●2013年12月21日 今回ご紹介するスピーカーは、私が過去200台以上扱ってきた中でも
1、2を争うほどの”激レア ”「 SONY SS-5GX 」です!!
スペック表↓書いていて気付いたのだが、これ1978年、70年代のスピーカーだったのですね!!
ぱっと見90年代中期頃の作品だと思ってたので超驚きです。
加えて構造が特殊なこのスピーカー、いったいどんな音色を奏でるのか!? さっそくいってみましょう!! |
SONY SS-5GX 1978年 1台 \3,2000円 |
●メーカー解説:Gシリーズと同じポリシーを継承したコンパクトスピーカーシステム。
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方式 |
2ウェイ・2スピーカー・密閉方式 |
使用ユニット |
高域用:2.5cmドーム型 ・低域用:13cmコーン型 |
再生周波数帯域 |
55Hz〜20000Hz |
インピーダンス |
8Ω |
出力音圧 |
86dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
1.5KHz |
外形寸法 |
幅160×高さ236×奥行212mm 約5L |
重量 |
3.8kg |
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●さっそく素の状態で鳴らしてみる。
まずは一言
「 やさしい、そして深みのある音色だ 」
写真では感じにくいと思うが、手にすると驚くほどのコンパクトBody。 i
サイズはSS-X100と近いので、音質の比較でも役立ちそうです。 i
最初に感心したのは低域。 i
密閉の恩恵か解像度も高く、いつまでも聴いていたくなるような心地よさがある。 i
このサイズでこれだけ深みがあると、思わず「 やるなSONY!! 」とうなずくほどです。 i
高域はSS-X100のリボンほど清涼感、サラサラ感はないものの、 i
ソフトドームらしい適度な厚みと優しさがある。 i
ほんの少し前に出るボーカルは、輪郭が綺麗に整っており i
ネットワークがしっかり調整されたものだと推測できる。 i
総じて。 i
見た目は90年代の風貌だが、音質は優秀な70年代を、しっかりと感じさせてくれる存在でした。 i
特に声質はすこぶる良く、70年代のダイヤトーンを彷彿させるものがある。 i
人気のGシリーズを見事継承してると、自身を持って言えるスピーカーでしょう。 i
さて、今回のSS-5GXのチューニングメニューだが「 フルコース 」で仕上げる予定です。 i
とはいえ、もう30年前のしろものであり、かつ恐怖の匂いがプンプンする密閉方式。 i
正直、ところどころに不安もよぎる。そして想像以上に・・・・。 i
3ページにわたる長編になりました、気長にご覧ください。 i |
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←これが元、ノーマル状態。
背面
な、なんだこのヒートシンクは!!
アクティブ(アンプ付き)か?
でもコントローラーがない?
手にした時はそんな???な印象でした。
ターミナルだけは古さを感じますね。
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●さっそくWEBで調べてみる。
そしてカットモデルの写真を見つけたのだが
←なんだこれは!?
解説文を読んでみると、なになに?
長時間鳴らしてるとウーファーがどんどん熱くなる。
だからそれを防ぐためにヒートシンクを取り付けたというわけ(略)。
パソコンじゃん!!(笑
でも1978年ってパソコンあったのか?
今時の言葉で言うと、歪を抑える感じかな。
高級ユニットには素材に銅を使ったり
熱を逃がすような構造もありますし。
と に か く 摩訶不思議な構造であり、
ある意味ソニーらしい、ソニーにしかできない、
そんな思いがよぎってきました。
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●さて、構造がわかったところで分解に入ります。
まずは目に見えるネジを全部外していく。
これは鉄ネットを押さえてる鉄フレームで、
イモネジで留められている。
イモネジ見るのは何年ぶりか?
