●今回はJBL4302のフルチューンと、お初となるJBL A820 Vecchio(ヴェッキオ)のご紹介です U
左の4302、とても綺麗ですね。今回はフルチューンとカスタムのご依頼です。 U
そんなところでさっそくいってみましょう!
 U
●4302より一回り大きいA820(右、以下820)。ユニットサイズや2wayバスレフなど箱以外
4302と似た構成。写真のようエッジが×なので張り替え後音出しテストをおこないます。 U
まずはお初となる820ファーストインプレッション、エージング無しの状態でさっそく音出し U
まずは一言
 「
・・・だめだこりゃ

 わりと大きめの筐体から厚めの音を想像していたが、肝心の低音がまったく出ず、 U
JBLの特徴でもある強烈な高域が強すぎて、バランスの悪い耳障りな傾向でした。 U
4302と似た構成だが遠く及ばず、216やJ520などの小型よりもバランスが悪く臨場感も無い。 U
唯一希望があるとすればエッジを張り替えたばかりでエージングが出来てない事。 U
だが経験上、低域が多少出るようになっても高域がさらに出るようになるので、 U
たとえどんなに鳴らし込んでもバランスの改善は見込めないと思われる。 U
とにかく期待外れ、レベルの低いスピーカーでした。 U

 820はチューニング以前に、根本的な問題を解決する必要があり、それらが改善できないと U
決して良い音にはなりません。オーバーホールもその一つですが、吸音材やポートの調整、 U
マグネットを大型化するなどなど、ベースとなる根っ子から改善をはかる必要がありそうです。 U
ダメなスピーカーの典型ですね。この手のスピーカーは手間がかかるので、だいたいは U
このままでいいや 」と妥協してきた事もありますが、好きなメーカーでもあるJBLだし U
見た目も新鮮でこのまま腐らせるのはもったいないと思い、できる限りの処置はしていこうと U
思います。そんなところで、さっそくチューニングの開始です。 U

●並べたサイズはこんな感じ。
820は奥行きがあるせいか、写真よりもでかく感じます。
●こちらは4302で、艶有り外装を艶消しにして欲しいというカスタムのご依頼です。
単純に艶消しを塗っても木目が引き立たないので下処理が必要になります。←は下地処理の途中経過、塗料を侵さないよう様子を見ながらの作業です。
矢印部、液ダレしたように見えますよね、これは凹みで艶有りだと分かり難い凸凹も、艶消しにすると目立ってきました。凹なので削って処理できないため埋めて処理します。下地処理を終えたら上塗りをおこない乾燥に入ります。
●乾燥中820の作業に入ります。
まずはパーツを全て外します。
●ウーハーを外しました。くっついててやや外し難かったです。内部はけっこうがらんどうですね。
でもこの箱は高密度MDFで作られており、重量もあるし安物とは一味違う良い箱でした。
矢印はネットワークで12dB仕様。固定式アッテネーターは能率合わせに苦労感がうかがえました。
●ウーハー
マグネットが小さいのが残念だが、金属フレームで中々良くできたユニットです。
●コーンはそれほど重くないのだが、ダンパーはわりと沈んでますね。
黒いダンパーは新鮮です。
●エッジの張り替え完了。
純正と同じゴムエッジ 」にしました。
 ただこのフレームは凹のフチがあり、その外周より大きいエッジはカットなどの加工や調整が必要になります(大きいエッジをそのまま貼るとダンパーがよけい沈みます)。A820にウレタンエッジでは音の相性が悪いのでゴムエッジが◎。ただし難しい作業なので注意も必要です。
●こちらはツィーター。刺激の強すぎるJBLツイーターには内部にある処理を施します。それによりさらさら感がアップし心地良い音色に変わります。
 ヤフオクでA820(ウレタンエッジ)やコントロール1、テンモニなど多く出品しているきたのさぎが、私のO/H記述や紹介してる材質などを「まるパクリ」してるのでモザイクかけました。それでも自分がやった風に書くんでしょうね。迷惑千万
●こちらは4302のネットワーク
●フルチューンしました。
(アッテネーターも交換済み)
かなり良い音出そうです。
●4302
全ての作業が完了
箱は木目の際立たせに苦労しましたが、一見純正のような趣に変わり、だいぶシックに仕上がったと思います。
●ツィーターはオーナー様が新品交換されたので手をつけず、単品で丁寧にエージングしました。
このツィーターまだ売ってるんですね。
私もカスタム用にひとつ入手したいです。
ウーハーもネットワークもばっちり仕上がりました。
●完成したパーツを箱に取り付け。
誤って傷つけぬよう、慎重に作業していきます。
●このように変わりました。
4302の艶消しは新鮮ですね!元の艶有りよりJBLらしさがグッと出た気がします。
わりと新しい感じがする4302ですが、もう10年以上経過しています。エッジもコーンもブラッシュアップして新品のように復活しました。
●A820
こちらも全ての作業が完了。
パクられそうで大部分を伏せました。
●ツイーターのレンズを4302のよう縦にしたかったのだが、わりと大掛かりな施術になるのでそのままにしました。
(取り付けも箱の加工が必要)
ショートホーン部分はもう少し奥行きがあり、滑らかだったら良さそうですね。
●これ何の突き板ですかね。チェリーかな?
マッド仕上げで高級感を引き出しました。
●正面、フロントバッフルの下に付いてるロゴ。
これフチどりが金色メッキで、かなりかっこいいです。
JBL
民生用では所々に金色パーツが使われてるのが目につきますね。金色好みです。
●最後にユニットを
●取り付け
●いかがでしょう。4302の仕上げは想像してたより大変でしたが、シックで上品 U
落ち着いた良い雰囲気で仕上がりました。 U
それと私はブラウザ(IE)で文字サイズを”大(L)”にしてるのですが、今回からページ U
の文字サイズを1つ大きくしてみました。見難くないでしょうか? U

