只今スピーカーフルチューンの真っ最中ですが
今回はちょっと息抜きして、小さい8cmフルレンジの紹介です。 U
●こちらmonacor というドイツのメーカーで
ユニットの型番は「 SPX-32M
8cmのフルレンジです。

最近チューニングのご依頼が多く、コンデンサーなどの部品を買うためコイズミ無線さんをよく訪れてます。

そんな中、つい目がとまったのがこのユニット
monacor SPX-32M です。
ページでは TangBand W3-517SB の上をいくというメモがあり、それにつられ購入しました。
●エッジはゴム、コーンは紙で、和紙のような雰囲気のある
わりと丁寧な作りが感じられます。
最大の特徴は
←このプラグでしょうか。

このプラグは本体に固定されており
ボビンとのクリアランスは1mmほどあります。
だから多少ガンガンに鳴らしても、擦れる事はなさそうです。
●材質は木製で、劣化防止のためか、全体にしっかりとニスが塗られてました。
ご覧のよう横から見ると、もの凄く飛び出してます(笑
キノコ、ドアノブ、そんな雰囲気でしょうか。
音質にどれくらい影響があるのか楽しみです。

←写真中央部のダンパー
これはパッと見マークオーディの作りに似ており、
 「
小さいのにきちんと作ってるな 」という印象です。

ストロークは硬くも柔らかくもなく普通。
マークオーディのものよりは若干硬め
といったところでしょうか。
●真横からみるとこんな感じ。
ネジ穴にささってる四つは、梱包時にエッジの変形を防ぐガイドです。
だが写真でわかるようプラグが飛び出しており
まったく意味をなしません。
●そして届いたものは
こんな状態で収められてました。

これ、完全にプラグが全体重を支えてる・・・
●で、破損してました(^^;
こういうプラグを手にした時、まずは外れるのか?
と確認する癖がありますが、片方だけグラグラしてたので
引っ張ったら簡単に外れました。
ただ外れていただけなので、ボンドで接着すれば問題ありません。
ただし、元々使われていた接着剤のかけらが
ボビン(コイル)とヨークの間に挟まってました。

←中央部

もしそんな状態で音出ししてしまうと、変な音はもちろん、それよりも
隙間からどんどん下に入ってしまうのが一番危険です。購入者で同じ症状が出ていたら、まずは破片が落ちてないかしっかり確認したほうがいいです。
●さて、こういう小さいフルレンジの場合、
何か対象物がないとインプレッションも難しくなります。

そこで、HiViのB3N を用意しました(左)。

B3Nは簡単に言うと、ダイヤトーンの一番古いP610的なフィーリングで、高域の伸びはありませんが、全体のバランスがとても良く、聴き疲れしない気持ちいいユニットです。

8cm、10cmクラスの中では、
たぶん一番の好みかもしれません。

●それらユニットはこちらの箱にセットしました。
これはラウンド型積層箱で、私が製作した物の中では
一番小さいサイズになり、容量は1L程度と
とても小さい箱です。
さらにラウンドで定在波が出にくいのと、積層でかなり強度があるということで、ユニットの傾向が
そのまま音質として反映される」という、
ユニットにとっては、実力が試される箱でもあります。

でレビューは最後に。
●お次はこちら
これは私が製作してる”ミニチュアシリーズ ”で

パイオニア エクスクルーシブ2404 」のマイクロです。

このタイプは3種類作っており、12cmまで収められる
ミニと
8cmを搭載する為に作った「
マイクロ 」になります。

←使うパーツはこんな感じ

フルレンジはネットワークが無い分シンプルですね。
ケーブルはオーディオテクニカでOFCのものです。
●そんな2404マイクロにユニットを取り付け
●祝!完成!
●とにかく製作が大変だった木製ホーン。
質感は上々で、とても良い雰囲気をだしてます。
●箱の材質は1等と2等のラワン合板。
全体を軽く均したあとOIL(クリア)で仕上げました。
やや木肌の癖もありますが
木目がはっきり出て雰囲気が良くなりました。
部分的に濃くしたりすると、もっと味が出そうですね。
●で、これを見ていると
できるかなの「ゴン太君」に見えてきました(笑
20代の人はわからないかな?
懐かしいですね(^^;

