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●ターミナルの穴加工が終わったあと塗装しました。色はオーナー様からの御指定によるダークグレーで、2部艶ほどで仕上げました。
●フロントもオーナ様からの御指定で、頂いた色見本のベージュに。表面の質感はMK2のような処理に施しました。
一般的に市販されている塗料のベージュでは、もっと黒かったり、赤味の強いものが多かったので、見本を元に調合しました。
●塗料は塗った後で色味が変わりますが、艶の加減によってもだいぶ変わってきます。例えば黒などは艶消し、半艶、艶有りでは雰囲気がまったく違いますよね。発色の良いパソコン画面の色見本だったため、色合わせにだいぶ苦労しました。
←写真は暗めですが、実物はもっと良い雰囲気で色見本とほぼ同じ色になりました。
ベージュの4311、かっこいいです。
●こちらはマジックテープ。
こちらも御指定の色にしました。
●ようやく終盤です。乾燥に時間をかけたのち、パーツを組んでいきます。まずはどでかいターミナルから。
木ネジ6本留めでガッチリ装着できました。
●上が中高域で下がウーハーです。
ハンダは使わずに圧着で取り付けました。ただそのままだと不安なので、グルーでしっかり固定します。
●ウーハーは純銅単線のストレート。
銀メッキ線やベルデンなどと比較しても、この単線はめちゃくちゃ解像度が良くてやめられません(笑
以前3.8mmの単線も使いましたが、それもめちゃくちゃ良かったです。ただし取り付け加工が超大変です。中高域は片側1.25mmx2のOFC銅撚り線です。中高域、特に高域〜は撚り線の方が自然で爽やかに伸びます。よってJBLモニターにはこの組み合わせが最高のマッチングで、ベルデンと比較しても違いは明らかです。研究してきた実績です。「 1 」「 2
●こちらはグレーモデル。いつもは半艶で仕上げてますが、オーナー様の意向によりそれよりも艶を抑えて欲しいとのことで、3部艶ほどで仕上げました。落ち着いた雰囲気で高級感も増した気がします。
上のベージュもそうですが、ポート内部も丁寧に塗装しました。
●こちらはブルーバッフルモデル。
以前製作したブルーバッフルモデルを見て、それが気に入って気に入ってしかたないという熱いオーナー様よりご依頼いただきました。
この青は4344のプレートを剥がした部分の、まっさらな青を見本して色を調合してます。落ち着きのある良い色ですよね。2部艶ほどの仕上げです。
●こちらは純正と同じブラック。
純正はほぼ艶消し〜1部艶といったところでやや白っぽさがありますが、それよりもほんのちょっとだけ艶を増した2部艶程度に仕上げました。それにより白味が消え、重厚で落ち着きのある、より黒々した雰囲気を醸し出してます。
●こちらはアッテネーターのノブ。矢印部分のネジや木の色が微妙な角度で見える事があります。そこで黒に塗装しました。こういう些細な事を積み重ねることで、自然に良い雰囲気の物ができあがります。
●吸音材。JBLはあくまでもモニター主体の音色なので、吸音材を重視し、交換や追加をおこないます。ヘロヘロの吸音材と比較すると明瞭感や立体感に差が出ます。
もし音楽性を重視するなら、4312XPなどのやや異形な存在のよう、吸音材を全部取り除いてもいいでしょう。ただしモニターを追及するなら吸音材は必須です。
●その他全てのパーツ、ネジ1本にいたるまで全て新品処理をほどこしました。
最後にユニットを慎重に取り付け
祝!完成 綺麗にする事が目的ではなく、「 新品のような雰囲気にする
ことが目的でレストアしています。小奇麗な4312Aの雰囲気に見えませんか。
●木目も完璧に仕上げてます。綺麗なグレーは超渋いですね。
●このベージュも自然でかっこいいですね。元々純正であるかのような雰囲気です。

 今回のフルレストア&フルカスタムはいかがでしたか。 U
新品に復活させるには新品のパーツを使えばいいのでは? そう思っている方も U
おられると思いますし、私も最初はそう思っていました。そしてウーハー、スコーカー、 U
ツイーターのキットを使いレストアした事もあります。ではなぜまたそうしないのか? U

 それは「
音が良くない 」からです。

純正キットでは無いせいかはわかりませんが、ウーハーやスコーカーはとても U
聴けたものじゃありません。ユニットのコーンには紙や金属など様々な素材が U
使われてます。それら素材の違いが音質の違いを生み出しており、同じ紙だから U
といって交換しても同じ音にはなりません。 U
ボロボロに破れているなど最悪な場合はしょうがないですが、あくまでも最低限の U
処理、コイル破損ならコイルのみを交換するとかに留めるのがベストです。 U


  ある著名な有名人が、希少な60年代のガルウイング・ベンツ300SLをレストアする
  ためアメリカに送ったそうです。ですが何年経っても連絡がこず、ご本人が
  「 俺のベンツ、どっかにいっちゃったのかな 」なんて諦めかけていたとき、
  ようやく連絡がきました。理由はドアミラーを留める「 純正のネジを探していた 」
  とのことで、それを見つけるのに4年かかったそうです(笑
  ご本人は「 そんな見えないネジ何でもいいじゃん 」と苦笑いしてました(笑


 
やはりレストアは純正品を使うのが一番ベストだと感じております

どんなに見た目を綺麗にしても、やはりスピーカーは音を聴く装置ですから、 U
肝心の音が良くなければ使う気もうせていきます。 U
東京にあるロビン企画さんという業者は、プロの私から見ても丁寧な仕事ぶりです。 U
JBLのコーンには手を付けていないことからも、音に拘っている事も伺えます。 U
ただできることなら綺麗なほうが良いですよね。 U
そこでずっと置いといても自然で違和感のない「
新品復活レストア 」を目標にしました。 U

 ヴァリアスクラフトにご依頼される御方は、何年も使っていたり、同様の機種を U
何台もお持ちになってる御方が多いです。そんな御方が何度もご依頼してくださるのは U
 「
音が良さ 」が一番の理由で、「 このスピーカーはこんな音がでるのか!? 」と U
お喜びの声もたくさん寄せられます。 U
私が技術を向上できるのはひとえに、ご依頼してくださる御方がいるからこそであり、 U
そんなご依頼主様の為にも、努力をおしまず全力投球で励んでおります。 U
今回は宣伝みたいになって申し訳ございません。 U
納期には時間がかかるので、早めのご予約お待ちしております。  U
そんなところですが、今後ともヴァリアスクラフトをご贔屓くださいませm(_ _)m U

次回、新機種と向き合う時間が中々無かったり、また間もあきそうですが U
    有意義な情報をお届けするので、どうぞお楽しみにお待ちください♪ U

JBL 4311WX & 4311A 1976年〜 1台¥155,000円〜(当時の価格)
メーカー解説:録音スタジオや編集室、調整室などでのモニターや屋外録音用として開発されたスピーカーシステム。
方式 3ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:3.6cmコーン型(LE25)
中域用:13cmコーン型(LE5-2)アルニコ
低域用:30cmコーン型(2213) アルニコ
再生周波数帯域 45Hz〜15000Hz
インピーダンス
出力音圧 91dB/W/m
クロスオーバー周波数 1.5KHz、7KHz
外形寸法 幅362×高さ597×奥行298mm 約L
重量 23kg

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