●1994年に発売されたハイエンド機種、ダイヤトーン DS-A3 がヴァリアスクラフトに登場です! U
(最後に動画を載せたので、ページが一瞬カクンとしたりします) |
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●高いだけあってしっかりした作りですね〜 |
●木材の使い方も洒落てますね〜 |
●あれっ、後ろの角が丸くなって・・・
最初にパッと見たとき
「 え!?潰れてる? 」と思ったほど驚きました。
最近は配送事故が多いですからね。
仕様のようで一安心です。 |
●まずはエッジがカチカチなのでウーファーを外し軟化処理を施します。これをやらないと先に進めません。
おそらく1996年くらいまでは固まるダンプ材が使われており、1997年〜は固まりにくいダンプ材が使われたと考えられますが、いずれにせよ97以降でも十分固く、逆に落とすのが大変な素材になってしまいます。
そしてA3も案の定、カチカチでした。
高級機種のせいか?A7に比べると、倍ほどの量のダンプ材が塗られていました。
量が多いので、その半分以上は下側に垂れ落ちて固まってます。だから取り除くのはもちろん、均等にするのが難しく、時間もけっこうかかりました。
表面に塗る軟化剤だけでは不十分でしょう。
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●次はツィーターを外します。
この表面に貼られている人口皮?を剥がすと |
●ネジが出てきます。
A7と同じです。
ただこちらはフレームが黒で塗装されてます。
マスキングしないと塗装がすぐに剥がれるので注意。
ユニットが外れたら中央にある黒いネジを外し、接着されたプラフレームを剥がすとコイルが出てきます。
サビは無く綺麗な状態でした。
軽くクリーニングした後、コイルにオイルを塗りまた元に戻します。
エッジを処理する場合は表面のフェルトを剥がしますが、裏側からも処理できます。
ダイヤトーンはコーンツィーターが多いので、ツィーターもしっかり処理して初めてポテンシャルが100%発揮できる、ユニット本来の音が出るようになります。 |
●ユニットのO/Hが終わり、一度本体に取り付け
慣らしがてらに音出しします。
こちら
その後1週間くらい鳴らしこみを続け、音の表情を見極めたのちチューニングに入ります。 |
●エッジが×のものは、一度ユニットをやってから再度組み直しまたばらすという手間がかかりますが、より良い音質を得るためには致し方ありません。
そんな工程を経て、最後にチューニングに入ります。
今度はユニットの他に、外せる部品は全部外します。 |
●A3は背面が外せるようになってるので、それも外します。
それにしてもネジの量が多いですね。 |
●ネジを全部外すと背面板が外せます。
背面板は分厚い1等合板でした。 |
●接着されていないのでパカッと外れます。
ネットワークは本体横にネジ止めされてるので
最初に外しておきます。 |
●大きいコンデンサーですね。
単2電池くらいでしょうか。
構成は12dB/octでシンプルです。 |
●太いケーブルが使われてました。
たぶん今まで見た国産では一番太いと思われます。
(YAMAHAのチューンドケーブルは別として) |
●背面はH型に作られてました。
A7と同じ四角いダクトには、鳴き防止のために鉄プレートが貼られてました。 |
●部品が空になったら箱の補修に入ります。
まずはこれ
幅1cmくらいの凹んだ傷、いわゆる打痕というやつで
修正が難しいタイプです。
このままパテでフラットにしても色差が目立つので |
●車の板金と同じよう、まずはできる限り形を修復させます。
こういう凹みの場合、まずは木目にそってカッターで切り込みを入れます。
その後ぬるま湯を付け放置。
それを根気よく続けると
←ここまで回復しました。
木は水につけると膨らむ習性を利用してます。
残った細い凹みだけパテで埋めフラットにします。
やや傷跡は残りますが、かなり目立たなくなりました。
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●ここにも何やら凹みが |
●けっこう深い傷で、ロウで補修されてました。
わりと目立たないようになってましたが、
補修するさいは一度このロウを取り除くので
できれば何もしてないほうが補修しやすいです。 |
●ロウを取るのに手間取りました。
その後パテで成型し、表面にツキ板を貼ります。
ツキ板で補修する場合、通常は四角などの直線でカットするのですが、より目立たぬよう元のギザギザに合わせて修正しました。これもテクニックが必要です。 |
