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●前後の塗装が終り、木目の作業に移ります。まずは着色。純正と似たようなオレンジ黄色系に配合した、極極薄めのステインで着色します。木目を完全に際立たせたい場合は無色で仕上げていきますが、木目により木の色が違うので、薄めに着色していきます。水で濡らしただけでも、こんな感じになります。
●木の色目を確認しながら2度塗りしていきます。極端に木の色目が違う場合は、綺麗に見せる為に塗料の色を変えて塗り分ける場合もあります。レストアする前よりも30%くらい明るくなりました。
●次にオリジナル配合した蜜蝋で仕上げていきます。塗って拭き取り、乾燥、それを3回繰り返します。あまり艶を出したくないので、2部艶程度で仕上げていきます。最後にUVコート剤を塗って完成。この工程だけで1ヵ月以上と手間がかかりますが、品のある高級感がでて、新品復活と言えるレベルになったと思います。
●ネットワーク。コンデンサーとターミナルを交換しました。ノブは芋ネジで外すタイプですが、外れないのでこのまま再塗装しました。(のちに外れました)。コイルが付いてるネットワークを見ると、切り替えスイッチ(6dB⇔12dB)を付けたくなりますが、今回はオリジナルのままにしときます。
●全パーツの完成。
●123Aは2213に比べ、なぜかエッジが歪んでいる物が多いです。これもそうでした。水平にしないとまともな音がでないので貼り直すのが大変でした。
●アルニコが際立ってますね。ウーハー、ツィーター共にフレームも再塗装しています。特にLE20は錆止め剤を塗ってから、念入りに塗装しました。
●最後にユニットを取り付け
●祝!完成!

かっこいい〜
●背面はこんな感じ。綺麗に仕上がりました。
●木目。ウォールナットが綺麗に見えるように、全力で引き出してます。
●グリルも木目部分は同じように仕上げてます。生地は外して洗うとボロボロにほつれるタイプなのでクリーニングしました。硬めの生地なので所々波打ってますが、できるだけピンっとなるよう張り直しました。
   
●エージングもそこそこにさっそく音出しインプレに入ります。

まずは一言
「 おっ、2wayなのにしっかりしたJBLサウンド 」

30cmウーハーに小さいツィーターで大丈夫?と思わせる見た目だが、
懸念していた繋がりも悪くない。特にオーバーホールしたユニットからは
高音も低音もしっかりでており、乾いたJBLサウンドを堪能できるほどです。
これがまさに「 アルニコ 」恩恵でしょうね。

NOVAではないただのL88とはネットワークが違い、ただのL88はコイルが
無い分もっとマイルドになり、それはそれで悪くないが、こちらは中高域がもっと
明瞭でリアリティがある。声質をより明瞭にさせたのがこちらのNOVA。

中域・声質がクリアーでリアルの場合、やや引っ込み気味なりがちだが、
中域のフィーリングは4311(3way)と4301(2way)の中間くらい。スコーカーが無い分
NOVAはどちらかというと4301に近いフィーリングだが、30cmウーハーの
恩恵もあり、ワイドで圧倒的な迫力感がある。L99になるとスコーカーが欲しくなる
感じもするが、NOVAは全体的にまとまっておりこれで十分です。

ネットワークのセッティングもシャープな方向性なので、どちらかというと楽器系が
向いてる感じがします。フェライトならもっと凸凹になりそうですが、そこはアルニコ
さすがのフラット感です。L88やL99、L101などの大型2wayは、たまにこもってる
なんて話しを聞きますが、それはツィーターが×だめだからでしょう。

 L88Nova、見た目も音も半世紀前のヴィンテージが感じられるスピーカーでした。

最後に。今回のレストア模様はいかがでしたか。久々なので写真が少し多くなりました。
写真が多いとページ作りも大変です。長めのブランクでしたが、感が少しずつ戻ってきました。
まだまだ上げていないスピーカー達が沢山あるので、順次UPしていこうと思っております。
これからも、ヴァリアスクラフトをよろしくお願い致しますm(_ _)m

次回。ヨーロッパ製の激レアが登場です。お楽しみに♪

●撮影デジカメSONY:アンプ:FX-AUDIO:TWアッテネーター35%くらい
床直置、背面壁10cm、左右近い、設置条件悪いです。
透明感のある高域、しっかりした重低音でます。

 「 参考音質 」

JBL L88 Nova 1967年頃〜 1台¥104,000円
メーカー解説:木目とブラック・サランの幾何学的パターンのデザインを採用したスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーである123Aを搭載。
高域には初期は5cmコーン型トゥイーターであるLE20を搭載しており、
後期には3.6cmコーン型トゥイーターであるLE25-1を搭載しています。
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:5cmコーン型(LE20-1)アルニコ
低域用:30cmコーン型 (123A-1)アルニコ
再生周波数帯域 45Hz〜18000Hz
インピーダンス
出力音圧 88dB/W/m
クロスオーバー周波数 2.5kHz(推定)
外形寸法 幅360×高さ600×奥行300mm 約L
重量 21kg(1台)

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