すごく愛嬌ある顔になりました。
●そんなところで、さっそくフルレンジ対決といきましょう。
最初は小さい方、ラウンド積層箱にセットしときのレビュー 

まずは一言 
あー、B3Nのほうがいいな

 monacor SPX-32M はまだエージングもできてないサラの状態なので 
まだまだこなれてない事もあるのだが、 
最初の一発目(一音目)を聞けば、だいたいのポテンシャルがわかってきます。 
 B3Nよりも良い点は「
高域 」で、さらさらした爽やかな音色です。  
キノコ型のフェイズプラグが効いてるせいか? 
音が広がり難いフルレンジとしては、わりと良い広がり具合です。 
全体のバランスも悪くなく、嫌みな帯域も感じません。 
B3Nよりも高域が伸びてる分、低域の量感が少なく感じるのが、少し難点でしょうか。 
そこはもう少し大きい箱、4、5L程度の容量の箱にセットすれば、 
低域をを引き出せそうな気もします。 

次に2404マイクロ(約4.5L)にセット 
肝心の低域不足は少し解消したものの、好みで言えばもう少し野太い音が欲しいところです。 

総じて、monacor SPX-32M は良いか悪いかで言えば「
良い」ユニットです。

 メーカー製に例えるなら、 
B3Nは中域が少し引っ込んだ音、ロジャースのLS3/5aの11Ω版。 
monacorは中域がやや前に出るタイプで、ダイヤトーン的なフィーリング。 
という例えの方がわかりやすいですかね。 

最後に。
最初にセットしたラウンド積層箱は、1L程度の極小という事もありますが 
ユニットの実力が試される、試練の箱でもあります。 
だからこの箱に合うユニット中々ありませんが、 
唯一相性がいいのは「
B3N 」ということを再確認する結果となりました。 

あとはmonacor ←これ何と読むのですかね? 
モナコア?モナコー? 
パソコン関連と同様、マイナーなオーディオメーカーや型番など 
普段口にする事ってなかなか無いですよね。 
だから電話とかで言われると、ついあたふたしてしまいます(^^; 

 最近はJBLの4311シリーズを多く手がけており、30cmクラスばかり聴いてます。 
だからそのあとの8cmではしんどいのでは?とも思いましたが、 
意外と普通に聴ける感じでした。 
むしろたまに聴く8cmは心地よく、いい息抜きとなりました。 
大小に関係なく「
良い音は良い 」というのが結論ですかね。 

monacor SPX-32M
あと一歩下の太さが欲しいところでもありましたが、ドイツのメーカーで作りもよく 
全体のバランスも良好、そして見た目の印象が強い、わりといいユニットでした。 
このメーカー、他のユニットも聴いてみたいですね。 

 次回、過去に扱った中で、YANAHAの1000Mや10M、ONKYOのmonitor500、SONYのSS-X100など 
記憶に残る、至高のチューニングを施したスピーカーが数台ありますが、 
今手がけているJBLも、まさに「
至高の作品 」になりそうです。お楽しみに♪ 

過去のエクスクルーシブ作品は「 こちら

自作No、61 パイオニア エクスクルーシブ ミニチュアモデル(マイクロ) 2014年
メーカー解説:パイオニアのエクスクルーシブ2404をそのまま縮小し製作したスピーカーです。
方式 1ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 全帯域用:8cmコーン型
再生周波数帯域 70Hz〜22000Hz
インピーダンス
出力音圧 88dB/W/m
クロスオーバー周波数
外形寸法 幅200×高さ255×奥行255mm 約4.5L
重量 2.5kg

   ・・・ 
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