●完全に固まったら表面をフラットに均し、塗装で仕上げます。
だいぶ目立たなくなりましたね。
塩ビではなくツキ板ならではの補修方法です。 |
●最後は全体を磨いて完成
色の薄い所はたぶん無垢(角材)で、補修するのがさらに難しくなりますが、ほぼノーダメージでよかったです。
元々ウレタン艶消し仕上げで、傷が深くてステイン層まで削ると、色をのせるのが難しくなりますが、
表面は丁寧に磨いてやると、ほんのりとした艶が出てより高級感が増してきます。
箱の仕上げは、毎回道具とテクをフル活用して挑んでおります。 |
●さて、最後のネットワークを仕上げます。
使う部品はこちら。
コイルとケーブルはオリジナルを使いたいので、
コンデンサーと抵抗を交換します。
コンデンサーは丁寧に銅箔を巻き、シールドします。 |
●後ろの純正コンデンサー、大きいですね。
ただJantzenはさらに一回り大きかったです。
抵抗も3倍の大きさになったので、どう取り付けるか悩みます。 |
●そして完成。
クロスオーバー、コンデンサーの容量もめちゃくちゃ悩みましたが、純正と同じにしました。
ただ純正は誤差が大きいので、若干低くなったと言ったところです。
抵抗は純正と同じ容量が無かったので、こちらも悩みましたが、オーナー様の希望に近い方向性で仕上げました。
ツィーターが約0.8〜1dBほどアップです。 |
●配線は酸化しないよう全て覆い、
振動に負けぬようしっかり取り付けていきます。
そして完成したネットワークを取り付け
最後にユニットを装着し |
●祝!完成!
いかがでしょうか。
最初に比べるとかなり見違えました。 |
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●参考程度になりますが。
デジカメの高さはツィーターの同軸線上で
距離は約2.5m、ズームで撮ってます。
距離が近い方が臨場感が上がりますが、
あえて離して個々の実力を試しています。
ほんとは左右をもっと、倍以上離したいのですが
スペースの関係上このくらになってます。 |
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●ついでにフルチューンしたDS-500も
これだけでは分かりませんが、ノーマルとは別次元です。
CDは歌姫~BEST女性ヴォーカリスト~のNo1、No18で
その他の曲も試聴できます。
「 歌姫~BEST女性ヴォーカリスト~ 」
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●↑はデジカメ録音であまり参考にはなりませんが、フィーリングが感じ取れれば幸いです。
DS-A3、ダイヤトーンこだわりのボーカルサウンドが健在で、
他のダイヤ機種よりも、ややリアルなのが印象的でした。
2015年も残りあと1日ですが、みなさまにとってはどんな年でしたか?
私はいつも通りでしたが、しいて上げるなら「 革変の年 」だったでしょうか。
ただ奇門遁甲では1年の終わりは2月末までなので、まだ気が抜けないところもあります(^^;
さて、2016年のヴァリアスクラフトはどうなっていくのでしょう。
毎年「 ここらで終わりかな 」なんて思いながらも続けていけたのは、
「 熱いファンの方々のおかげ 」だと思っております。
2015年も沢山の方々に支えられてきました。
その気持ちは大切に大切に心にしまってあります。
みなさま、ありがとうございます
まだまだ未熟なところが沢山ありますが、これからもよろしくお願い致しますm(_ _)m
ヴァリアスクラフト 窪田
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DIATONE DS-A3 1994年 1台 180,000円 |
●メーカー解説: |
方式 |
2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式 |
使用ユニット |
高域用:4cmドーム型 ・低域用:16cmコーン型 |
再生周波数帯域 |
35Hz〜40000Hz |
インピーダンス |
6Ω |
出力音圧 |
85dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
1.5kHz |
外形寸法 |
幅285×高さ520×奥行320mm 約L |
重量 |
12kg |
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