●今回はたぶん、かなりレアなスピーカー、SONY SS-X100 のご紹介。
そしてSONY製品、第一号の紹介となります。
 元々はリボンツィーターという事で入手してみたのだが、いきなりその重さにビックリ、
思わず「 何だこれ!? 」と口ずさむほどでした。
写真だと大きさがつかみづらいが、縦・横はほぼ最小で、FOSTEXの最小版に近いサイズ。
それでいて6kg(1台)ですから、何も知らずに持ち上げると、誰もが驚くでしょう。
そんなところで、さっそくインプレッションに入ります。
SONY SS-X100 1981年 \21,000円(1台)
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:3cmリボン型 ・低域用:12cmバランスドライブ型
再生周波数帯域 60Hz〜50000Hz
インピーダンス
出力音圧 88dB/W/m
クロスオーバー周波数 5KHz
外形寸法 幅140×高さ205×奥行180mm 約3L
重量 5.8kg
●エッジがxなので、まずは張り替え、そしてそのままエージングなしでの音出し、
まずは一言
「 爽やかだー 」

 リボンツィーターという事で入手したので、傾向はなんとなくわかっていたが、
実際に聴くと、やはりこの爽快感は良い。
サラサラした感じは、リボンツィーターの何物でもありません。
中域はクリアー質のやや凹タイプ。
一度ばらしてるので、ネットワークをみてるのだが、
ウーファーからも、だいぶ上を出すセッティングです。
そんなセッティングの場合、癖やピーク感が出やすくなるのだが、
小口径は大口径に比べマイルドになる。まさに小口径だからこそのセッティングとも言えるでしょう。
 そしてウーファーとツィーターが相成り、「 ビタッ 」と定位する感覚はとても上手い。
さすがメーカーと言ったところ。
低域は箱のサイズの割に量感ある、そして音に重みがある。
密閉のようなタイトフィーリングに近いが、この解像度の高さは鉄箱ありきかもしれない。
そんなウーファーは音出し前に見てますが、「 すげー 」なんて思える構造でした。
それが力強さへと反映されてる感じです。

総じて。
とにかくバランスが良く、近代の音色と互角以上というか、ぜんぜんいいと感じるほどでした。
鳴らし始めは少し、箱鳴りのような音、エコーがかったような響きが感じられたが、
しばらく鳴らしていくと、だいぶ落ち着いてくる。
このあたりは吸音材の量や質でだいぶ変わってくる。
最大のメリットはやはり鉄箱か!? ブレのない”高解像度 ”が特徴でしょう。
そしてリボンツィーターの爽やかさも必見ですね。
SONYの本気を感じました。

ちなみに前回作品のツィーターはピアレスで、「これ いいなぁ〜 」なんて思ってました。
その後聴いたFOSTEXのリボンも、ぜんぜん負けず劣らず、すごく爽やかでいい音だった。
そしてこのリボン、「 リボンの高域綺麗だな 」なんて思いながら、爽やかさに酔ってました。
立て続けに”当たったツィーター ”は、どれも甲乙つけがたいほどの実力でした。
そんなところですが、内部紹介にいってみましょう。
●これだけ昔撮った写真なんで
周りに懐かしのスピーカーが並んでます。
この小ささ、サイズ感わかるかな。
●まずは寝かします。
重量級なので扱いが慎重になる。
さっそくネット(鉄)を外そうと思ったが接着で外れませんでした。
その接着が強力で簡単に外せそうにない。
●ひっくり返すとネジがみえます。
●さっそく外してみるとご覧のよう。
ナットは箱と一体成型。
その他精度も高く、さすが日本製と思った。

ターミナル裏には、ネットワークが付いてました。
●吸音材を取り除くとユニットが。
ぱっと見飛び込んできたのがウーファー
穴がでかい、なんだか凄そうだ!!
●ユニットを外します。
箱が小さいのでネジが外し難い。
ツィーター→ウーファーと外す順番も決まっている。
左側、天板に張られた黒いのは固めのスポンジ。
ヨーロピアンスピーカーではよくみかける素材だ。
その横、黒い長方形のポートが2つ。
リボンツィーターの横に配置したポートは
デザインも損なわれておらずとてもいい感じ。
黒いのは朽ちたエッジカスで、ところどころに散乱してました。
●ツィーター部、レンズ的な構造は
箱と一体成型?
すごく凝ってます。
●さてユニットを紹介します。
まずはこれリボンツィーター。
これ目当てで購入しました。
このリボンしっかりした作りで重みもあり、
品質も中々よさそう。
そして音もベリーグッドでした。
●リボンは構造上薄く作ることができる。
だからたまに安物とか裏ぶたがペコペコしてるものをみかけるが
これは樹脂がガッチリしている。
ダンプする必要もなさそうですね。
●そしてウーファー。
迫力満点でしょ!!

でかいセンターキャップが、
そのままボイスコイルの大きさです。
そしてでかい穴。
●コーンの裏がほとんど塞がった状態だが、
でかい穴から背圧が逃げるので、構造上の問題はない。
そして異様にでかいマグネット。

このユニットを手にしたとき、
ONKYO モニター500を思い出しました。
●部品のほとんどはメタルでできており、
プラスチックはTWとコーンとターミナルくらい。

最後にユニットを取り付け
●完成!!
外装の仕上げはクリーニングのみの保留中。
磨いてポリッシュしようかと考えてます。

最初にも書いたが、このスピーカーは部品取りのつもりで購入したものです。
ですが見た目とは反比例する重みに戸惑い、そして「 なんだこのかっこいいウーファーは!!
を見た瞬間、オリジナルを維持したほうがいいだろう、そう思いメンテしました。

 移植を留まったのにはもうひとつ「 ハイレベルな音質 」ということもあげられます。
小さくて音がいい、今の時代にピッタリ条件が揃うスピーカーはそうそうみつかりません。
それだけ魅力あるSS-X100、マニアとしては「 別箱 」を作り、音質を試したいものです。


最後に。
このデザインは今見ると古臭く感じるが、81年当時は最新だったんでしょうね。
こんな感じの色とデザインはプラスチック製品が多く、これもそうだろなんて思っていただけに
手に持った時の衝撃はすさまじかったものです。
さすが一流メーカーだけあり、SONYの本気が感じられるスピーカーです。
SONYはあまり縁の無いメーカーでしたが、これを気に見直したくなるほどでした。

ちなみにこのSS-Xはシリーズもので、150とか200があるが、こちらの100の方が値段が高いですね。
このサイズで1台2万、当時は高かったのかな?ロジャースほどではなさそうですね。
次回、自作祭りということで、凝りに凝った作品を、どんどんUPしていきます!! お楽しみに♪


 


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