●オーディオ好きなら一度は憧れた、JBL LE8T。
情報が少ないので、詳しくは解らないが、1962年に発売されたらしい。
今手元にあるものが何年製かは解らないが、70年代には1台約3万円で売られていた。
当時ペアで7万という値段は、相当高い事だっただろう。
サンスイの箱に入れられた物もあるが、そちらが元祖なのか?
いずれにせよ恥ずかしながら、存在すらしらなかったこのLE8T。
エッジが×なので、さっそく補修にとりかかりましょう。
JBL LE8T 1962年〜 |
●メーカー解説: |
方式 |
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使用ユニット |
20cm フルレンジユニット |
再生周波数帯域 |
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インピーダンス |
8Ω |
出力音圧 |
90dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
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外形寸法 |
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重量 |
4kg |
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●エッジはウレタンで崩れてる。もう少し原型を留めていてくれれば、このまま補修できたんですけどね。 |
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●さてこのエッジ、依頼者様がヤフオクで購入し、制作主より直送されたもの。
笑っちゃいけません、牛乳パックで送ってくるなど、今時のエコになるのでは・・・
それはいいとして。
なんかカップラーメンの容器(輪っか)が見えるでしょ。エッジが潰れないよう入れたようだが、
袋やら何やら「 油付いてて 」べとーとしてました。どうでもいいけど「 ちゃんと洗えよな 」気持ち悪ー
この時点でテンション下がりっぱなし。こういうの人間性の問題でしょうね。
右は真横から写したもの。
なんかΩ型が宣伝文句のようだが、そんな風になってないし・・・極薄なのが解るでしょ。 |
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●で、これですよ。↑ぺこっぺこっと音を出しながら、こんな具合。パキパキ感が伝わるでしょうか。
↑右は私が作ったエッジ。
で、この制作者、何かにつれ木工用ボンドを使えと、自作説明書に書いてある。
接着はもちろん、ダンパー強化まで木工用ボンドでやれとは・・・・
このエッジも木工用ボンドか?と思い、水に濡らしてみたのが右写真。
もうペコペコパキパキ。ほんのちょっとなんですよ、水の量は。
で右のまま固まった。木工用ボンドは水に付けると白くなりますからね、すぐに解ります。
湿気の多い日本、しかもエッジにこれとは、100歩譲ってもありえませんね。
まァそういう図太い神経だからこそ、商売をやっていられる、というのも事実でしょうね。
知らぬが仏じゃないが、これ使ってる人もいるようですね。
一言、雑巾で水ぶきすると簡単に変形しますよ。 |
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●さて文句はほどほどにして、補修に取りかかりましょう。
まずはエッジ外周に付けられてる、ゴムリングを外します。
その後エッジを取り除く。ウレタンなんで、コーン部分に付いたエッジは、落とすのが面倒。
そうそう、↑のエッジ作った人、6000円でエッジの張り替えやります、とか書いてあったけどその場合、
エッジは奇麗に落としてから送ってくださいだって・・・
それが一番面倒だから、わざわざ銭払って依頼するんでしょ!ある意味見習いたいわ(笑 |
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●エッジを取り除くと、端子のネジが見えます。
ここはネジ留めなので、外して磨く。
コーンは白なんで写りずらいが、所々しみ汚れが。これも軽く補修する。
右写真、左は私が作ったエッジに張り替えたもの。右は元のウレタンエッジを、そのまま補修したもの。
ウレタンの原型が残っているようだったら、ダンプ剤で補強できる。(多少の欠けやヒビがあっても大丈夫)
ここでお互い、十分に音質チェックしたが、補強エッジでも機能性は問題なし。耐久性も十分にあるでしょう。 |
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●だが左右びっこなのもあれなんで、張り替えました。 |
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●さて箱が無いので登場した自作スピーカー(WV-00)
JBLに似せて作っただけに、JBLユニットはもちろん、白いコーンはバッフルの青と合いますよね。
これはもう4年近く経ってる。久々だと以外に大きいと感じ、E757と同じくらいかな。
色が少し濃くなってる気もしたが、この造形、よく作ったと我ながら感心。
今ならとてもじゃないが、作る気すらおきないほど、しっかり作り込まれている。
さっそくユニットを交換してみると、あれれ?同じ20cmだが、サイズが合いません。
しかたないので、左写真の状態で視聴。ユニットの隙間はスポンジで埋めました。
エージングもままならない状態だし、完全に能力が発揮できるか微妙だが、とりあえずインプレ。
まずは一言
「 うわっ、いいねっこれ 」
高域は適度に柔らかいが、繊細で分解能力がある為、透明感を感じやすい。
中域はやや凸、フラット感のあるいい塩梅。
低域はとにかく力強い。
この自作箱は響きを控え目にした、ニュートラル的に作ったもの。
それでも箱鳴りがかなりのもので、ユニットがいかに強力なのが伺える。
音は箱鳴りが強いため、キレ具合はは微妙だが量感たっぷり。
大箱にすると、さらに量感増えそうだが、
箱鳴りを極力抑えるような構造が、いいんじゃないでしょうか。
20cmに対してこの箱はかなり小さく、
大箱でフロントポートだったら、もっとニュアンスも変わるんでしょうね。
最終的にはやはり低域がポイントで、だいぶ箱に左右される事でしょう。
裸で鳴らした時から、いい雰囲気を醸し出したLE8T。
F・・・・・とは雲泥の差ですね。
目隠しして音聴いたら、聞いた人全てがこっちがいい!って言うんじゃないかな?
と思えるくらい実力の持ち主。
最後に。
完全に箱に納められなかったのが残念だが、
それでも十分満足いく音質を奏でてくれた。
このLE8T、持ち主は解ると思うがダンパーがかなり硬め。
それでもコーンが、鋭く上下にストロークするさまは、見ただけでも力強さが伝わってくる。
だから軽めのウレタンエッジが採用されてる事もうなずけた。
ONKYOのモニター500もそうだが、
極端に言うと、エッジがなくても、そこそこまともな音が出るユニット。
だからあんなクソエッジが成り立つんでしょうね。
まァあのエッジじゃ音質はもちろん、1年でダメになるでしょうけど。
とにかくこのLE8T、箱も気合入れて作りたくなるような、素晴しいユニットでした。
私だったら15Lくらいの中型・密閉にするかな。
容量が欲しければ、現代風トールボーイなど、いいかもしれませんね。
いずれにせよ
こういうのが一個あると、オーディオライフも充実しそうです。
さて次回は、早くも第五章・パート5に突入です!
ノリはしばらく変わらないと思うが、今後ともよろしくお願いします^^
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