●先日UPした KENWOOD LS-K1 に引き続き、今回も日本製メーカーのU
TEAC(ティアック)から、S-300NEO(以下300NEO)というスピーカーの登場です。U
小型同軸2way(コアキシャル)というスタイルの300NEOだが、今から約U
約30年前の1990年頃、この300NEOの原型となるモデル S-300というU
スピーカーが発売されてます。それはSシリーズと称し、300、300R、300PRO、U
500等など、7種類くらい出ていた大家族モデルです。私のHPでは10年くらいU
前に、どっぷりはまりこんだSシリーズを複数紹介しています。U
今回ご紹介する300NEOは2012年ごろの発売になり、30年前の初代300の雰囲気U
をそのまま再現させた復刻版ともいえそうなモデルです。以前から興味はありましU
たが、中々着手できないでいました。と、そんなところで、さっそくいってみましょう。U |
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●30年前に発売されたS300、それをそのまま髣髴させるデザインは、まるでアメ車の復刻版みたいですね。それだけメーカーに愛されている証かもしれません。外装はマホガニー調の鏡面仕上げになっており、以前の300より高級感が出ています。サイドはRかかった、少しぽっちゃりした感じのBODY。これは定在波の減少や容量を増やす(低域増加)のが目的とも感じられます。13cm同軸ユニットは相変わらずで、当時のそのままを復元されたほど優秀なデザインです。 |
●そんなユニットを外します。ネジは六角で簡単に外れました。間違っても中央、ツィーターの出っ張りを持ち上げないようにしてください(笑 |
●配線の表記がないので、目印を付けておくと便利です。ツィーターは奥から配線が出ているので、よく見ればわかりますが、ここはウーハー大、ツィーター小というような分け方をしてほしかったです。でも外す人はそうそういないかな。 |
●矢印の所、ここはウーハーの中央にツィーターを固定するための軸(棒)部分。この軸はフレームに固定されているので、ぐらぐらするようなものではありません。ただこの軸はウーハーのコーンと接触しないよう隙間が開けられています。当時の300はこの隙間にほこりが入らぬようスポンジでカバーされてましたが、そのスポンジがボロボロになるという短所がありました。今回の復刻版ではスポンジではなくフェルトに変えられています。ですが隙間が多少開いてますね。コーンは紙にコーティングが施されたもの。ツィーターは布のソフトドーム。エッジも布エッジです。コーンもドームもエッジも、当時とほぼ同じような素材構成でできてますね。GOODです。
●フレームも当時物と同じスチールプレス。背面カバーは当時の物と大きさが似てることから、マグネットもほぼ同じサイズのものが使われているようです。黒で塗装されてるので、見た目が精悍ですね。で、ユニット自体の音は悪くないのですが、如何せんネットワークがダメダメ。オールマイティで無難な線を狙ったように感じましたが、最終構成が素人同然でした。 |
●そのネットワークがこちら。よくあるフルレンジ+ツィーター的なシンプルな構成です。別にシンプルが悪いわけではありませんが、このユニットから出る音とこの”ネットワークがまったく合っておらず ”、団子でのっぺりした、こもり気味のつまらない音でした。設計陣、もう少しなんとかならなかったですかね?発売から5年近く経っており、今中古がめちゃくちゃ多く出ています。それだけ売れてる事が物語ってますが、逆に手放す人も多いということです。 |
●しつこいようですが、この13cm同軸ユニットを生かすには”6dB/octの構成ではまったくダメ ”です。だからネットワークを作り直しました。構成はウーハー、ツィーター共に18dB/octに変更。内容は前々回フルチューンしたDENON SC-E757に近いものですが、タンノイのネットワークを参考にしています。こちらはのユニットは757より音が素直だったので、セッティングはわりとスムーズにおこなえました。同じ箱、同じユニットですが、ネットワークのみの変更で、ノーマルとは全く違う音色に変わってます。 |
●さて、元々の箱が鏡面仕上げで傷がちょろちょろあり、修復もめんどうなので全体を張り替えました。これは突き板ではなくシートですが、最近の高級家具にも使われているリアルシートなので、とても質感が良いものです。ただ傷の補修より数段手間がかかってしまいましたが(^^; 貼ってから全体をUVコート(1、2部艶)で仕上げているので、より質感が向上しています。ただシートなので、角の処理にてこずりました。 |
●そんな重厚なBODYに純正ネットは貧弱すぎるので、こちらも合わせて製作しました。
←デザインはこんな感じで、斜めの角度を多めに強調させました。ユニットが同軸でツィーター部が凸ってるので、ネットのフレームもその分、高くする必要があります。 |
●成型後、塗装しました。 |
●最後に生地を貼り完成。
生地は音響用のもこもこタイプにしてみました。これでマッチングも良く、より高級感が得られそうです。 |
●キャビネット、ユニット、ネットワークの完成
最初はネットワークのフルチューンのみで留める予定でしたが、キャビネットのカスタムもおこなったので、えらい時間がかかってしまいました。 |
●ユニットとネットワーク。ユニットは分解せず、エッジとダンパーの調整のみおこないました。 |