●リクエストにお答えして再登場!YAMAHA NS-10M Newチューンド・バージョン
●しばらく自作が続き、その後メーカー製レビューJBL祭りを始めた頃から、ちょろちょろ問い合わせやリクエストのあった
YAMAHAのNS-10M、通称テンモニ、愛称はビックベン。

意外にもMTとMXのチューニング依頼が多い中、とりあえず10Mを再起動させようと奮闘してみます。
過去の自分のページを読み返しながら、音のフィーリングを思い出していきました。
そして今回、どうせやるならとクロスオーバーを変更させ、音の傾向を変える「
フルチューン 」に挑みます。
 題してテンモニNewチューンドバージョン

←用意した素材は10M STUDIO
STUDIOのフィーリングを真似て越える、スタジオ越えの始まりです。
●まずは両者を聞き込み、STUDIOのフィーリングを耳に焼き付けます。
次に10Mの分解に入ります。
ユニットは全て+ネジ止めなので簡単に外れます。
ですが極々まれにウーファーのネジが空回りすることがあるので、それを意識しながら外します。

そしてツィーターを外したところ・・・・
ケーブルがダブル・・・何だこれ?
これシリアルが30万番台なので比較的新しい。
もしかしたらYAMAHAならやりそうなメーカー製チューンか!
なんて一瞬思ったが、雑すぎる処理をみて自作だなと思う。
●ウーファーを外しました。
やはり何かいじられてます。
ただしネットワークは無傷なので安心しました。
ツィーターの音色を変えようと、試行錯誤したんでしょうね

 わかりますわかります

でも10Mの場合、ツィーターの能率を落としただけじゃダメなんですけどね。
それと今回複数の10Mを一気にチューニングしてるので、写真が2、3する場合があるのでご了承ください。
●10Mは今でも人気のある機種で、ノーマルはもちろん、チューニングされたものも多数出回ってます。

そこで、私なりチェック方法ですが、まずは写真のようツィーターにライトをあて、ドームを確認します。
●網が黒なのでパッと見綺麗に見えるが、よくよく見ると意外に汚れてます。
←拡大
●これはクリーニング前と後。
こうして比べると一目瞭然ですね。
なぜこれが重要かと言うと、10Mは密閉型なので、ユニットのダメージ、特に錆びに関してはバスレフより何倍も大きいです。

ユニットを分解すると錆びが多く、特に10万番台のものは酷いものもある。そんなツィーターは分解してクリーニング、錆びの処理をするだけで「
音色が変わります
まぁそれがオーバーホールというやつですね。
それが10Mをチューニングする上で、大前提のメンテナンスです。
●分解は比較的楽にできるのだが、その前に鉄の網を外さなくてはなりません。
これがしっかり止まっているので、シンナー等を使わないと綺麗に外せません。
網を外すのにシンナーを使えば簡単です。
だがシンナーを使うと、樹脂でできた本体に浸透しシミになり、余計な仕事が増えてしまいます。そんなせいか、
私が見てきた10Mは99%外された形跡はありません。
それも問題

大げさな文面の10Mも多く出回ってますが、一番肝心な所は手抜きだったりします。
チューンは部品の交換だけではなく、トータルケアをして初めて真価が発揮できます。
●さて、ツィーターのオーバーホールも終わり次に味付けをおこないます。
10MシリーズはPro、STUDIO、MX、MTとあるが、10M以外は全てフェルトが施されてます。
これは高域の反射を抑え、音を落ち着かせる効果がある。
短所はエネルギー感が落ちると言ったところでしょうか。

よく「 うるさい 」と感じる音に効果があると思われがちですが、実はうるさいのはツィーターではなく「 ウーファーからの音 」が原因なんです。
だからツィーターを抑えても、うるさいは直りません。

●今回のチューニングは、ツィーターの能率を落とすのではなく、ネットワークのクロス値を変更することで、ウーファーからの
うるさいを減少 」させる事が目的です。
同時にツィーターのシャリシャリ感を少し低減させる、落ち着かせるためにこのフェルト処理が必要になってきます。

 10Mは何度かチューニングしてるので、今回はNewバージョンということで差別化をはかり、ウーファーと同じ
 「
」にしてみました。
たぶん他にはないフィーリングで、、VKチューンだと一目瞭然になりそうです。
もちろん白は何年かすれば必ず汚れます。その時は再メンテしやすいよう、網の接着を赤線部分のみにしました。鉄網は接着剤が無くてもマグネットの力で十分止まります。だから部分的な接着でも問題ありません。
それと接着は水性なので、水をたらして暫くおけば外れやすくなる(シンナーいらず)とういうメリットもあります。

●続いてウーファー。
こちらは状態によりけりで、やばければ分解して錆び止め処理をおこないます。そしてやはりウーファーで肝となるのは
 「
エッジ 」でしょう。
 10Mは布エッジで柔らかく、音質の影響はそれほどありません。
だがエッジは少しカサカサ・パキパキといった感じなので、しなやかさを復活させてやると、自然に伸びる音に変わります。
←左は何もしていない状態で、右が処理後。
車で言う5段ATが7段ATに変わった感じです。

 最後はコーンのクリーニング。たまに塗りたくってるものを見かけますが、このウーファーにそれは致命傷になる。だからできるだけ塗りたくない。でも綺麗にしたい。
そこで考えたのが「
漂白 」です。漂白をすれば質量を変えずに綺麗になります。ただし施工が難しく、ムラにもなるので、その部分だけを極薄で塗装します。これで塗ってないのとほぼ同じ、音離れも悪くなりません。
 それとこのウーファー(特に密閉の場合)でもう一つ重要なのがマグネットの再接着&補強になる。配送の振動でマグネットがずれた!なんてこともありえるので、私は特に重点をおいてます。

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