過去に扱ったスピーカーでは無いと思う。 |
●フレームとネットは簡単に外れました。
が、ここからが問題です。 |
●ネットは細かい黒網目なので、中身が見えにくい。
外してみると、ところどころに白サビが浮いている。
エッジは少し硬めなので、交換した方がよさそうです。
ユニットのネジは全て鬼眼ナット。
簡単に外れるものと硬いものがあり、
硬いものはたぶん錆びつきが原因でしょう。
ネジが固まってて外れない場合、どうするかもの凄く悩みます。
だいたいはインパクト(電動ドライバー)で
一気にパワーをかけてやると、パキンッと外れます。
だがまれに空回りする事もあり、
危険と隣り合わせの作業なんです。
経験が多い分、この時点からもう、冷や汗もんでした。 |
●さて、固まった3本は見事インパクトで外れました!!
次は背面のネジ、先に全部外すのですが、
矢印のネジを外さないとユニットが外れません。
そしてユニットを外すのだが、
がっちり食いついており、ビクともしない・・・。
ほぼ接着状態でまったく外れない・・・。
参りました(TT) |
●一息ついた後、
心を鬼にし、強引にこじあけました(^^;
*このスピーカーをお持ちの方は、
やらないでください。確実に壊します。
さて、ツィーターが外れたところで中身を確認します。
吸音材(綿)は全部取りだしました。
矢印部分
ウーファーがヒートシンクと繋がってます。 |
●ウーファーも強引に外し、ようやく全貌のお披露目です。
いったいこれは何だ?
これだけ見るとそんな感じですよね。
そして想像通りの真っ白。
以前やったSS-G333ESも、実は所々真っ白でした。
ただ経験上、外国製の密閉には
最悪の茶サビや青サビなんかも多く見られ、
それに比べると白サビはかわいいもんです。 |
●クリスマスシーズンにぴったりの風味ですね。
冗談はさておき。
ちょっと触れただけで
各接着部分がボロボロ落ちる。
端子も簡単にもげるほどです。
このまま分解作業に入るのだが、
コイルにダメージを与えぬよう、慎重におこないます。
ここが最も神経使う作業ですかね。
マグネットが強力で、中々外れてくれないからなんです。
下手にやるとコイルがボロボロになる。
私は保全の為、
抵抗値を測りながら分解したりもします。
ツィーターはネジ留めなので楽勝と思いきや、
同様に固着してました(^^;
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●見事ノーダメージでマグネットが外れました。
←中央の○(ヨーク)がずれてコイルと接触・固着してました。 |
●あとは一気に全部剥がします。
そしてようやくフレームが丸裸になりました。
ダンパーの中までサビがびっしり。 |
●サビを綺麗に落としたらサビ止め剤を塗ります。
その後上塗りでさらに塗装(黒とクリア)する。
次に各パーツを超強力に接着・補強します。
その後ダンパーとエッジ(交換)を取り付け、テスターで計測。
最後にコーンと全体を再洗浄・各部補強・チェックをおこない
音出しチェックで完成となる。
私の場合ユニットをオーバーホールした時は、
単品のまま2、3日は音だしチェックを続けます。
今回は端子やリード線などなど、必要以上に隅々までやりました。
そして音もばっちり!!
このままノーメンテでも、たぶん10年は余裕でしょう。
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●さてさて。
ユニットのオーバーホールが終わったら
箱の作業に入ります。
今回はオーナー様の意向で、ターミナルを
バイワイヤリング仕様に変更します。
合成写真を作り打合せ、Aに決定。
かっこよくなりそうですね。
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●さて、作業にあたり
箱に付いてる部品を全部外します。
まずはネットワーク(ネジ留め)を外し |
●次にハンマーでボルトをとんとん
ターミナルプレートを外します。
さすが70年代と思うほど、
丁寧でしっかりした作りです。
接着がぎちぎちなうえ、
小さいから大変でした。
壊さぬよう慎重な作業を心がけます。 |
●ネットワークの全貌。
クロスはTW、WFともに定番の-12dB/octで、
70年代の定番?
ボーカルを意識したクロスオーバーでした。
部品はコイルのみオリジナルを使い、あとは全て交換します。
今回使うターミナルは透明カバータイプ。
これ中が”銀色 ”でかっこ良くて新鮮です。
精度はまあまあでいい作りなんだがいかんせんネジが短すぎ。あと5mm長いともっといいんですがね。
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