●今回は珍しい、FOSTEXユニットを使った作品のご紹介です。
フォステクスと言えば、私との相性が悪いという印象があり、それはコンテストや
ユニット(FE138ES-R)が原因なんです。未だ拭いきれてないので、
フォステクスと聞いただけでテンション下がりますが、果たしてどうなることやら!?
●使うユニットは2種類、2way
こちらはそのウーファーで、FW127
真っ黒ボディがかっこいい12cmウーファー。

エッジはウレタンでx(写真は修理済みのもの)
マグネットも大きく、フレームはとても頑丈にできている。
そして背面まで貫通した穴が、妙にそそられる構造。
ゴミが入らないようにか?
丁寧に網がしてあるところなど、
まさにメイドインJAPANですね。

12cmという小口径なので、
中低域がポイントになりそうですね。
●コーンは一般的なプラ製だが、
ヨーロピアンタイプよりも、少し硬い感じがする。

そして矢印の点々、パッと見た時はゴミ?と思ったほどだが、
他にもバランス良く配置されてた。
これで音が変るかは疑問だが、このユニット
いい音!! 」でビックリしました。

とにかく中域がいい塩梅で力強さもある。
あとはどんだけ低音出るかがミソですね。
●ツィーターはこれ、
FT33RP
たぶん今では入手困難な、リボンツィーター。

リボンは、どこまでも伸びるような
柔らかくて爽やかな音質が特徴的。
ヨーロピアンハイエンド系は、だいたいそんな傾向です。
リボンと聞いただけで、
つい入手したくなるほどの存在なんです。

弱点は中域が薄い事。
だから大口径ウーファーとは合い難く、
小口径やフルレンジとの相性がいい。
今回は12cmウーファーなので、相性は問題ないでしょう。
こちらもFW127に、負けず劣らずいい音でした。
●一つ問題なのがこの形。
同じ面に取り付けると、ツィーターが大きくせり出してる。
特徴あるいいデザインなのだが・・・。

まずここをどうするか!?
デザイナーの悩みどころですね。
●制作開始。
もう、何がなんだか解らない状態、
とても複雑な構造なんです。
●途中経過。
ツィーターが凸なので箱を凹にし、
段差をつける事に。

強度などなど、
考えながら作ってる事も多いので、
とても時間がかかります。
●完成にだいぶ近づきました。
左は一般的な感じで、それをズバッと切ったのが、
今回のデザイン、最大の特徴です。
●その上部分にはこれを装着します。
円形のMDFを半分に切り接着。
それを大まかにカットし、
こんな形にしました。
●そして仕上げ、磨いていくと、こうなります。
まるでチョココロネ(菓子パン)笑

これ、斜めに小さくなってますが、
そのサイズは適当で、完全なハンドメイドなんです。
ヨーロッパの職人みたいですね。
●装着するとこんな感じ。
B&Wもイメージしてますが、
形はぜんぜん違いますね。

このまま塗装するかツキ板貼るかで悩みました。
ツキ板貼るとかっこ良くなりそうだが、
柔軟性が無いので大変そうです。

これ、裏からネジ留め(+両面テープ)にし、
一応脱着可能としました。
あとからやっぱ、上を付けたい!!変えたい!!
なんて事に対応できるようにしました。
●箱の仕上げに入ります。
全体は黒で塗装。
黒と言っても、今回は100%の黒では無く
90%ほどの黒、炭色をイメージしました。

そしてフラットベース(艶消し剤)が、
いつもより30%も多い、完全艶消しバージョン。
ちょっと白っぽくなるかもしれないが、
わりとうまくいきました。
●その後ウォルナットを貼り、化粧していく。
だんだんと形になってきましたね。
この後マスキングして、さらに塗装。
最後にオイルで仕上げる。
そんな工程です。
●ようやく箱が仕上がり、ネットワークを取り付けます。
このネットワーク、実はフォステクスの既製品で
●N20というものなんです。
こんなのあったんですね。驚きました。

クロスが5kHzで自作派向けの、
まさにフォステクスらしい構成です。

私的にはウーファーのクロスをもう少し下げたい、
ズバッと切りたいところだが、
とりあえずこれでいってみましょう。
●ユニットを並べてみると、ある事に気づきませんか?
そう、
色が違うんです。

