●自作No,31、32と紹介してきた積層スピーカーだが、今回〆を飾るのがNo,33。
ユニットはPARC Audio(パークオーディオ)の DCU-C171PP 、同軸2wayを装着。
一体どんな音がでるのか!? さっそくはじめましょう。
●32の側を使い組み上げたのがこの33。
真逆な使い方だが、内部構造は同じラウンドタイプになる。
●内部はこんな感じになる。
バッフルが薄いので追加する以外
特に変更はありません。

このラウンド構造、何が?どう?作用してるのか
わからないが、とにかく解像度が高くいい音が出る。
一度この音を聴いてしまうと、
普通の箱には戻れなくなりそうなほどでした。

外国製に多く採用されてるのも
うなずける気がします。
●全てを接着後、穴をあけます(φ150,φ50)。
剛性は十分すぎるほどだが、
高すぎるからいいとも限らない。
ユニットとの相性
バランスが肝心になるでしょう。
●ユニットはこちら。
パークオーディオの DCU-C171PP
同軸型・コアキシャルユニット。

まず見た目で気になったのがウーファーのコーン。
この普通的なプラコーンはヨーロピアン的で、
音質も安心できそうな気がします。

真ん中にあるのがツィーターでドームはプラのよう。
ペコッといきそうで触れません。
配線は写真のような出し方で
後付けのような作りです。
●フレームはアルミで剛性も高そう。
細かい所まで配慮が感じられるのは
いかにも日本製。

ひとつ気になったのが、
エッジ&ダンパーがすこし硬いこと。
低音は弱めか?
こなれるのも時間がかかりそうです。
●組み上がったら塗装に入り、
その後パーツを取り付けます。

塗装はOILで3部艶仕上げ。
普通は3回塗り程度だが、積層は倍の工程になる。
2度塗り以降も十分に乾燥させる必要があるので
時間はかなりかかります。

今回はNo,32同様、サブバッフルを追加してみた。
●サブバッフルを取り付けるとこんな感じ。
今回はデザインに統一感をもたせ、
色も黒ではなく同色に。

穴はφ92
表からは10cmユニット
裏からは12cmユニットが取り付けられる構造で
2倍3倍と楽しみが増えてくる。
●そして背面。

クロスオーバーが可変できる切り替えスイッチと
アッテネーターを取り付けました。

スイッチ
上はボーカル向け
下で楽器・クラシック向けに変る。

切り替え式ネットワークはメーカー製以来
久々の登場となる。
味には好みがあるよう、音にもある。
できるだけ好みに近づけるよう開発したのが
このスイッチ、切り替え式だが、
ソースによって変化させると、
相性がグンっと良くなるという性質もあります。
●こちらは同時進行していたNo,34、赤松バージョン。
ユニットはFOSTEXのMG850
●ユニットを取り付け、完成!!

まず最初に始めたのがユニット特性を知る事。スタンダードな箱(12L)に入れテストした。
2wayということでネットワークが必要だが、メーカー推奨用が紹介されていたのでそれを試す。
そのままさっそく音出し、エージング無しでの
まずは一言
「 ・・・ 」

・・・低音弱い・・・なんと言えばいいのか、中高域よりのクリアすぎる音。
パークオーディオらしいと言えばいいのか、荒々しさのないクリアー質。
シャリシャリ感はそれほど酷くないが、なんとも薄っぺらい音で味気なく、面白味もない。

最初に感じたのがツィーターの悪さ。ザラザラ・パキパキというようなタッチで、
さしすせそが、ざじずぜぞ、たちつてとに聞こえてくるフィーリング。
 ウーファーは見た目通りのヨーロピアン傾向で、安心できる音質。
こちらは良くできており、癖がなく上まで伸びていく。ギリギリだが、このままフルレンジで使えなくもない。

総じて。
ツィーターとウーファーの相性が悪い。
このウーファーは上まで伸びており中域がクリアー質。だからツィーターの中域は必要ない、ほんの+αの高域でいい。
こういうのはフルレンジ的で、リボンツィーターのようなさらっとした、まとわりつかない音がベストである。
 ツィーターは女性ボーカルをカバーできるので、ウーファーはズバッとカットしたい。
そうすればバランスの整った音になる。ただしパークオーディオらしさは無くなるでしょう。
いずれにせよ、このユニットを活かすもころすもツィーターしだいと言ったところ。

 次にネットワークに入る。セッティングは料理と似た傾向で、人により好みや味付けが変ってくる。
このユニットを活かすにはシンプルisベスト、焼き魚や肉には”塩のみ ”、そんな繊細さが求められる。
ウーファーは味付けせずスルーのまま、そこに合わせるツィーターの音が”肝 ”になる。

 そこでツィーターの音だが、このザラザラ感、パキパキ感が出難くなるよう心がけた。
ボーカルに的をしぼり、柔らかい音が出るまで何度もセッティングを繰り返す。
こっちが良いとあっちが悪い。そんな思考錯誤の連続だったので、今回は得意の可変システムを取り入れた。

 最終段階に入る。一番難しいのは”能率合わせ ”
クラシックでは-1Ω、ボーカルでは-3Ω、箱の容量、低域の出具合でも変ってくる。
だからここは”可変アッテネーター ”を採用し、一気に問題を解決させた。

 そしてようやく完成。
デザインやギミックなどなど、いかにも私的なスピーカーですね。
 ラウンド型(箱)は中高域の解像度が上がるのが特徴だが、ユニットのクリアー質が仇となり、
クリアー+クリアーという薄っぺらい傾向でした。そこで厚みを持たせつつマイルドにするのが目標でした。
・ピアノの鍵盤をやさしくタッチする。そんな動きが見えるかのような、繊細な音も感じやすく。
・質の良い女性ボーカルを聴くと、思わず鳥肌が立ってくる。
メーカー製の改造をさんざんやりつくしてきた集大成を、この箱に詰め込みました。


最後に。
パークオーディオはモニター的傾向が強く、タイトな音が特徴的。加えてこの171PPは同軸なので、
”点音源を感じさせやすくなるよう ”クリアー質を意識しすぎた ”そんな感じが伺えました。
 パークオーディオは全体的に、楽器系・クラシック向きのユニットです。
いかに気持ちいい音を出すには、声質が自然になるよう努めなければなりません。
難しいユニットでしたが、やりがいのあるチューニングでもありました。
あとはオーナー様に気にいっていただけるよう、祈るばかりです。
次回、超久々の制作、お楽しみに♪

自作No,33 2013年
メーカー解説:
方式 1ウェイ・2スピーカー同軸・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:2cmドーム型 ・低域用:17cmコーン型
再生周波数帯域 40Hz〜40000Hz
インピーダンス
出力音圧 90dB/W/m
クロスオーバー周波数 5KHz
外形寸法 幅240×高さ360×奥行250mm 約8L
重量 8kg(1台)

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