もこだわりでしょうか。
●10Bと15BのWF比較。一見して解るがマグネットの差がすごい。外寸はほぼ同じだが15Bは奥行きがある。全体の重さも15Bが3倍ほど。10Bはフレームスカスカだし超軽い、まるで「おもちゃ」みたいだっw
どっちがいい?で、誰でも一見し15Bを選びますよねw 音質も明確だし私もそう思うw
だがおもちゃのような10B、なんとかしてやりたい。解像度は悪いが低音は出る(-_-;ウーン
●ネットワークの比較。カタログに書いてあるように15Bはフィルムコンデンサーを使用。
クロスの違い(10B・1.5K)もあるが15Bの方が滑らか。
●「コルゲーション」とは写真のようなコーンのギザギザの事で、種類は色々あるが、これは「かっこいい!」。同ユニットで平らなコーンと音の比較してみたい!どんな傾向の違いがあるのか。 ●問題のエッジ。指3本で慎重にコーンを押します(センターキャップは触らないように!)もう「ガチガチ
密閉の場合ユニットを外すか、ターミナルなどを外し、バスレフのような状態にして、確認する事。
1mm位しか動きません。これでは「
まともな音」はでませんね( ̄□ ̄;)!!
●ビスコロイドが固まって、もうテカリ放題w。このまま大音量にするとコーン(ギャザー)を痛める。
↑の10Bとのユニット比較写真で、エッジが白っぽく写っているとおり、ペーパーがけしたりシンナーで浸け置きwも試しましたが一向に柔らかくなりません(T△T)
ビスコロイドが多すぎか?密閉はバスレフよりもエッジに負荷がかかるので、多少硬い傾向にありますが、これは硬すぎ。ただ古いスピーカーには多いです。
●で、エッジを交換します!紙コーンでエッジを剥がすと、コーンがボロボロになります。なのでカットしましょう。 ●外側、ガスケットごと剥がします。
●エッジがガチガチだから簡単にカットできますw ●左の自作エッジを用意。布エッジにしました。現物合わせなので凸などサイズもバッチリ。周りのカットがヘタでギザギザだが(^^;
エッジの制作風景は「
こちら
●いかに「硬い」かをお伝えしたくこんな写真を撮ってみました。もっと重い物をのせてもビクともしませんw ●とにかく「柔らかさ・しなやかさ」にこだわった。もちろん圧逃げの無い範囲で。
●矢印部分のボンドを綺麗に剥がしておきます。 ●仮合わせ。ドンピシャヾ(@^▽^@)ノ
●エッジの張替えは久々の作業になり、いつも後回しにしていました。以前購入してあったボンドを試す事に。が
これダメ」です。速乾で伸びない。なんて言いますか、歯磨き粉を歯ブラシにつけるように、そのまま出して、べちゃっとつけるにはいい。センターキャップなど。ボンドがハミ出ても気にしないっ!ていう人向けです。
右の写真はスーパーXを薄く指塗りしたもの。
●やり方は色々ありますが、私の場合、まず先にコーン紙にエッジを貼ります。で乾いたら、軽くコーンを下から持ち上げ「フワッ」とさせます。次にそのままの状態でエッジ外側をフレームに接着。この場合、変に引っ張ったりしないように!
逆の場合、コーン紙とエッジの接着のさい、コーンの上に何か乗せたりしますが、それだとダンパーが下がったまま固着されてしまい、まともな音が出なくなるので止めたほうがいい。
完成♪カサカサΣ(T□T) じゃショックでやり直す気にもなれませんよねw
●最後に「ミバ」をよくする為、純正ガスケットを使用。カッターでカットします。
●純正エッジは、この紙製ガスケットでサンドイッチされてます。このままでもいいのですが、少し分厚くなるので矢印部分にカッターで切り込みを入れ、分割してやります。難しいので慎重に。
で、完成♪ 色が艶なし炭黒っぽいが逆におちついて、焼けたコーンと色相性はいいかも?^^
●初めて作業する方は、ちと難しいと思うので、簡単なやり方を。
エッジ内側に、縦横斜めと切り込みを入れておく。
次に100均などで売ってる、強力紙両面テープをあらかじめ貼って置く。エッジを所定の位置に仮合わせ。
少しづつ」両面テープを貼って指で挟んで圧着。そのままでも大丈夫だが、心配でしたら、右写真部分のようなエッジの端にボンドを薄く上塗りし、補強してやればよい。外側も同様に両面テープで貼った後、ボンドでガスケットを貼ってやる。両面テープだと、エッジ(外側)がズレても「修正しやすい!」、なにより仕上がりも良く、作業が♪ 強力粘着の両面テープがあるからこそできる技です。がちがちに接着する必要はありませんから。ただ隙間はでないようしっかり見てあげて。
●エンクロージュアの仕上げに入ります。まずはクリーニング。お決まりの汚れ(^^;
これは最近買ったSPでパッと見、簡単なクリーニングもしてあり一見綺麗でした。だがゴシゴシやるとご覧の通りのあり様。右、徹底的に汚れを落とすと、つや消し状態になります。
しっかし「
木目が綺麗」。まるでリアルウッドのようです。
ワックスで仕上げ。端子も全て磨きケイグ。ターミナルカバーなどプラ部分はアーマオールで仕上げ。
もちろん細かい傷や、小さな打痕も修正しました。
●こういう、ちょっとした錆って気になりますよね。 ●小さくてメンドウなので、私は電動ドリルに付けて
回転させ磨きます。簡単バッチリ♪
●完成♪\(^▽^)/
さっそく音出し♪え?え?え?「
まったく別物 」です。これが本来の音なんでしょう!
しっかしこれ密閉なのに「 低音よく出る
密閉は数が少ないですが、私が聴いた中では一番低音出て、低い音もなんなくこなす。
後のターミナルを外してやると、中・低域に厚みがでる。
ストローク量も増え「ユニットの能力」が100%出しきれてる気がします。
この時代のダイヤ全てに言えるが、TWの能率が高く感じ、少し「
シ音」が目立つ。
POPや古いロックなどは大変聞こえやすいが、長時間聴くと疲れる人も。私は好きなので大丈夫ですがw
だがいつものように12時間ほどエージングすると、「
なんという事でしょう」(ビフォーアフター風w)更に化けました。
シ音」が少し目立たなくなり、中域に「ほどよい艶」が出てきました。ずいぶん聞きやすくなった!
必ずエージングはするのだが、エージングで「ここまで変化した」のは初めて。自作エッジのせいか?
レンジ45Hz〜は伊達じゃないですよ♪201は40Hz〜だし。密閉&ダイヤファンは「
必聴の価値」あり!
古いスピーカー、こんな「
素晴らしい」ユニットが使われている事もしばしばですが、毎度A驚かされますw(゚o゚)w

