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自作No,9の変形バージョン、VK-912R(キューイチニ・アール) 2012年 |
●メーカー解説:実用的なリバーシブルスピーカー。ウォールナットが渋すぎ!! |
方式 |
1ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式 |
使用ユニット |
全帯域:10cmフルレンジ・stereo 8月号 付録 Scan Speak(スキャンスピーク) |
再生周波数帯域 |
60Hz〜20000Hz |
インピーダンス |
8Ω |
出力音圧 |
84dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
無し |
外形寸法 |
幅200(最大)×高さ280×奥行200mm 約5.5L ポート周波数:約60Hz |
重量 |
5kg |
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●2012年7月、お馴染みのstereo誌8月号。
付録が付くようになってから3回目?かな。
今回の付録は、10cmフルレンジ。
キットではなく、完成品というのが
購入の手立てだが(キットはめんどくさい(^^;)
実はこのユニット、スキャンスピーク製。
その名前(ブランド)が、購入の決め手となる。
失礼だが、FOSTEXだったら買わなかったでしょう。
スキャンスピークはデンマークの高級ブランド。
スピーカー初心者の頃は、
「 高け〜ユニットだなー 」なんて思ってました。
そんなブランド品がたったの\3,000円ですから、
買わない手はありません。 |
●さっそく開封します。
これ、近所の本屋で普通に買えました。
後ろに板が見えますが、やる気まんまんですね(笑 |
●説明書きに、この箱
スピーカーBOXとしてご利用ください。
ちょっと苦しいですね。
ペットボトルの方がいい気がします。 |
●横にスライドして取り出します。
第一印象は・・・普通ですかね。
付属品はネジのみ。
3点止めが、インパクトあったりします。
この3点止め、上にするか下にするか悩むんでしょうね。
横にする人はいないと思うが(笑 |
●背面。
大きくstereoの文字が。
それよりもこの穴、ホールピース?
が気になります。 |
●さっそく覗きこんでみると、
貫通してました!!
うっすら見える網網が、センターキャップの裏地。 |
●そして横から見ると、
なんじゃこれ!!
とても凝った作りに、一瞬驚いてしまう。
ダンパーは一般的な凸タイプではなく、
横一枚もの。
大型ウーファーなんかに、たまに採用されてます。
そして黄金色に輝く物体・・・
コイル部にカバー?がしてあるようで、
まさに
「 見せる為の作り 」
付録ユニットなんて珍しいもの、メーカーとしては
初の試みでしょう。
だからたぶん、気合入りすぎたのかな?
私もWV-00という、見せる作品を作ったことあるので、
何となく気持ちがわかります。 |
●フレームはオールプラスチック(樹脂)
簡単にポキッといくものではないが、
BOSEのような高い剛性は感じられない。
あくまでも”コストダウン ”の為だと思う。
本家では考えられないような選択なんでしょう。
エッジはゴム、マグネットはシングルで普通サイズ。
コーンもセンターキャップも同じ素材。
元は布?紙?
それらを樹脂で固めたような感じ。
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●で完成。
こちら私にとってのスタンダートな箱で、
フロントポートのバスレフです(約5L)。
とりあえずはこれに装着、素正をうかがうことに。
エージング無しで、まずは一言
「 う〜ん、想像よりは低音でないなァ〜 」
構造から期待するほどの低音は、出ませんでした。
となりにある HiVi B3N の方が、
俄然気持ちいのいい低音が出る。
だが中域はわりと自然、全体が根暗な感じで好みの音。
フルレンジは鳴らし込みにより音が変るので、
ここではまだ判断できませんね。 |
●こちらは同じ箱に、少し手を加えたもので、
写真は前(左)と後ろ(右)。
最初は台形タイプを考えていたのだが、
作っていくうちにこうなっていく。
こういう形、図面で見るのと実物ではぜんぜん違うので、
その場で臨機応変に変更していきます。
B&WやKEFに見られる逆三角形タイプ。
あれらは音響的にも考えているようだが、
私のはまったく逆で、見た目を考慮しての制作です。
普通の箱、正面から見ると横(側面)が見えにくいですよね。
そんな横っ腹を、”見えやすくしたい!! ”(笑
ただそれだけなんです。
