いつもヴァリアスクラフトを見てくださる方、ご無沙汰しております!
4月(2010)からちょとした環境の変化で、急にバタバタしておりました。ご心配かけたましてm(_ _)m
さて今回はビクターが誇る銘記”SX-V1 ”チューニングバージョンです!
いつかやろうやろうと思っていたV1のチューニング。
親しい方からの依頼があり、ようやく取りかかってみました。

SX-V1は、V1A、V1Xとモデルチェンジをかさねているが、初代がこのV1。
音質も個性的で優秀。私の好み、5本指に入るほどなんですよ。
個性の強い中・低域は、V1の味ですが、ずいぶんマイルドになったV1Xと比べると
少々アクが強く感じる人も多いかもしれません。(私は感じませんが)
そこで、
今回のチューニングメニューは、題して「 V1X越え
V1Xのマイルドでクリアー質な傾向を目指し、よくあらば越えろ!という狙いなんです。
もちろん私が得意としている”切り替え式 ”にするので、
ノーマルとチューニング音の比較もできるようにしようと思ってます。
V1を所有してる方は必見ですかね。
それではご覧ください。
まずは分解。詳しい手順はこちら(V1X)を見てくださいね。
とにかく重いFバッフル&ユニット。ここだけでも神経使います。
約15年選手なので、それなりにガタがきている。
これはツィーターで振動版は布製。何かダンプ剤が塗ってありますが、経年劣化で所々シミになってますね(左)。
一度綺麗に落とし、裏側よりダンプ剤を塗ります。
周りのカバーはワンタッチで外せる構造ですが、ボイスコイルのクリアランスが狭いのと、
リード線がむき出しになってるので、その辺りに注意です。
こちらウーファー。写真はエッジの裏側になります。
所有されてる方はご存知かもしれませんが(エッジを触ってみて)少しカサツキ感があります。
ここも裏側よりダンプ剤、ここは液体ゴムを主軸としたものを、まんべんなく塗っていきます。
V1系はこちらで5台目の扱いになりますが、過去にスパイダーサスペンション(ダンパー)が
折れている物もありましたので、音がおかしい!と思ったらチェックしてみてください。
あとは組み直し、部分部分でしっかり防振処理をほどこす。
いつも書いてますが、このようなオーバーホールだけでも、かなりよみがえります。
続いてネットワークチューンにはいります。左はノーマル、右は調整中。
V1Xのチューニングも時間がかかりましたが、このV1も相当時間がかかりました。
それだけユニットが優秀で、非の打ちどころがない、って感じですかね。
箱(エンクロージュア)の作業にとりかかります。
ターミナルを交換するので、ごっつい穴をあけました(11mm)
中央部は切り替えようスイッチを取りつける穴。
実はこれ、最初は穴を開けたくなかったのでポートから配線を引き出し、スイッチを外付けにしました。
だがどうもしっくりこない。ここはオーナー様の了承もあるので、ズバッと開けました。
裏側はこんな処理。ここは箱の内部、ルーターがうまく入らない・見えないといった困難な作業となりました。
↑右が仕上げ後。ちょっとわかりずらいかもしれないが、高級家具風仕上げにしてみました。
V1ってV1Xに比べると、ほぼ艶消し仕上げなんですよ。
だからV1Xのような光沢風味にしたのだが、ただ単に艶を出せばいいって訳じゃないんですね。
無垢板を磨き込んで出るような、自然な艶を目指しました。
私がよくやるワックスで軽く艶を出すようなやり方ではなく、一度全面を再塗装しました。
だから仕上がりが俄然違います。
これでウッドフェチのオーナー様にも、納得してもらえると嬉しいんですけどね。
ネットワークを取りつけ、スイッチ、ターミナルを取りつけます。
内部はがっつり防振処理、配線はW仕様にしました。
ネットワークの板はターミナルと連動なので、配線の処理も気を使います。
今回は極太の厚金・高級ターミナルを使いました。これ外形はおよそ15mm。
箱を貫通するネジ部は10mmで、一般的なものの倍はある太さですね。まず折れる心配はないでしょう。
ただ絶縁プラの色が ―は黒ではなく白ってところが微妙なんですけどね。
木製なので付けなくてもいいが、色分けは分かりやすいので取りつけました。
トグルスイッチにはカバーを付けてみました。
背面に貼るステッカーの制作。こんな感じで作ってます。
本当は昔よく使っていたカッティングプロッターで仕上げてみたいのだが、倉庫の奥深くへ放置されてます。
そのうちなんとか引っ張りだそう、って感じですかね。
完成!!!
久々なんで、写真の撮り方もへたになったかな(^^;
↑このステッカー、結局上のラベル風な色味にしてみた。紙は光沢紙を使ってます。
モニター上でいい色でも、印刷すると変わってくるんですよね。

さて、さっそくレビューに入ります。
まずは一言(なんか懐かしい響き(笑)「 やばいねこれ、すごくいい 」

ノーマル音もファインチューンしてあるので、ぶっちゃけ私所有のV1より断然いい。
実は仕上がりの音に満足できず、2回組み直してるんですけどね。
そんなんでようやくセッティングが決まった!って感じです。
チューニングした方は簡単に言うと、V1独特の癖を取り除き、クリアー質にしました。
正直V1Xよりいいかもしれません(V1Xオーナーの方々m(_ _)m)
とにかくリアリティが向上し、チューンした私でさえ驚くほどです。
野太い低音の出るV1だが、ソースによってはブーミーに感じる難点もある。
そこの改善もメニューに加えていたのだが、ネットワークでは無理でした。
なので、

こんな物を作り、簡易的な密閉にできるようにしてみた。
これがまたけっこういいバランスで鳴ってくれたのには、驚きました。
ユニットが超強力だから、ポートが背面だろうが密閉だろうが、前に出る押しの強い低域はそのままに。
伸びすぎるブーミー音が減少しました。
これフロントポートだったら、押しの強いB&W805よりさらに強そうな予感がするほどです。
V1Xの低域はユニット自体で改善されてるから、押しは少し弱くなったがバランスはV1よりいい。
そのへんの改良は、ビクターやるね!って感じるほどです。

一般的に考えると、癖の強いV1より、マイルドなV1Xに軍敗はあがるでしょう。
特にクラシックは断然V1Xの方がよく、V1ではちょっと聴けない音色。
V1は”ボーカル専用 ”と思った方がいいでしょう。
でも今回のチューニング音は、クラシックもこなせる音になりました。

バランスの良いスピーカーは、チューニングが難しい原因の一つだが、
V1のウーファーは重低音の出る所がすくいようだった。
低音絞るのは容易だが、逆は正直無理がですよね。
そんな所も、V1をチューニングするうえでのポイントかもしれません。

最後に。
以前V1XをUpした時、反響が多く依頼の声もありました。
V1を所有してる方、ぜひチューニングしてみてください!
たぶん高級外製SPが薄く感じるほどの実力に驚きますよ。
みなさんのV1をチューニングしてやりたい気持ちは山々ですが、
時間的に厳しいので、ごめんなさい(><)

今作業中の物や、その次々も依頼でかぶっておりますので、
次回のUPはまた間があきそうですが、自作とセンモニやりますので気長にお待ちくださいね。

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