 820、チューン後のインプレッション。今度はじっくりエージングしてから音出し
まずは一言
倍音出るようになったなー、いつまで聴いてても心地いい

 まずスピーカーにとって大前提となるユニットのオーバーホール。 
U
どんなにネットワークが良くても箱が良くても、ここがダメだと話しになりません。 U
通常オーバーホールするとツィーターの高域が伸びるようになりますが、JBLの場合 U
伸びる高域が仇となり、オーバーホールする前よりバランスが悪くなる場合もあります。 U
だからツィーターは高域のさらさら感、しっとり感がUPするような処理を施しました。 U
ウーファーは逆に上がダメでもいいので、力強い低域のみに集中しました。 U
次に箱の改善、ある部分の強度を増し吸音材でバランスを整える。 U
ユニットの鳴らし込みをおこないながら、最終的にポートを調整するなど。 U
他にも細かい処理をいろいろと施した結果 U
倍音出まくりで「
10倍良くなったA820に生まれ変わりました 」 U

 ダメなスピーカーを良くするには50/50で、まったく変わらない事も多いのですが、 U
JBLはポテンシャルの高さを秘めてるので、それらをうまく引き出せたのが好結果へと U
繋がりました。 U
他のA820とは根本的レベルが違う「
最高のA820 」になったのは間違いないでしょう。 U

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 続いてフルチューンした4302
まずは一言
おおお、凄くいい!さらに良くなったなー

 ツィーターが新品だったという事もあり、単品のままゆっくり丁寧にエージングを U
おこないました。4302のウーファーはオールドJBLに比べると動きも音も硬いので、 U
ストローク量を増やすべくダンパーとエッジを入念に調整。それらユニットにフルチューン U
したネットワークを合わせた事で、解像度や分解能力が飛躍的に向上、ボーカルの U
音離れも良く最高に気持ちのいい音に変わりました。 U
恐るべしポテンシャルを秘めた4302をフルチューンした結果、最強の名に恥じない U
聴いた人すべてを納得させられるだけの音色を奏でるようになりました。 U

最後に。 U
 A820を始めて聴いた時、耳障りで不快な印象が強かった分、チューン後の U
柔らかくなった音を聴いたときは、喜びよりも安堵する方が大きいものでした。 U
バランスの悪さを改善するだけでなく、心地いい音色を目指したセッティング U
をしてる時、昔苦労させられたONKYO製品を思い出しながらの作業でした(笑 U

 4302は4301とは違い現代的なHiFiで、モニターモニターしすぎていないフィーリングは U
DENON SC-E757にも少し似ている、私の好きなスピーカーのひとつです。 U
それを入念にフルチューンした事により、「
ひょっとしたら4301より良くなった? 」 U
と思えるくらい好結果になりました。みなさんにも聴いてもらいたいくらいです。 U

 今回の4302とA820、共に 大・成・功 に終わる結果となりました。

次回、JBLのプロ用から民生用(A820)ときたので、次も民生用を出してみよう U
    かと考えてます。4301のカスタムが入るかもしれません。お楽しみに♪ U

 過去の4302記事は「 こちら

 JBL A820 Vecchio(ヴェッキオ) 1995年〜 約¥100,000円(ペア)
メーカー解説:リアルウッド仕上げが施されたヴェッキオシリーズ。
ヴォイシングと呼ばれる聴感での音質チューニングが徹底して施されており、音楽の感動やきめ細かなニュアンスの再生能力を高めています。
低域には20cmコーン型ウーファーを搭載。振動板には新設計のポリマーコーティング・ファイバーコーンを採用。
高域には2.5cmドーム型トゥイーターを搭載。
ダイアフラムにはピュアチタン振動板を採用。歪の原因となる分割振動を解消するダイヤモンド・パターン・エッジ。
エンクロージャー外観は天然木の質感を生かしたリアルウッド全面仕上げが施されています。
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:2.5cmドーム型 ・低域用:20cmコーン型
再生周波数帯域 40Hz〜20000Hz
インピーダンス
出力音圧 91dB/W/m
クロスオーバー周波数 1.7KHz
外形寸法 幅270×高さ500×奥行333mm 約L
重量 約12kg

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