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●さて、前回作った箱は5L。
そして今回は、もっと大きめを作ろうと設計したのだが、
大きさ(デザイン)が中々決まりません。
小さいユニットだからこそ
コンパクトサイズが理想と考えてるので
大きすぎる箱は本意じゃありません。
だからとても悩みました。
そしてようやく決定したのがWバスレフで、
容量は10L。
Wバスレフとしては小さいかもしれないが、
私にとっては、限界ギリギリのサイズ。
今回はお初になる、集成材をチョイスしてみた。
断面がすごく綺麗、だがなんだか軽いですね・・・。 |
●とりあえず仮組、SA/F80AMGを装着してみる。
すると「 すごい重低音 」
軽々と重低音が飛び出すその様は、
さすが王者の貫録がある。
だがあまり実用的じゃないというか
「 ここまでの低音いらないなぁ 」
というのも本音です。
箱が大きくなればなるほど、箱鳴りも徐々強くなり、
どこか不自然と言いますか、
なんか音物っぽくないんですよね。
F80はやはり、
5L程度のバスレフがBESTでしょう。 |
●Wバスレフは、低域を拡大する為の方式。
だが低域と言っても千差万別。
へたしたら、普通にバスレフの方がいい!!
なんてこともざらにある。
だからセッティングは大変で、とても時間がかかります。
色々なソースをターゲットにしてるのだが、
今回は
松田聖子さんが歌う「上を向いて歩こう 」
この曲、ドロンとした重い低域が入ってます。
20cmクラスだと出せるのだが、低音出ないスピーカーだと
そのドロドロ感が再現できません。
そこをいかに再現できるかが、
今回のポイントとなりました。
それにしてもほんといい曲。作った人は天才ですね。
松田聖子さん、いくつになっても綺麗ですしね。 |
●さてさて、仕上げに入ります。
いつものようOIL仕上げだが、今回はWATCO(ワトコ)を
チョイスした。
ワトコはイギリス製のOIL。
ロンドンオリンピックだからと繋げたいところだが
残念ながら関係ない。
他のOIL、オスモやプラネットカラー、匠の塗油・彩速
なんてのもあるんだけど、それらはどれも
トロミがある。
それに比べワトコは一番サラサラしている。
集成材は無垢に近い性質なので、サラサラしてる方が塗りやすい、
それと後々色変えしたいなー
なんて時の応用が効きやすい。
そんな理由で、ワトコをチョイスしました。 |
●OIL研ぎまできちんとやったので
いい雰囲気出てるでしょ。
断面が多いと大変だが、
ツキ板に比べると10倍楽かな。 |
●で完成!! VK-104(イチマルヨン)略してテンフォーと命名。
作品No,10で、高さ40cmということから、テンフォーとしました。
最初に少し書いたが、無駄に大きい箱は好みじゃないのと、
その利点がほんとうにあるのか?と疑問に思っているからです。
俗に言う8cmの重低音は、そのほとんどが箱鳴りを利用した音、
なんかうそっぽく聴こえるんですよね。
私はユニットそのものの音が好きなんで、
重低音が欲しかったら、20cm以上を使えばいいと考えてしまう。
今回のスキャンスピークはちょっと主旨が違うのだが、
低音があまり出ないユニットです。
だが中域が抜群にいいので、なんとか低音を出るようにし
”バランスを整えたい!! ”、そう思って制作しました。
そして低音出すには・・・で、ピンッときたのがWバスレフ。
ただし低音っていっても範囲が広いので、
いかに気持ちいい音を出せるかもポイントになる。
そして肝心の音質だが、結論から言うと「 大成功!! 」
F80やB3Nの低域には一歩譲るが、その出方は良く、
素直で自然、とてもバランスのいい音になりました。
ずっと聴いていたくなる、そんな気持ち良さも出ています。
stereo編集部では、7Lのバスレフが標準仕様だが、
さすが本職、ユニットの特性をよくわかってらっしゃる。
7L、いい塩梅だと思いますよ。
闇雲にでかくても、=いい音とはなりませんからね。
ただ一つ、
なぜフロントポートを採用したのかが、疑問に残ります。
このスキャン、中域に生々しさがあるぶん
わりと凸で、前に出る傾向がある。
フロントポートの場合、その凸がよけい耳につくわけで、
「 な〜んかポートが気になるなァ 」
そう感じた人も多いんじゃないですかね。
だから背面ポートの方が相性が良く、
ボーカルのリアリティも増してくるというわけ。
●最後に。
コンテストに出す場合、まずはデザインから考えるが、
今回は純粋に、「 このユニットで最高の音を聴きたい!! 」
そう思っての制作となりました。
そして音質を最優先させた箱が、この”テンフォー ”です。
自作スピーカーとは本来こういうもので、
コンテストは私にとって、フィルターだったのかもしれませんね。
今回は今までと少し違う、私っぽくない作品かもしれません。
そして初めて使った集成材も、色々と書き綴りたいところだが
一言だけ、”これはスピーカーに向いてない ”
そんな事もわかりました。
オーディオファンにとって、やはりstereo誌の影響は大きく、
そんな祭り事に、毎度胸躍らせてますが
たぶん絶対”最高の音 ”になったでしょう(^^;
とにかく、大型3wayのように構えて聴くのではなく、
TVやパソコン、ラジオなんかでも、てきとーに鳴らしとく、
そんな風に、気軽に使えるスピーカーがいいんじゃないですかね。
結局これを一番使ってる。
が、最高の褒め言葉かもしれません。
次回、またまた自作ですが時間かかるので、
途中にメーカー製を入れるかもしれません。お楽しみに♪
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VK-104(テンフォー) 2012年 |
●メーカー解説:stereo8月号付録、 scan speak(スキャンスピーク) の為に新設計したWバスレフ |
方式 |
1ウェイ・1スピーカー・Wバスレフ方式 |
使用ユニット |
全帯域:10cmフルレンジ・Scan Speak(スキャンスピーク) |
再生周波数帯域 |
60Hz〜20000Hz |
インピーダンス |
8Ω |
出力音圧 |
84dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
無し |
外形寸法 |
幅185×高さ400×奥行250mm 約10L |
重量 |
5kg |
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