●今回は久々ONKYOとなり、微妙な年代の製品 D-202A の紹介です。
202は102同様、UだのLTDだのと、わかりにくくなるくらい豊富なラインナップがありますが、
以前LTDモデルを紹介しました「こちら」
元となる202は 今回初めての視聴。
LTDとの比較では印象になってしまいますが、果たして音色の違いはあったのか!?
そんなところが見どころになりそうです。 |
ONKYO D-202A 1994年 ペア \64,000(74,000) ( )青はLTDで( )無しは共通 |
●メーカー解説: |
方式 |
2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式 |
使用ユニット |
高域用:2.5cmドーム型 ・低域用:16cmコーン型 |
再生周波数帯域 |
40(36)Hz〜35000Hz |
インピーダンス |
6Ω |
出力音圧 |
90dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
3(4)KHz |
外形寸法 |
幅205×高さ327×奥行248(313)mm 約9.5(13)L |
重量 |
7.5(9)kg |
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●まずはノーマルとLTDの違いだが、↑スペック表に書いてみました。
LTDは奥行きが6cm長く、容量で3L、重さが1.5kg増えたのが、見ための最大の違い。
部品内容はコンデンサーとコイルが一つづつ追加、加え内部に鉄板を貼るなど、しゃれた工程が増えてます。
その内容で1万円の差ですから、LTDモデルはお買い得ですよね。
ですが結論から言ってしまうと、お買い得ではないかもしれません。
それは ただのAの方が 音がいいから です。
まずは一言といきたいところですが、今回はエッジを貼り替えたのでインプレは最後に書きます。
ということで、まずは内部検証からご覧ください。
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●ユニットを外します。ネジは六角。
ウーファーのエッジが、なんとなくひび割れてるのがわかります?
こういのうは何も考えず交換するのだが、
実はこれ、ウレタンエッジ?でした。
触るとボロボロになる状態なので、さほど気にしてなかったのだが
見ためしかり、極薄なんで
ずっと ゴムエッジ だと思ってた。
ちぎれたエッジをよくよく見ると、極薄フェルトのような素材?で
裏からシール(補強?)が貼ってあるような感じ。
まァどっちでもいいのだが、ウレタンエッジとしてはかなり薄め
ちょっと変わったエッジであることは 間違いありません。
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●極重ユニットを外しました。
内部はいかにもONKYOという 凝った作り。
LTDモデルは側面に鉄板が貼ってあったが、
こちらにはありません。
その鉄板のみの違いで、あとは同じ内容です。 |
●ネットワーク。
これもONKYOには珍しい、ウーファーがスルーという
簡素な構成。
202は
TWが12dB/oct、ウーファーがスルー。
LTDは
TW、WFともに6dB/oct。
どちらも浅めの内容だが、
どちらかと言えば202の構成の方が好み。
ここがD-200(12dB/oct)とは決定的に違う内容であり、
その音色、深みもだいぶ違ってくる。
ONKYOは音色違いを作りたかったのか?
目標が定まっていない、そんなふうにも感じました。
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●でました。
この錘、どのくらい効果があるかはわかりませんが、
たぶん解像度が上がってるんですかね。
音色を聴く限りでは、ネットワークにコストをかけて
欲しかった、そう思うんですけどね。 |
●箱の仕上げに入ります。
わりとメリハリのある木目なので
半艶に仕上げました。
厚めにコーティングしてるので、小傷はほぼ消えてしまいます。 |
●ウーファーはエッジの交換。
ツィーターは分解・清掃のみ。
ユニットを取り付け |
●完成の前に、こちらをご覧ください。
これはどちらも布エッジだが、
旧作は1mmほどで、普通〜やや厚み、といった感じの布。
新エッジは、0.3mmくらい、
ストッキングのような極薄の布を使ってます。
一般的な布は、一方向にしか伸びませんが、
これは縦にも横にも、
柔軟に伸び縮みするのが特徴なんです。
そんな極薄布で作ったエッジは、布というよりゴムに近い感じです。
厚めの布地より 作るのも貼るのも難しく、ちょっとしたよれにも
敏感で、すぐシワになったりと見栄えが悪くなる短所がありますが、
これにする理由はただ一つ
「 音がいいから 」
特に低域の量感は10%ほどUPしており、小口径には有利です。 |
●で、完成!!!
今回はなんとも珍しく感じる”完全ノーマル ”仕様。
このエッジはけっこう前から採用(極薄布)してるのですが、
きちんと紹介するのは初めてかもしれません。
最近のページでエッジを交換してるスピーカーは
全部この極薄エッジを使ってます。
見ためがちょっと・・・なんで、逆にわかりやすいかもしれませんね。
でもだいぶコツを掴んできました。
見ためはもちろん大事です。ただ結局のところ
音がいいのが一番ですよね。
とくにエッジは、音色を決定づける大事な部品ですしね。
さてさて今回の202A、チューニングはしておらず
完全ノーマル仕様。
普通はなんかやりたくなるのだが、逆に珍しいですよね。
「 これはこのままでいいでしょう 」
そんな感じでした。
LTDの印象は中・高域に癖と雑味のある鈍い印象だが、
それに比べるとこれは、ちょっと外国風の音になった。
そんな印象でした。
音色はネットワークの違いのみ。そう思っていいでしょう。
だから私は、「 202Aの方が好み 」という結果でした。
ただ202Aは、もう少し低域の量感が欲しいですね。
LTDは少し増えてますが、どちらもドスドス系ではなく美音系。
ダイヤの200シリーズともまた違うので
そのあたりがスピーカーの奥深いところでもあります。
過去の文面で、ONKYOのLTDモデルは間違いない!
と書いてますが、これに関しては訂正させてください。
ただしそんなに極端な違いはありませんし、
コンディションでもだいぶ変わってくるでしょう。
ONKYOファンの方は、こういう美音が好きな方も多いですしね。
最後に。
この時期(90年代初頭)はバブル後で
経済的にも大変だった頃ですよね?
そんな時、これだけの内容で登場させるとは
ただただ感心するばかりです。
でも一つだけ、
箱やユニットがめちゃくちゃ凝ってるだけに、
浅い音色には残念です。
バブル後で頭真っ白?何も考えられなくなったのか?
ネットワークも考えないで作れるという、簡素なものでした。
次回、只今依頼品の制作を何種類か 懸命にやってます。
どれか紹介できるか?それともメーカー製になるかは
お楽しみにしていてください♪ |
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