●DENON SC-V101
もうかなり前だが、一度メンテし外装を鏡面にしたものです「 こちら 」
当時何も考えずに塗装したこのV101だが、今見ても中々の具合。ただ押し入れに放りこんでいた為、傷が少々付いてしまう。
この塗装はかなり厚めに塗ったので、フロント・ユニットを抑える部分にシワがよっていた。
塗装、特に鏡面のように厚めに塗る場合、ユニットを取り付ける前に、何カ月かかけて十分に感想させる必要がありますね。
これを入手した時から改造したい!!という気持ちが残っており、今回やりきる事にしました。
いったいどんな音色に変わるのか、さっそく始めたいと思います。 |
DENON SC-V101 1997年 1台 円 |
●メーカー解説: |
方式 |
2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁型 |
使用ユニット |
低域用:8cmコーン型 ・高域用:2.5cmドーム型 |
再生周波数帯域 |
80Hz〜20kHz |
インピーダンス |
8Ω |
出力音圧 |
88dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
4KHz |
外形寸法 |
幅114×高さ193×奥行145mm |
重量 |
1.4kg |
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●久々の音出し、まずは一言。
「 こんなもんかな 」
可も無く不可も無く、小型密閉らしい音。
同サイズ・8cmフルレンジよりは、高域がおとなしめだが柔らかくて聴きやすい。
ただし小型箱で低域の量感がないのは、いたしかたないとして、中高域はもう少し明瞭でもいいと思う。
低域・量感を少しでも感じさせるようなセッティングになってるわけだが、それが逆に”こもり ”具合を強めてしまってる。
特に中域は凸加減が強く、輪郭も甘く不鮮明で、ボーカルの定位感も悪い。
小型密閉なのにこの低域!!・・・を狙っているのだろうか?
今聴くと、方向性が間違っているように感じてしまう。
そこで、どれだけ豹変するかは分からないが、とにかく徹底的に改造してみようと思った。
音を聴いてダメだと思えば、なおさら改造したくなる性分だが、そんな性格は今も昔も変わらないようです。 |
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●まずは部品を全部外します。上段の写真のようターミナルを外した部分に、新たにカバーを作りました。
カバーの大きさが幸いし、ポートやネットワークも楽に搭載できそうです。
下段、底と背面下の写真。ちょっとし凸の木材は、外からネジ留めできるよう、ボルトが埋め込んであります。あえて外す必要はないので、
このままセメントを流し込みました。
背面は写真のよう高さ4cmくらいかな。フロント側は○の淵近くまで流し込みました。
TOPやサイドまでセメントだらけにすると、箱が小さく響きが犠牲になるので、底だけにとどめました。
これだけでもけっこうズッシリきます。セメントを使う一番の理由は、不要振動を軽減させるのが狙いです。 |
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●次はネットワーク。元はコイルとコンデンサーのみの6dB/oct。TWが6kHカット、WFが4kHカットといったところ。
抵抗はTWに直列で一個だが、10Ωなのでけっこうガツンと落ちている。
6dB/octのメリットは自然な感じだが、その分ユニットに大きく依存してしまう。デメリットはクロス付近の重なりが多く、雑身が感じられてしまう。
物によっては、うまく打ち消しあってる場合もあるが、ほとんどは雑身になり、中域・ボーカル部分に深みがない。
12dB/octのメリットはそんな雑未を消し、静粛性・透明感が向上し深みが出ると言ったところ。
デメリットはセッティングが難しい事。このセッティングで傾向がガラリと変わる為、チューナーの好みに左右される事が多い。
そんな12dB/oct、セッティング次第ではかなり変化するので、色々とアレンジする事ができる。
ただしこのような小型箱の場合、高域をだら下がりにして低域を稼ぐとか、音質そのものはユニットに左右される為、限界もあります。
そこで今回は、外国製の密閉であるロジャース LS3/5Aのような味付けにする事にしました。
とにかく重要なのは中域のフィーリング。数値取りにいかない音色は、車のチューニングと同じですね。
で、ようやくセッティングも煮詰まってきたので、部品を背面板に取り付けました。
それほど高級な部品ではないが、TWにはビンテージコンデンサーと自作コイルで武装してみた。
配線はTW以外、全て銀線をチョイス。WFに付ける細い銀線は、濁りの無い低域確保の為で、TWには錫メッキの銅線だが太いものを装着しました。
下段中央・矢印、下が銀線で上が錫メッキ。銀線と錫メッキは輝きが違うので、一目瞭然ですね。 |
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●この時期は乾燥してるので乾きも速い。とはいえ厚みがあるので、5日ほど放置しました。
その他内部には、サイドと上にフェルトを貼ります。グラスウールを詰め込みたいところだが、物が無いのと低域がかなり軽減されてしまう気もするので、
フェルトの方が逆に、ちょうどいいかもしれません。
背面板は元のターミナルカバー同様、同じ穴を使いネジ留めにしました。ただし気密性確保の為、両面テープも併用してます。
黒鏡面はちょっとした傷でも目立ってきます。軽く補修し、底にはコルクシートを貼りました。
上の写真、ユニットを取り付ける際のスポンジ(グレー)が箱に貼りついてしまってます。
塗装した自作箱なんかでは、たまに見られる傾向ですよね。
ネットワーク(背面板)、ユニットを取りつけ |
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●完成!!! これもNS-1000M同様、なにかやりきったという、すっきり感を味わう事ができました。
さて今回も、本格的にライティングして撮影してみました。 小型なので背景用の白い紙に収まります。
いつもの撮影(右下)より、細部までかなり綺麗に写ってますね。逆に粗も、解りやすくなりそうですが(^^;
背景が白のせいか?何か味気なくも感じますが、個体を写すという意味でこれはこれでいい感じですね。
さて気になる音質だが、先にも述べたよう、今回はあえて癖のある感じ、外国製スピーカーのような音色にしてみた。
もちろん中域にはこだわっており、ボーカルが気持ち良く聴けるのが前提だが、少々スパイスを聴かせた味付けにしました。
簡単に言うと、フルレンジユニット・SA/F80AMGの中域に厚みをもたせた感じです。
高域はそれよりも繊細にしており、「 このユニットからこんな透明感が味わえるのか!? 」という具合にしてみました。
一応外国製の雰囲気が味わえるよう、JAZZボーカルやクラシックを狙ったセッティングなので、J-POPの場合少しシャリシャリが強く感じる場合もあります。
バスレフはポート周波数を約80Hzに設定。密閉に比べだいぶ伸びるようにはなりましたが、限界も早めです。
低域の量感が増えたメリットと引き換えに、音像が鈍くなったというデメリットも出てきました。
そこはポートに塞ぐスポンジで対応してみたが、いいのか悪いのか?期待したほどの大きな変化ではありませんでした。
最後に。
このV101フルチューンは、ミニミニサイズという事から、PC使いを考慮した音作りにもしていますが、
単品で聴くのはもちろん、サラウンドスピーカーとしても、十分なほど力を出してくれる事でしょう。
出音に負けない、高級感のある雰囲気も、味わえると思います。
こういう改造はセッティングが難しい(迷う)反面、楽しさも十分にあります。
小型だからこそ、高品質な音にこだわってみるのも、いいかもしれません。
さてHP(サーバー)が落ち着かないまま進んでますが、次回もメーカー製の予定です。お楽しみに♪ |