今回は40年以上続く43シリーズの中から、現行機種4312Eの原型となった「 4312D 」の紹介です。

 JBLの43シリーズは4310に始まり、4311、4312とモデルチェンジし現行の4312Eへと続いてます。 U
伝統のディメンションを継承したキャビネットが最大の特徴であり、人気の高いスピーカーです。 U
数の多さに加え種類も多く、ぱっと全てを思い浮かべられないほどです。 U
そんな中、この”4312D ”は約10年前の2005年頃から5年ほど発売していたモデルになります。 U
マグネットにネオジュームが採用されたりなど、ユニットの趣が変わった最初のモデルです。 U
現行の4312EはこのDを引き継いだモデルですので、私はこちらのDが気になっておりました。 U

 実は現在、4310と4312SX、4312Eを除く、ほぼ全てのモデルを在庫しておりまして、 U
ほんとは4312の初期モデルから、発売順に紹介したいと考えておりました。 U
ですが部屋が手狭で全てを開封できず、手前から順に仕上げているという理由で4312Dになりました。 U
そんな4312Dですが、今回はかっこよくカスタムしてみたいと思います!どうぞご覧ください。 U 
●メーカーの思考や傾向を感じるには発売順がいいかと思いますが、古いスピーカーは状態によりまったく出音が変わってくるので、一概に参考にはなりません。
逆に4312Dは新モデルと同等なので、先にフィーリングを感じるのも勉強になりそうです。

そんな4312Dですが、新しいものでも5年は経ってるので、ひととをりのメンテナンスは必要になりそうです。

←今回入手した4312Dはいつの物かわかりません。
見た目でいいますと中の上くらいでしょうか。
新品のように綺麗な雰囲気はありませんでした。
●ユニットはわりと綺麗です。
4311を見慣れてる方にとって、大きな違いはツィーターですよね。
4312A以降はこんなタイプなので、ぱっと見く区別がつきます。
箱も形も構成も、ざっくりいくと40年変わってませんが、よくよく見るとドームやコーンの材質など、だいぶ変わっているようです。
同じというのは逆にありえませんが、
ただ、新しい=音が良いとは限りませんが、
新しいものは動きがスムーズなのが長所で、レスポンス良く反応してくれます。
●外装はこんな感じ。
これ何と言えばいいのでしょうか。
最初に見たとき「まるでギターアンプみたい」
というのが第一印象です。

43シリーズは大きく分けてウォールナットと黒、グレーの3種ですが、黒はこれと木目調で2種でしょうか。
サイドに書かれたJBLマークは全て塗装でした。
そしてこれ←は表面の凸凹に馴染むよう、柔らかい塗装を使っているようで、汚れが付きやすい感じです。
素材のせいか、4312Aのマークよりだいぶ黄ばんでいたので、洗剤をつけて軽く拭くと
なんと「マークが剥がれてきました(TT)」
Aは大丈夫でしたが、この凸凹タイプは注意が必要です。
●気をとりなおしてユニットを外していきます。
●年式が新しいので、さらっと外れてくれました。
内部もずいぶん綺麗です。
内部に入れられた吸音材は変わらずのグラスウールですが、表面をカバーしてる布が黒なので、なんだか新鮮な感じですね。
●内部を確認していくと、MIDカバーも変わってました。
4312の初期モデルまではボイド管のような紙筒になり、4312A以降はこのような凸凹した素材の物に変わりました。
一見植木鉢のカバー?のような感じですが、材質はたぶん紙で、厚めに頑丈に作られてます。
何かこういう型があったのですかね。
しっかり作られているので、鳴きの心配はなさそうです。
ネットワークも4312Aからの名残あるものです。

というか、4312Aが一つの分岐モデルという印象なので
先に紹介するべきでしたね(^^;
●ウーファー
4310からほぼ変わらない伝統のウーファー。
厳密には進化してるのでしょうが、見た目はほぼ変わらずと言ったところですね。
若干エッジが乾き気味ですが、これくらいだとメンテナンスも容易です。
●でひっくり返してみると!
なんでしょうこの形は!
まるで昔のSFに出てきそうな宇宙船かと思いました。

最初にウーファーを外した時
 「ん?なんだこの形?」
という違和感があり、物を見たときは驚きました。
マグネットが軽いせいか、全体の重みは2213Hの比ではありませんが、頑丈に作られておりビクともしません。
●強力なネオジューム・マグネットやエアロ・ダイナミック・フレームなど最新設計を取り入れ、より優れた応答性と低歪化を果たしたハイテク・ウーファー
というのがメーカーの説明です。
●ターミナルも上品な金メッキが使われており、
フレームの塗装もしっかり仕上げられてます。
●型番は2213Nd
エッジは若干の乾きが見られますが、
ダンパーの動きは問題ありませんでした。
新しさが伝わってくるウーファーでした。
●続いてこちらはMID・スコーカーになります。
型番は105H
裏も表も形は、40年ほぼ変わっていないようです。
コーンの素材は紙で、上から何かでコーティングされてます。
わりとしっかりコーティングされており、ほこりを軽く拭き取っても、しっかりした手触り感がありました。

エッジにはダンプ剤が塗られており、若干固めですが
動きは問題なさそうです。
●マグネットはずっと変わらないもので、安堵感すら出るほどです。
ダンパーもいい状態を保ってます。
逆に一度フルレンジで、がんがんに鳴らしてやりたいくらいですね。
●ツィーター
型番は054Ti
ドームはチタンのようですね。
うっかりさわったり、適当に拭くと”ペコッ”といってしまう素材です。
4312Aのような複雑模様のドームとは違い、一般的な○ドームです。
音響レンズが装着されてるのが拘りでしょうか。
フレームはプラスチック樹脂です。
●裏
なんだか画的にあまり見せたくない感じ、ちっちゃーいマグネットが付いてます。
ただネオジュームなので、動作的には強力なのでしょう。
こういうタイプは接着で付いてるので、ドームやコイルをチェックするにも外すのに苦労します。
で気になったのが端子の黒ずみ。
MIDやウーファーは大丈夫だったので、素材の問題でしょうか。オークションなどで、まれに”音出無い ”をみかけますが、このせいかもしれませんね。
それほどくすんでました。
リード線も切れそうでおっかない。
裸で鳴らすと今時のツィーター音で、4311や4301のLE25とはフィーリングがだいぶ違いました。

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