●最近めっきり寒くなりましたが いかがお過ごしでしょうか。
夏から秋を飛び越してもう冬。
そんな感覚にとらわれてますが、放射能の影響も有り、
サンマやキノコをほとんど口にしてないせいかもしれません(まだ早い?)。
それと室温20度で寒く感じるこの感覚も いただけませんね。

さて、今回は最年長か!?1968年式という、私が生まれるずっと前のスピーカーが登場です。
その名も SP-30
メーカーがSANSUI(サンスイ)というのも、また渋いですね。
当時はこれで小型と言ってたんですから、他のスピーカーがどんだけでかかったのか?
見ためしかり、43年という時代を、おおいに感じさせられました。
ではさっそく、はじめたいと思います。
SANSUI SP-30 1968年〜 \9,900円(1台)
メーカー解説:厳密な計測と徹底的なヒアリングテストから生まれた小型スピーカーシステム。
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:ホーン型 ・低域用:16cmコーン型
再生周波数帯域 40Hz〜20000Hz
インピーダンス
出力音圧 91dB/W/m
クロスオーバー周波数 7KHz(12dB/oct)
外形寸法 幅271×高さ423×奥行194mm 約15L
重量 4.5kg
●ユニットの状態も確認していない、2wayか3wayかさえ分からないままの音出し。
各音問題無く出てるようなのでそのままいきます。
まずは一言
「 すげーこもってるよ 」

別にツィーターが飛んでるわけではなさそうだが、
いかにも昔の音?こもりが強すぎる。
良く言うと柔らかい、前に出るボーカルが心地いいといったところ。
だがこれ、箱から出していきなりの音出しということもあり、
メンテ次第では大きく変わるでしょう。
それとこの大きさのせいもあるので、床に直接設置しました。
その場合、耳の高さがスピーカーより上にくるので、こもりがより強く感じてしまうセッティングでもあります。

最大の特徴はなんと言っても この見ためでしょう。
これを10代の若者が見たらどう感じるのか?逆に新鮮かもしれませんね。

こういう古いしろものは、汚くてボロボロだと骨董扱い、もしくはゴミとすら思われてしまいそう。
そこをヴィンテージ・レトロ家具のようにできれば、意識もだいぶ変わりそうですね。
しかも音は”最新のハイファイじゃん! ”なんてきたら言う事なしですね。
そんな雰囲気に近づけるよう、今回は徹底的にやってみたいと思います(なので2ページの長編になりました)。
そんなところですが、ぼちぼち内部検証へとうつりましょう。
●ダメージは3割くらいか、それほどやばいものでは
ありませんでした。
ただこのままでは、ただの古いスピーカーですよね。

この格子グリル、プラ製もあるようですがこれは木製。
なんとも味のあるしろものです。
ターミナルはネジ式なので、ここは変えたいですね。
●まずはグリルを外します。
四つ角にネジが隠れてました。
●ネジはかなり小さいものなので、
普通のドライバーでは無理です。
こんな精密ドライバーを使いました。
●グリルが外れました。
フロントポートの2wayですね。

ただしこれ、グリルをつけると、
かぎりなく密閉に近い音色になりました。
グリルを外して聴くと、だいぶ傾向も変わるので
セッティングの悩みどころでもありました。

前からユニットは外せないので
●裏ぶたを外します。
ネジが多くてしっかり装着されてました。
●おっ!アルニコですね。

よくアルニコは音がいい!なんて言われますが
それはフェライトとに比べ、クリアー質だからですかね。

クリアー質だからマグネットが強力だと思われがちですが
磁力も低下するので、真相はわかりません。

ただ専門家に言わせると、磁力の強さではなく
アルニコは内磁、フェライトは外磁という
力の加わり方が大きく違うらしく、
それが音質に、大きな影響をあたえているようです。


ユニットはボルト留めで簡単に外れました。
●これはツィーター、ホーン型です。
●見えずらいですが、内部には透明キャップが付いてます。
ホーンが短いせいか、それほどホーン臭さもなく
柔らかめのタッチで、伸びも中々上々です。
どちらかというと元気なツィーターといった感じでした。
ぜんぜんいけてます。
●こちらウーファー。
ウーファーというよりフルレンジと言うべきか。
でも上がそれほど出てないので、微妙なところでもあります。
ただしアルニコの恩恵か?
それほど紙臭さはありません。
センターキャップはアルミで、薄く繊細な素材でした。

エッジは固まってませんが、ダンプ剤にムラがあるので
きちんとやり直します。
それだけでも、けっこう変わりそうですね。
●さっそくエッジをやり直しました。
●こちらは吸音材で、全て取り外しました。
一見白い綿のように見えますが、
これアセテート吸音材という吸音効果の強いものらしいです。
さわり心地は綿よりもザラザラしてました。
定在波を低減させるのが目的だそうです。

汚いので捨てようと思ってたが、
そういうものなので再利用します。
●これは背面板、ちょうどターミナルの裏側にあたる部分です。
ターミナルを取り付けるプラ板が ネジ留めされているのですが
そのネジとナットが錆だらけですね。
●箱の内部。
小さな補強は随所に見られますが、基本的に
箱を鳴らすタイプのようです。
ユニットを留めるボルトは焼き付け塗装品なので
錆は大丈夫でした。
●まず箱の内部を、しっかり塗装しました。
塗料は炭入りで、調湿効果のあるものです。
主に家の壁や柱とかに使われる塗料で、
私は昔から使ってました。

難点は乾きが遅いことです。
乾いてから2度塗りしました。
●マグネット部にもわずかに白錆が浮いてたので
処理した後、しっかり塗り込みました。
●ツィーターも同じように処理します。
こちらはホーン部も再塗装しました。

そうそう、ユニットに直接コンデンサーが付いてたので
一見6dB/octかと思ってたのですが
なんと矢印のところ、フレームの大きさにあわせられた
コイル(赤線)が付いてました。
これで12dB/octになります。
粋な作りですね。
●これは洗面所で アセテート吸音材を洗ってる模様です。
柔軟剤を使い やさしく手洗いします。
水(ぬるま湯)がかなり濁り、けっこう汚れてましたね。
サランネットもこうやって洗ってるんですよ。

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