●今回は2001年、約13年前に発売された4302と、その数年後に発売された4305Hの紹介です。
|
|
●左が4302、おなじみブルーバッフル
右が4305H
4301のよう20年、30年物ではないので、機関の程度は問題ない。
ただしJBLの場合、激しい使われ方をしてる物もあるので注意も必要。 |
●音出しチェックがてら、しばらく聴き込んでメニューを決める。
その後分解へ。
外せるパーツは全て外します。
ユニットは全て木ネジ(+) |
●フレームの固着もなく、すんなり外せました。
箱の素材はMDF
表面のブルーは塗装
補強もなくいたってシンプルな作り。
薄手の綿が全体に敷き詰められている。 |
●ツィーター
フレームやマグネット、カバーなど一般的なツィーターと大差は無い。マグネットカバーは接着されており、ホーン部のフレームを外すにはちょっとしたコツがいる。
ダイヤフラムはチタンの焼入れとあり、保護されている。 |
●ウーファー
コーンは和紙のような感じでやや厚みがある。
無漂白・無着色らしく、パッと見黄ばみが目立つ。
たばこの環境ならまっ黄色の染みだらけになりそう。
マグネットは小さく、4301の116Aや116Hにに比べると非力感は否めない。
フレームはしっかりした作りで、剛性も十分そう。 |
●コーンの裏側は和紙のような皺が全体にある。
ダンパーは写真でもわかるとおり、やや隙間のある素材。
抜けをよくする設計なのか、一般的なものに比べると少し硬い気がする。これは少し柔らかくしたい。 |
●ウーファーの比較
左は4302のウーファーで右は4305のウーファー。
パッと見ほぼ同じに見えるが、最大の違いはエッジで、
4302はゴムエッジで4305はウレタン製。
素材の違いによる音質フィーリングは簡単に感じ取れました。
エッジも4305は少し硬い気がします。 |
●裏返してみるとまったくと言っていいほど同じ。
年代が近いせいか全て流用してるんですね。
カバーは錆が出やすい処理だったので、さび止めコーティングを全体に施す。 |
●さて、肝心なネットワークに入ります。
これは4302のネットワーク。
わりと良い部品が使われていた。
構成は一般的ではなく、メーカー独自のセッティングになっているのも特徴的。
4305も構成はほぼ同じだが、部品のグレードがやや落ちる。
ケーブルは少し固め(16AWGくらい)の鈴メッキ銅線。
初代4301が一番太くて硬く、4301BWXでやや細く。
4302以降さらに細くなる。
コスト削減でしょうか。 |
●そんな貧弱なケーブルを交換します。
何か新しいものはないかと探していたところ
手頃な こちら を見つけました。
雑誌の付録なら変なものはつけないだろうと早速購入。
最初は3000円/mの物が安くなってる?と勘違いしたが、どうやらそのプロトタイプのようです。
低域に期待しての装着で、いつも使っているAT(オーディオテクニカの廉価版)と比べるとこちらのほうが解像度が高く感じました。
ちなみに3000円/mのものは芯が太くなり(導体本数が多くなる)シールドが銅になるもよう。 |
●ユニットのケーブルをEXIMAに変え、その他の配線は全てATに。直結や独立にできるところは全て変更。
気分的な流れはまったくの別物となる。
ハンダはWBTの銀入りを使用し盛り直す。
これでフィーリングがだいぶ変わってくる。
ふんづまり感の無い、抜けの良さを目指しての製作です。 |
●このケーブル、ゴージャスな概観にパッと目を奪われる。
見た目は完全なハイエンドケーブルです。
特にシールドは縁の下の力持ち的存在で、安定感や安心感が向上する。2way以上ならなおさ効果的ですね。
もし導体のシースがテフロンだったら、電源でも安心して使えそうなケーブルでした。 |
●いよいよ大詰め、箱の仕上げに入ります。
4302はツキ板+クリア仕上げ。
鏡面系は2000年代の流行で、他のメーカーでも数多くある。
ちょっとJBL、プロフェッショナルシリーズらしくない、ホームユース的な見栄えです。
さてクリア処理の場合、基本的に凹みは塗料で補修。小傷等はその後削って補修するので、塩ビやツキ板に比べ手間も時間もかかる。
磨きをどこまでやるかが、鏡面の醍醐味になる。
チューニングよりも、箱の仕上げに大部分の時間をとられました。 |
●そして各パーツのオーバーホールが完了。
ウーファーはクリーニング後、エッジとダンパーを調整。
ツィーターは分解してクリーニング。
接点部は優しく磨き、ケイグで保護。
他の金属部分は全て錆び止めコーティングを施しました。
|
●ウーファーコーンの白いスピーカーって、綺麗な写真が撮れないんですよね。
写真では真っ白に見えますが、真っ白が100とすれば80くらい、不自然にならないようナチュラルに仕上げにしました。
塗装はなるべく敬遠したい、だからまず漂白をおこない、その後ムラになった部分のみ極薄で着色、均等にならします。
これで質量はほぼ変わらないと思うが、普通に塗ったものとは質感の次元が違います。
リーコーンすれば一番手っ取り早いのだが、無駄にコストをかけたくないので、手間と時間をかけた結果ですね。
ほぼ未使用で真っ白コーンの4305HWXを参考にしながらの作業なので、かなり自然に仕上がりました。 |
●全てのパーツを箱に取り付け
最後にヴァリアスクラフトチューンの証
オリジナルステッカーを貼り
NEXT↓ |