07.11.16

●エッジ交換後、保管してあったDS-15B。久しぶりに聴いてみる。
他のスピーカーや、自作スピーカーと聞き比べをすると、やはり高域がうるさくガサツさも目立ち
イマイチに感じてしまった。
そこで、納得いかないから、ネットワークを改造する事にしました。
●左はノーマル状態のネットワークで、右は改造後。
最初は、ツイーターの能率を落とすだけで試してみた。低域〜高域のバランスは取れるが
中域の響きが目立ってくる。吸音材を全てとりのぞくと、響きは少し抑えられたが
なんとも安っぽい、薄っぺらい音に感じてしまう。
そんな経由で、ネットワークに手を入れる事にした。

改造するにあたって、ノーマルをよく観察すると、ウーハーが12dB/octカットではなく、
ディッピングフィルター 」の構成だった! 約3KHzあたりを凹ましている。
コイルの数値がボンドで見えにくく、「 1.5mH 」かと思っていたものが、じつは「 0.5mH 」だった。
ディッピングフィルターを理解していなければ、このネットワークは不可解で奇妙なものに見えただろう。
このウーハーユニット、裸で鳴らすとよくわかるが、癖が少なくとても優秀。
だからフルレンジ的な使い方で、こんなネットワークでもうなずけてしまう。
改造後のほうは、コイルを付け6dB/octにしているが、それも必要かどうか悩んでいるくらい。
ようはツイーターとのバランスが大事なんですがね。
●↑ここまでバラします。配線位置も変更。ジャンパーで配線がごちゃごちゃに見える(^^;
ユニットを取り付け、テストします。
●完成。↑矢印に白い四角の抵抗が見えるが、それはツイーターユニットの配線際に付けた。
約20Ωだが、あえて15Ωと4Ωを直列で付けてあり、すこし「 うるさい 」と感じれば4Ωを外せばいい。
微妙な変化だが、能率を簡単に変えられる仕組みにしてみました。
●↑の回路図は、どちらにするか悩みました。
J-POPやJAZZボーカル限定であれば、@でもいい。
だが少しロック系や楽器系のみの音楽がはいると、Aがよくなってくる。
オーケストラやピアノソロを聴いた時、@は透明感が少なく、こもって聞こえてしまう。
オーケストラやピアノソロに合わせると、今度はボーカルの「 ガサツキ 」が目だってしまう。
なんとも難しい所で、ユニットの特性を引き出してやるのが一番、と考えた。

このツイーターは中域がもっとも得意で、ボーカルに躍動感がでる。
だが、あまり下まで伸ばすと「 ガサツキ 」が目立つようになる。
1K〜5K辺りが得意で、10K以上の音は苦手。でていても聞こえにくくなってしまう。

ボーカルのガサツキがでないギリギリの所、絶妙な加減でクリアーにしたのがA
これはオールマイティーな味付けだが、ボーカルに比重をおいた「 リアル系 」な音質。
J-POPは「 聞きやすい 」ではなく「 聞こえやすい 」
このへんは好みの分かれる所だが、JAZZ(楽器のみ)にいたっては、妙に「 生々しく 」感じた。
クラシックでもある程度はいけるが、
この辺りサイズの2wayで、クラシックを専門に聴くならば、このスピーカーではなくONKYOあたりで
中域が凹んでいるもののほうが無難です。
ここで私が言っているクリアーとは、中域の事で
フルレンジで高域が強く、中域(ボーカル)もクリアーに聞こえるようなものとは、
「 まったくの別次元 」です。
ビクターのSX-V1やB&Wの705に、似た傾向の中域にもっていく事もできるが、
それらは少し癖があるので、できるだけ癖が無く、高級感漂う音色の方向で仕上げてみました。

最後に。
2週間ほど試聴〜テストの繰り返し。頭がおかしくなるほど、毎日同じような曲を聞きつづけた。
WV-00のほうも煮詰まってきたが、私のスキルは格段にUPしている。
1年前では、こんな事とうていできなかっただろう。
プロの料理人が、30年かかって作り上げた料理を
しっかりしたレシピがあれば、素人が数時間で同じような味にできてしまう。
怖いというか、悲しいというか・・・
とにかくこの15Bのネットワーク。
同じスピーカーや、同系を持ってる人は、やってみる価値ありますよ。
ウーハーのエッジが柔らかく、しっかりとストロークし、本来の音が出る事が条件ですが
きっとこの「 リアルで生々しい 」音に「
驚かれる 」事でしょう^^

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