●お盆を過ぎるといっきに涼しくなりますが、
体調が崩れやすいのでお気をつけください。

 さて、最近JBLを多く手がけているせいか、質問や問い合わせが多くなってます。 
そこで今回は、特に多い「
ネットワークチューン 」についてまとめてみました。 
●こちらは先日完成した4301Bで
 ネットワークをフルチューンしたものです。 
●ネットワークはこれ

←左がノーマルで右がチューン後
●ケーブルはノイズに強い自作型。
ツィーターとウーファーの独立配線ですべて直結に。 
コンデンサーの数を増やし、パーツの配置を適正位置に。 
振動にもへこたれない取り付けなど、こだわりのあるものですが

今回言いたいのは
 「
コンデンサーの容量 」についてです。

●その前に、過去の作品をご覧ください。

これは珍しいFOSTEXのユニットを使った自作スピーカー。
ユニットのフレームは塗装しました。 
箱は形にこだわったもので、今はもう作れなそうです。
●こちらはパイオニア・エクスクルーシブのミニチュア版
小さい分ホーンの造形が難しかったです。 

ネットワークもこだわってます。
●こちらはJBLの20cmウーファー116Aと
ホーンツィーターST350を使った自作スピーカー。 
積層箱やデザインにも凝った一品です。 

もちろんネットワークもこだわってます。
●こちらはホーンツィーターにST400を使った自作スピーカー。軽にV8エンジンを!などと語ったものです(^^; 

もちろんネットワークにもこだわってます。
●こちらは少し懐かしいダイヤモンドシリーズ

←でわかるよう
ギミック入りネットワークでこだわってます。 
これらはほんの一例です。
 
●こちらも懐かしいONKYO M55のネットワーク

クロスオーバーを変更する切り替えスイッチ付きで 
内容もこだわったものです。
 
●こちらは最近手がけた10Mスタジオ
●もちろんネットワークもこだわってます。
●そして5年前に手がけたYAMAHAの1000M

過去最高にこだわった作品です。
●背圧を考えた取り付け位置。
●良質な部品を使いました。
●バスレフ⇔密閉
と簡単に切り替えられるようしました。 
●そして最大の特徴がこのギミック。
クロスオーバーを変化させるものです。 

位置の決められたチャンデバが付いたと言ったところでしょうか。
今でもオーナー様に可愛がられており、活躍中のセンモ二です。
●そして今回のテーマがこれ
 「
JBLネットワーク 」です。

特に問題なのがコンデンサー。 
海外製品や古い機種にはよくあるのですが、 
コンデンサーの数値が印刷された数値に比べ 
 「
だいぶ違います

これは毎回容量を記録し、30個の平均値から出した答えです。1個2個を計った数値では、こんな事は書けません。 
ボーカルの定位

ツィーターだけならここまで変わりませんが 
ツィーターとウーファーの両方だと 
たとえ1.0u程度でも 
 「 フィーリングがガラッと変わってしまいます 」 







←コンデンサーだけでこうなります。 
これはグレードUPと言うより、 
ボーカルのさ行を調整したり、癖を消したりするような 
クロス位置を変更した 」チューニングです。 




です。 
JBLはわりと良いコンデンサー使ってるので 
適当に交換するくらいなら「 換えない方がいい 」 

コンデンサーを交換したものが 
 ほんとに良い音出てると思ってますか? 
●そんなヴァリアスクラフトが手がけたスピーカー
 ぜひ一度聴いてみてください♪
 
●最近JBLを多く扱っていることもあり、問い合わせも非常に多くなってきました。
私も市場を観察すると、JBLのスピーカーをチューニングされている方も多いようです。 

そこで、私が今まで経験した事を元にしたチューニング理論を 
まずはもう一度再確認してもらいたいと思いました。 

 チューニングによりボーカルの質が変わるシビアな2wayでは 
コンデンサーの数値が1uF変わるだけで、音質も大きく変わってしまいます。 
自作スピーカーを経験された人は解ると思いますが、よくあるのが 
ウーファーはスルーで、ツィーターを2.2uFや3.3uF、4.7uFにしようかなどと悩んだことがあるはず。 
その違いだけでも、ボーカルのフィーリングがぜんぜん違ってきます。 

 メーカーの開発者も、コンデンサーに表記された数値ではなく「
実測値 」で 
セッティングしてますから、7.0uFと書いてあるから6.8uFのコンデンサーを使うという安易な事は 
とてもじゃないが怖くてできません。無知は怖いもの知らずと言ったところでしょうか。 

チューニングとは 
 「
ボーカルをもっとクリアーにしたい 」 
 「
ボーカルをもっと前に出したい、引っ込めたい 」 
 「
全体をもっと広がるようにしたい、解像度を上げたい 」 
 「
うるささを消したい、心地よくしたい 」 
なんて理由が多いです。 

 私は音を聴いただけで、クロス値(コンデンサー値)をどう変化さるかが
瞬時に頭に浮かんできます。 
TWを上にWFを上に、TWを下にWFを下に 
TWを上にWFを下に、TWを下にWFを上になどなど。 
さらにユニット自体の特性、ツィータードームの素材、 
アッテネーターの有る無し、ウーファーの口径などなど 
それぞれに違いがあり、一つひとつに合う相性を見つけてやらなくてはなりません。 
それら全てが上手くいくと「
心地いいスピーカー 」に変わります。 

 例えばクルマのチューニングでマフラーだけ変えても意味がありません。 
マフラーを変えるなら吸気も変え、さらにコンピューターの 
セッティングも変える必要があります。 
速くなると今度はブレーキや足回りを強化したい、良いタイヤに変えたい! 
それらのバランスが整うと、体感的にも満足いく車に変わります。 

 スピーカーも最後は「
バランスが大事 」なんです。 
せっかく今バランスを維持してるのに、コンデンサーの容量を知らずに変えてしまうと 
バランスも変わってしまいます。 
コンデンサーの容量を変えるのは「
クロス値を変える 」ことであり 
意図的にフィーリングを変えたい時におこなうチューニングです。 


最後に。
 最近JBLを多くこなしていき、JBLの弱点がまざまざと見えはじめてきました。 
そんな弱点を克服した「
最高のJBL 」をお届けしたい一心で書きました。 

 チューニングは好みでもあるので、どれが正解とは一概に言えませんが、 
やはり良い音には共通するものがあり、それを見極めるのがチューナーの仕事 
ネットワークチューンになります。 

 今回もストレートに強気に書いてしまいました(^^; 
まぁ正直者は馬鹿を見るじゃないですが、  
何も説明せずにたんたんと売ってる方が、商売には向いてるのかもしれませんね。 

JBLは根本的にユニットが素晴らしいので、 
チューニングすればするほど良くなるし、答えてもくれます。 
そんなJBLですが、只今製作中「
至高の4311 」が大詰めに入っております。 
 「
そんな手あったのか! 」 
なんてきっと思える出来ですので、もう暫くお待ちください。お楽しみに♪ 


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