ウーファーは完全なシルバーだが、
ツィーターはほんのりゴールド
●そこで、ウーファーを塗装しました。
これも私の得意分野です。

これで色差がなく、統一感が出るでしょう。
ちなみにこんなんでも
塗装屋に頼むと、1万円以上かかるんですよ。
●完成した箱にユニットを取り付け
●完成!! いかがでしょう。(英文は適当なので、あまり気になさらずに)
ユニットとネットワークがフォステクスで、まさにフォステクススピーカーとなりました。
デザインも自作そのものですしね。

とりあえずレビューから。エージングなしでの音出し、
まずは一言
「 高域が綺麗でばっちり!! 」

今回、音質のポイントはユニットであり、特にリボンツィーターが要となる。
リボンツィーター特有のサラサラした高域に、どんだけうまく中低域を合わせるか、そこが最大の難所になる。
リボンツィーターには合わせられるユニットは限られているが、今回のFW127は小口径ということもあり、
ベストチョイスとも言える組み合わせでした。

そして小口径ウーファー、肝心の低域。
なるべく重厚な音を出したかったので、箱を少し大きめ(20L)にしてみました。
このFW127は以外なほど、” パワフル”で力強い音がでます。
だから20Lくらいは大丈夫だろうと、大きめにしたのだが、十分すぎるほど、低い音が出てきました。
箱が大きいので箱鳴りを防ぐ為、適度な補強と吸音材を加え、バランスを取りました。

中域。
合わせるツィーターが中域の薄いリボンなので、ほとんどウーファーに依存される形となる。
普通に組み合わせると、凹傾向・少し引っ込んだ、味気ない音になりがちだが、
そこを改善するべく、やや大きめのポートをチョイスしてみた。
これがうまくマッチし、声に生々しさが追加される結果となりました。
最初はちょっと大きいかな?とも思ったが、箱も大きいので、ちょうどいいサイズでした。

そんなユニットと箱をまとめるのが”ネットワーク
ここは私の腕の見せ所でもありますが、今回は珍しい、FOSTEXの純正品があるので、
それをチューニングせず、そのまま使いました。
いかにも自作っぽい音、少し薄い気はするのだが、アッテネーターも付いてるので、これはこれでいいでしょう。
ネームバリューが一番のポイントですかね。

そんな経緯で完成したのが、今回の作品、自作No,13
VK-SP(Special) by FOSTEX 」(仮)

 そしてもう一つの特徴でもある箱の”デザイン
ツィーターが分厚いアルミスぺ―サ―(車のホイルなどの)のような形だったこともあり、
位置を引っ込ませようとした結果、こんな形となりました。
もしリボンが一般的な縦長タイプだったら、デザインはもっと普通だったと思います。
だからこの箱は、「 FT33RPのための箱 」、とも言えそうです。

最後に。
寒くなると外での作業はしなくなるので、この時期ばかりと、ひっきりになしに手がけてる自作品。
材料もまだまだまあるので、もう少し続きそうです。
最近は余った集成材で、最小スピーカーを作ってみました。
でも手切りなんで大変でしたが・・・

さてさて、
 自作するメリットは、メーカーにはないデザインとか、世界にただ一つだけ
という事が上げられますが、一番はやはり楽しさですかね。
楽しいから、おもしろいから作るんです。
私は元々デザイナーもやっていたので、アイデアはどんどん湧いてくる、メーカーを作れるほどかもしれません。
ただ実際商売となると、それなりに妥協も必要になってくるので、趣味でやってる今が一番でしょうね。
 今回はフォステクスのユニットとネットワークを使った作品で、まさにオールフォステクスと言えるスピーカーになりました。
なによりも一番やる気にさせたのが、”ユニットが凄く良かった ”からでしょう。
最近のFOSTEXは解りませんが、こんなにいいユニットを作っていたとは、少し見直しました。
 新しい発見、新しい驚きのあった、そんな回になりました。

次回もたぶん自作、往年の銘機の登場です。お楽しみに♪

自作No,13 FOSTEX for FOSTEX 2012年 
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式 +アッテネーター
使用ユニット 高域用:リボン型 ・低域用:12cmコーン型
再生周波数帯域 45Hz〜45000Hz
インピーダンス
出力音圧 90dB/W/m
クロスオーバー周波数 5KHz
外形寸法 幅230×高さ350×奥行350mm 約20L
重量 10kg
●スペックはザックリです。

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