●今回は自作スピーカーのご紹介です。
一つしっかりした物を制作中ですが、この小箱なんだろ?
なんて開けてみると、ユニットがたくさんでてきた。だからつい、
いい加減作ってやらねば、なんて気にさせられます。
そんな中、完成したのが今回ご紹介する、第11作品。

ユニットはデンマーク製・ピアレス。Vifaに統合したのかされたのか?
有名なスキャンスピークと同じ国だけあり、デザイン・フレームなどなど
一見しただけで解るほど凝った作りです。
●そのユニットがこちら。
このツィーターは、あのソナスファベールで
採用されたものらしい。
真ん中のトンガリ、確かに見覚えありますね。

ソナスファベールのデザインが好きで、
色々と参考にしてますが、
ユニットもようやく拝むことができました。
●真ん中のトンガリは鉄製。
わりと頑丈にできており、つまんで潰れることはない。
そのトンガリはフレームに完全固定されており
ぴくりともしません。
周りのダンパーのみ動く仕組みとなっている。
B&Wなんかもそうで、最初はあれ!?
なんて具合に、驚いたものです。

肝心の音質だが、素晴らしい!!
超高域までサラサラと伸びる感じは、
まるでリボンツィーターのよう。

そして下、2kHz前後も、ダイヤトーンバリに分厚音が
自然にでてきた。
いや〜、素晴らしいですね。
日本製とは、一体何が違うのか。
やはりトンガリが効いてるんですかね。
●こちらscan-speakウーファー。
とにかくフレーム(鉄製)が凝っている。
わりと大きいめのマグネットも合わせ、重量感たっぷり。
かなり小さめだが、マグネットには穴(貫通)が
開けられている。
エッジはゴム、ダンパーはやや硬め。
コーンは何か和紙のような繊維質がちらほらと。

裸で聴くと、クリアー質でわりと普通。
上はあまり伸びてないので、
個人的にはズバッと切りたい。
箱に入れた場合、
タイトで解像度の高い音が出そうな予感。
●さて、ちょっとわかりにくいアングルだが、
これはウーファーを箱に収めた時の写真。
普通に穴をあけ装着しても、ユニットのネジ部が
フレームギリギリまで凸なので、このように浮いてしまう。
だからネジ部の凸・△を彫るか、フレーム全体を彫り
落とし込む必要がある。
面倒と言えばめんどうです。
●箱はこれ、メーカー製を改造しました。
元はなんだかわかります?
●で完成!! 
コンテスト用に考えた「 ボーカルシリーズ 」の
第四段ではなく、一般作品、No,11です。
数が多くなると、ややこしくなりますね。

外装は元々塩ビなので、できるかぎり
リアルウッドに見えるよう、ソリッドに仕上げてみた。
ユニットの色もわりと合っており、いい雰囲気でてます。

エージングはぜんぜんだがとりあえず音出し
まずは一言
「 うわっ、かなりいい感じ 」

高域はどこまでも伸びるような、サラサラした爽やかな音色。
そして中域、自作スピーカーなので自分でセッティング、
最大の見せ場でもある。
以前のよう、18dBだの24dBだのと
凝りにこったわけではないが、基本に忠実
自然でナチュラルな12dB/octにしてみた。

 ヨーロピアンユニットという事もあり、元々の凹傾向だが、
そこに凸を加え、耳で聴いた時、
限りなくニュートラルな感覚が味わえる。
そんな傾向になるよう、セッティングしてみた。
背面ポートということもあり、結果的にやや凹だが、
クリアー質に加え、生々しさも少し追加できたと思う。
 低域はまだこなれてないようで、タイト感バリバリだが、
それなりに低い音も感じられる。
ポート周波数は50Hz。
ウーファーはフルレンジ動作だと、少し癖が出るので
ズバッと切りました。

総じて。
デンマーク(ピアレス)のユニットだけに、そのままの
ヨーロピアンテイスト、クリアーで解像度の高い音。
 だが中域だけは、日本人らしいテイストを入れてみた。
自分で言うのもなんですが、ハイエンドと互角以上に
渡り合えるでしょう。
DENONで最もいい(小型部類で)のが SC-E757だが、
同じメーカーのユニットだけに、これを横に置き、
聴き比べしたいものです。
いい勝負になるんじゃないですかね。
●すこしぶっちゃけると、今回は優秀なユニットのおかげもあり、
ユニットの力が半分、それをセッティングした私の力が半分
と言ったところでしょうか。
特にツィーターは、上から下まで癖が無く、
セッティングが楽々と進みました。
1点だけ気になったのは、あまり上でカットしない方がいい。
4kHz以上、5kとか6kとかで切ると、
超高域がツンツンと目立ち、少し刺さり気味になってくる。
エージングで改善するかもしれないが、
2kHz前後がベストに感じました。

ソースはオールジャンルでいけるが、
どちらかと言えば楽器系との相性がよく、
室内楽からフルオーケストラまで、なんなくこなす。
とにかく繊細で解像度の高い高域は、
眠くなるほど心地いい。
ボーカルものもわるくはないが、やはりヨーロピアンユニットの
性質もあり、WV-00 のような生々しさが出ないのが残念。

最後に。
 今回の作品はなんと言っても、ユニットが優秀。
だからセッティングの幅も多めにとれ、
楽に決める事ができました。
私の好みはやや凸のこもり系、艶めかしさのある音なので、
セッティングではこもりすぎないよう注意してます。
 スピーカーの実力はやはり、
ユニットに大きく依存するのかもしれませんね。
だからと言って箱に入れただけでは、いい音は出ません。
ネットワークも大事なポイントになってきます。

過去の作品に関しては、どれも驚くほど喜ばれており、
今回も自信作なので、きっと良い出会いがあるでしょう。

次回、自作(ユニット)がまだまだあるので未定ですm(_ _)m 
お楽しみに♪
Various Kraft 作品NO,11 VK-Peerless&scan-speak  2012年 (推定・市販されるならペアで12万くらいかな)
メーカー解説:爽やかな高域が特徴的
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:2.5cmデュアル・コンセントリック型 ・低域用:18cmコーン型
再生周波数帯域 40Hz〜40000Hz
インピーダンス
出力音圧 90dB/W/m
クロスオーバー周波数 1.8KHz
外形寸法 幅200×高さ390×奥行290mm 約15L
重量 9kg
●スペックはザックリです。

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