●皆様、ご無沙汰しております。諸事情により更新が滞っておりました。
たいへんご心配をかけたと思いますが、また少しずつ進んでいきますので
どうぞ温かく見守ってやってください。

さて、久々の更新でページ作りが忘れてしまいそうですが、一発目はこちら
JBL L88 NOVA 。1967年、半世紀前に発売されたモデル。ぱっと見特徴的な
デザインは初期型の物で、後期型になるとデザインがガラッとかわります。ユニットは
30cmウーハーと紙コーンツィーターの2way構成。ユニットサイズの差が大きい事から、
一見繋がりが心配ですが、そこはJBLアルニコ、たぶん大丈夫でしょう。
そんなところでさっそく音出し・インプレしようと思い繋げてみると、なんとツィーターから
音が出ない・・・しかも両方。厳密にはかすかにでてるが・・・とりあえずはツィーターの
修理が必要なので、インプレは最後に回します。ではヴァリアスクラフトが得意とする、
細部まで完全な新品を求めた復活レストア劇、どうぞご覧ください。
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●L88NOVA(以下NOVA)JBLの中でも違いが分かるほど特徴的なグリル。雰囲気は完全なヴィンテージですね。
●左がNOVA(レストア後の写真ですが(^^;)
で、右がL88プラスという名の後期モデル。デザインやグリルがぜんぜん違うのと、ツィーターLE25(フェライト)に変更されてます。あと見えませんが、ネットワークも変更されてます。
●他には無いNOVAだけの特徴的デザイン。グリルがキャビネットにぴたっと収まるように作られています。凝ってますね。ただ綺麗に収まるのとマジックテープが強いので、グリルを外すのがわりと大変です。グリルは合板で強度があるのに、折れそうになるくらい密着します。
●背面ターミナル。ツィーター用のアッテネーターも付いてます。3段階のロータリーではなく、一般的な無段階ものでした。このノブ、かっこいいですね。綺麗に再塗装します。
●さっそく寝かしてユニットを外します。
●ウーハー(123A)、ツィーター(LE20)共にアルニコでした。L88やL100には、極まれにウーハーが2213Hの場合もありますが大丈夫でした(^^;
●ただし、問題のツィーター。外見が錆だらけです。こういうパターンの場合、内部も錆だらけで、コイルにも錆が付着=まともな音がでない場合が多いです。LE20はLE25よりも確立が多く、2個に1個はまともな音がでていません。
●箱の内部。4311同様、素材や作り込みなど、JBLそのものでした。背面ターミナル部分にネットワークが付いています。
●UP。部品が紙筒にガッチリ入り固められてます。ぱっと見コイルが付いてますね(12dB/oct)。後期型になるとコイル無しになりますが、前期の後半物でも後期型のネットワークが付いてるパターンもあります。JBLあるあるですねw
●もう片方は、ロウで完全にうまっており、コイルもコンデンサーも見えません。両方見えなかったら困惑しそうですね。左右で同じか?と心配になりましたが大丈夫でした。ただ、片方はプラスとマイナスが逆に付いてました・・・さすがJBL、アメリカンクオリティw
●さっそくツィーターの修理から始めます。まずは分解。LE25と違い、LE20はネジだけで分解できるから超楽です。真ん中、コイルが収まる部分、錆だらけですね。コイルも錆付いてました。LE20は通常3〜4Ωですが、これは0.8Ωでした。まともな音がでないはずです。

●まずは表面の錆を落とします。細い隙間(ギャップ)にも錆があるので、CRCで浸し、細いプラベラで念入りにこすります。何回も何回も。次に車で使っているパーツクリーナーで何度も何度も洗浄。最後にOILで浸し完了。大変ですが、ここまで念入りにやれば安心できます。
見た目の問題もあり、できるだけ純正パーツを使いたいので、コイルのみ新品のアフターパーツに交換しました。部分的なパーツの交換も大変で、拡大鏡を使いながら時間をかけての作業です。そのかいもあり、音も見た目も完璧に復活しました。
●続いて箱の作業に入ります。まずは傷や欠けを補修していきます。矢印部分、細い凸があり、所々欠けているので補修が大変です。L26並ですね。このふちがもう少し太ければ補修も楽になるのですが、こういうデザインなのでしょうがないですね。
●表面、木目の作業に入ります。右が最初の状態で左が塗料を落としたあと。JBLは素材がウォールナットなので元々濃い目ですが、劣化して黒ずんだ塗料も重なり、ぱっと見黒く見えるほどです。木目をできるだけ潰さないよう塗料を落とすのは、あるていど経験が必要な技になります。
●全面綺麗に落とします。逆にこここまでやらなければ、新品復活とは言えないレベルです。
●木目部分の溶剤が乾燥するまでの間、フロントと背面を仕上げていきます。まずはパーツのクリーニング。結構綺麗になるでしょ。クリーナーが強力すぎると文字が消える場合があるので注意も必要です。
●丁寧にマスキングし
●塗装して完了。3度塗り。この状態でだいたい3〜5日乾燥放置させます。
●フロント部分。ツィーターの取り付け部の木材、ネジが付いていたので回してみると外れました。デザインではなく、後から変更されたようにも見えますね。掃除や塗装がちょっとだけ楽になりました。
●フロントも塗装しました。(3度塗り)角や小さい穴など、細かい所まで丁寧にやってます。写真だとわかりにくいですが、塗装するしないでは別物で、塗装すると新品同様に復活できます。

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