●ヴァリアスクラフトのスピーカーメンテナンスは、今回からシーズン10に入ります\(^0^)/ U
 1で20台紹介してるので、今回の10は181台目からになります。 
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実際かぶってるものや依頼を含めると400台以上は触ってきたでしょうか。 U
もう業者の勢いですよね(業者はもっと多いのかな) U
 そんなところですが、200台目に向け進んで行きたいと思いますので U
今後ともヴァリアスクラフトをよろしくお願いしますm(_ _)m
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シーズン10、記念の第一回目は、たぶん超激レアスピーカー U
          「
KEF 103.2 」 の紹介です。
●以前KEFの104は取り上げておりますが、103はその弟分でしょうか?ネット上でも資料が少なく、詳しい詳細はわかりません。
KEF104は密閉+ドロンコーン方式という今でも印象に残るスピーカーでした。
珍しい構造はもちろん、その出音は抜群に良いもので、お気に入りのソースをとっかえひっかえ楽しんだものです。
とにかく解像度が高く、衝撃的なスピーカーでした。

 そんな私の中のBEST5に入るKEF104の弟分?KEF103が目の前にあるだけで胸躍ります。
103.2の.2ということはただの103もあるのですかね?
わからない事だらけのスタートですが、さっそく始めていきましょう。
●箱から出してみると、外装は色焼けをおこし、傷や欠けなど所々にダメージが見られます。
1980年という年式を考えると、まだマシなほうでしょう。
もっとボロボロ、特にアメリカ製なんかはやばいのありますからね。

ツィーター、ウーファー共に出力は問題無し。
逆にゴムエッジの状態は良く、関心するほどです。
●概観のチェックがてら、まず目に飛び込んできたのがこれ。
このランプはいったい?
年代を考えるとLEDではないですよね。
パイロットランプ?
ランプがポツンと装着されたスピーカーは始めてです。
たぶんオーバーレブを警告するようなものですかね。
このシンプルさが逆に不思議さを醸し出してます。
●さっそくバラします。
ユニットは+ネジ&ナット仕様です。
年代物のナット仕様は多少気をつかいますが、空回りせずにすんなり回ってくれれば楽なものです。
●アメリカ製のようボンドをたっぷり使った物ではないので、ユニットの固着もなくすんなり外れました。
●箱の素材はパーチクルボード。
内側全面にスポンジが敷き詰められている。
しかもこの厚さ(スポンジ)
完全にヨーロピアンの特徴そのものですね。
スポンジは弾力もまだまだ十分で、機能性も問題なさそうです。
●補強はコの字型のしっかりした物が付いており、厚みや取り付け場所など、ツボを押さえた作りになっている。
箱の特性を良くしっている、まさにプロの仕事です。

ヨーロピアンモデルの中には、箱の内側にごっついダンプ剤的な物は貼ってあるものもあるのだが、これには無いようです。
●本体の底はこんな感じになってます。
ちょっとした飾り台のノリですねよね。
これ持つ時手を入れやすいし、床と本体が離れて見えるなど、デザイン性にも優れてると感じるほどでした。
自作箱を作る時には参考にしたいものです。

そんな底部分、よく見ると4ヶ所にネジ止めがありました。
●スポンジをずらし、内側から覗いてみると
ネットワークがありました!

なんと緻密な作りのネットワークでしょう。
パッと見ただけでもその実力、ネットワークの恩恵が伝わってくるほどです。
●さっそくネットワークを外します。
まずは配線。
こんなコネクター方式になってました。
昔のSONYみたいですね。

頻繁に外してメンテナンスするものではないが、外すのは簡単でした。
あとは四つ角のナットを外せは、ネットワークが外れます。
●こちらはターミナル。
凄いのが付いてる!と思ったらオーナー様が付け替えたようです。
アルミプレートに綺麗に取り付けられていたので、純正かと思えるほどでした。
そんなごっついターミナルも外します。

外側より内側のほうが少し多めに酸化してるのは、密閉ならではのものですね。
● 1辺20cmほどで重みのあるネットワークが、ドスンと外れました。
部品の量もさることながら、そのセッティングの緻密な事。
このネットワークに普通のユニット付けただけで良い音になるほどのネットワークで、お手本のような作りです。
すごいですね〜。見てるだけ勉強になります。

コンデンサーは全て正常値でした。
スピーカーの場合、コンデンサーが経年劣化で飛ぶような事はほとんどありません。
異常のあるコンデンサーがあったものは、サビによる劣化の原因がほとんどです。
特に密閉はサビが出やすいので、入念なチェックが必要になります。
●これこれ
プロテクション サーキット デバイディング
でいいのかな?
用はユニットが飛ばないようにしてくれるものですよね?
いきない大パワーかけたらどうなるんだろ(^^;
PA的な考え方ですが、内面はとても緻密なもので、その組み合わせにギャップ萌えってところでしょうか(笑

配線や抵抗に少しサビが出てたのでサビを落とし、ハンダを全部盛りなおします。
ハンダは見た目に問題なく、傷や外傷がまったく無いのに音が出ない(通電しない)、なんて事もありますので、特に古い物はやっておくと安心できます。
●ランプ、グリルホルダー、ネームプレートなど
箱に付いてる部品を全部外します。

精巧なパーツでしっかりと付いており、外すのが少し大変でした。
●最後に内部のスポンジを全部外し、箱の解体の完了です。
箱の内側に粋な落書きはありませんでした(笑
アメリカ製はたまにあるんですけどね。
ビクトリーとかネズミランドの絵とか(笑
スポンジは水洗いできそうなので、洗ったあと陰干しときます。


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