だから逆三タイプではなく正三角タイプ。
結果的に六角形になった、というわけなんです。
何だかマクロスの頭部に見えてくる(笑
●普通箱と比較すると、
音質的な差は、ほとんど無いように感じました。
ただし構造的に、
六角の方は少し低音出るよう、
箱鳴りするよう、仕上げてます。
でも狙い通りじゃなかったので、
のちほど固めていきました。 |
●側を仕上げます。
今回もウォールナット仕上げだが、
3mm厚の板を使い仕上げました。
一般的なツキ板は0.3mm〜0.5mmですから、
3mmとなれば、
もうツキ板とは呼べないほどの厚みですね。
施工も大変でした。 |
●大変な分、
深みある、いい雰囲気になりました。
たかが3mmと言えど、OILの吸い込みかたからして、
ツキ板とは違いますね。
無垢板に近いノリです。
ただし、表面の凸凹、割れやら、ヒビやら、ささくれやら・・・
そんな部分まで無垢に似ています。 |
●そしてもう一つのギミックがこれ、
ユニットとターミナル(カバー)が同じサイズ、
名前の由来にもなった、リバーシブル(R)なんです。
自作・フルレンジの場合、
同じ箱で色々なユニットが使えるよう、
アダプターなんてものも見られますよね。
ノリはそんな感じ。
前後で反転できるので、
フロントポートか背面ポートかを選べます。
その違いが、わりと大きい
音質の違いを生み出す結果となりました。
この手のギミック、めんどくさそうですよね。
そこで極力簡単にできるよう、爪付きナットを使いました。
構造もシンプル、だれでも簡単にひっくり返せます。 |
●背面はこんな感じ。 |
●なんだか怪しさ万点ですね(笑
これも完全にデザインの為、
シンプル・フラットが狙いの
バナナプラグ専用品。
バナナプラグが無いと使えないないんて、
いかにもハイエンドっぽいでしょ。 |
●左右で前後装着の写真なので、すこし見ずらいかもしれません。
ユニットの位置、バランスも考慮しました。
そして全面ウォールナットは、かなりの重厚・渋すぎかも。
このユニット、パッと鳴らした時、派手さのない根暗な音。
高域は伸びが足りなく、キラキラ感も少ない。
中域はどちらかと言えば、やや凸のこもり系。
だがそんな味付けは、
小口径では出し難い”生々しさ ”が再現できてる。
低域の量感は少なめだが、そんな中域のおかげで
全体的に好印象のユニットでした。
Vifaとよく似ています。
低域は何か出そうな雰囲気はある。
構造上無理してる? 無理させてる?
5千回転しか回らないエンジンを、無理やり回してると言いますか、
そんなフィーリングも感じられました。
ひょっとしたら、エージングで化けるかもしれません。
そんな期待を込め、せっせとエージング
「 化けました! !」悪い方向にね(^^;
どんなユニットでもそうだが、エージングにより中高域が伸びてくる。
これもそうなのだが、極まれに嫌みな癖・ピークが感じられた。
F80AMGもそう。
エージングしない時、鳴らし始めは最高だったのに・・・
そしてやけになり、ガンガン鳴らしていくと、
それら癖も、だいぶマイルドになってきた。
ダンパーが柔らかくなり、低域が出るようになってきたから
とも言えそうです。
総じて。
ヨーロッパトーンを”あえて日本向けに ”したような、
わりとレベルの高いユニットでした。 |
●スタンダート(右)と並べてみた。
六角の方は、板をもう一枚被せての制作なので、
一回り大きいサイズになりました。
形やリバーシブルなどなど、
いかにもコンテストを意識した作りだが、
コンテストには応募しません。
必然的に六角形になったが、台形タイプは昔からの構想、
リバーシブルは、遊び心ですかね。
ただしそのおかげで、一つわかったことがある。
それはこのユニット
「 背面ポートの方がいい!! 」
Q,なぜフロントポートにするのか?
A,それは中低域を、より感じやすくするため。
小口径ユニットでは、効果的だと思ってるから。
だがこのユニット、俄然背面がいい。
なぜなのか!? その辺りもふまえ、次回に持ち越します。
最後に。
一つ気になったことだが、stereo誌を読んでみると、
何やら「 中・高域よりの比重 」との感想がちらほらある。
ん!? 何かだいぶ違うな・・・。
環境やエージングの差かもしれません。
そして改めて色々な作品(本誌)をみると、
なんだかデザインに凝った作品が多い気がした。
自作だから、そんなもんなのかな。
ということで次回、
このユニットの為、「 音質の為 」だけにこだわった
箱の制作と、完全インプレッションをおこないます。
ユニットの特性を見極め、音の為だけに作る箱、
実は初めてかもしれません・・・お楽しみに♪ |
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