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●ターミナルを用意しました。メッキ無しの純銅、高級品です。入り口から出口まで品質の良い品を使いたいというオーナー様のこだわりです。大型と小型、並べるとこんなにサイズが違います(右)。
●このカバーにターミナルを取り付けます。純正品を加工するのは少々気がひけますが、一般的な規格物サイズでしたので別のカバーを用意しました(右)。これで気兼ねなく穴あけできますw
●この薄いプラカバーに大型ターミナルを装着するには工夫が必要で、ネットワークは別に移設する必要があります。
●で、ネットワークを移設するのならターミナルカバーは使う必要が無いと考え、カスタムする事にします。まずは2mmの銅板を用意しました。最初アルミにしようかと思いましたが、銅の方がだんぜんかっこいいのでこちらにしました。
●カッターでいけると思いましたが、2mmは想像以上に大変でした。ただここはおおまかにカットするので、ひたすらなぞるだけです。道具が安物すぎたのでしょうか?w
●背面板のターミナルカバー部分は、フチに凹みが5mmあるのでベニヤ板を用意しました。ベニヤのほうは背面と同じ形に加工しました。ターミナルカバーで寸法を取ると小さくなるので、背面板に合わせて施工しました。
●ベニヤと銅板を接着します。接着剤はスーパーX、これで一晩おきます。
●カットする部分にマスキングしました。またカッターで地道な作業か・・・いや、無理です指がおかしくなります。
●そこでグラインダーを使いました。一発勝負なので、あて木を使い慎重におこないました。本番前の練習が功を奏しなんとか無事カット、角のRも綺麗にできました。機械は早いです。
●最後に穴をあけます。ネジ用の小さい穴は大丈夫ですが、ターミナル用は10mmなので滑らないよう気を使います。下のドリルは金属用(左)と木工用(右)で、下穴を開けてから滑りにくい木工用でひたすらあけました。
●厚みを調整するためのガスケットを作り完成です!大変でした。もし次作るなら、迷わず金属加工業者に依頼したほうが懸命ですねw
●ターミナルを装着するとこんな感じ。元とは別次元で変わりましたね。銅は通電するので、安全加工を十分に施してからターミナルを取り付けました。
●本体へ仮留めです。うーん、かっこいい。本体とほぼフラットにできました。これで高級機種本来あるべき姿ってところですかね。希少な機種なので、これが純正と言われたらそう思うほどのできになったはずです。
●ユニットはクリーニングと再調整をおこない、全てのパーツが完成しました。細かいパーツも全て交換、こだわりあるものを使用しました。
●ネットワークのコンデンサーはジンガリと印刷された専用品で、数値も市販には無い微妙な値だったので交換しませんでした。ケーブルのみの交換です。完璧に製作しました。
●まずはネットワークを装着します。背面から通せるギリギリのサイズで作りました。
●大型コイルは重いので、ネットワークは底面に装着しました。これで振動にも強く安心できますね。
●最後にユニットを取り付け
●祝!完成!

かっこいい〜
●全体も綺麗に仕上げました。
●今回の主役はこちらでしょうか。なんど見てもいいですね。高級機種にあるべき姿になりました!
●ネジは純正でもいけましたが、より安定するトラスネジを使いました。
●これだけでもう音が良さそうでしょw
●さて、エージングもそこそこにさっそくインプレ
まずは一言
「 うわっすげー。ボーカル最高ー! 」

 最初に感じたのは女性ボーカルの輪郭が想像以上にクッキリしており
明瞭でクリアー、妙なリアリティがあるところに耳がいきました。
高域はネットワークがややおとなしめにセッティングされているのだが、
この独特な大型ホーンが効いており、厚みと広がりを絶妙なバランスで
醸し出している。
そして低域。ユニットは約16cmで、小型特有の箱で鳴らすタイプ。
箱の奥行き同様、深みのある低域はぶよぶよせずキレのある好感もてる
フィーリング。
ヤマハ10Mのような、解像度が高めの密閉をブーストした感じでしょうか。
小気味良くリズミカルな低音なのに、ソースによってはこんな低い音が
でるのかと驚くほどの重低音も出る。
解像度の高い低域はヨーロッパ製品の上手いところでもありますね。
どんなジャンルでもそつなくこなす明瞭タイプ。出だしからバランスの良さを
感じ、長時間聴いていても疲れない絶妙なバランス感覚を持つ優等生と
言ったところでしょうか。
やはり高級ヨーロッパ製は一味違う、基本性能の良さが光ってました。

個人的にはもっと分厚い中域が出るフロントポートが好みなのですが、
中域の輪郭と厚みを微妙な塩梅でコントロールしてくるところなども、
ヨーロッパ製品の特徴が十分に発揮してました。
もちろん改良したネットワークも効いており、全体音のバランスはレストア
前に聴いた時よりも研ぎ澄まされたものがある。
聞く人すべてををうならせることでしょう。

 日本製と全く違う独特なオーラを醸し出すジンガリCM106、
 音を聴く前に見た目でやられてしまうかもしれない
 そんな素晴らしいスピーカーに生まれ変わりました。

最後に。
今回のカスタムいかがでしたか。ワンオフ製品を作るのは大変ですが、
やりがいのある楽しい製作でした。もしターミナルがこんな仕様だったら
定価が5万円は上がってるかもしれませんね。
キャビネットいっぱいに収まるホーンは、自作箱を作る身としては憧れの
作品です。過去に似た製品を作りましたが、製作はほんと大変でした。
JBLのスピーカーにもこんなホーンを取り付けたいという思いは今でも
あるので、少しずつやってみたいと思ってます。
とにかく独創的デザインで、見るだけでやられてしまうスピーカーでした。

次回、今色々とレストア中なのですが、過去の作品も順をおって上げて
いきたいと思っております。何かでるかはお楽しみに♪

ZINGALI OCM-106 2003年頃 ¥200,000円くらい?  
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:2.5cmドーム型(ドライバー+ウッドホーン)
低域用:17cmコーン型
再生周波数帯域 40Hz〜21000Hz
インピーダンス
出力音圧 90dB/W/m
クロスオーバー周波数 推定2kHz
外形寸法 幅210×高さ400×奥行320mm 約L
重量 11kg(1台)


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