●高級な匂いがプンプン漂うメーカーB&W(バウワース アンド ウィルキンス)(イギリス)。
そんなB&Wから、代表的な2wayと言えばこのノーチラス805。
現在新品購入だと、B&W 805Sになってしまいますが、805Sはあまり気になりません。
以前705を所有していたが、今は手元にありません。
音の比較は記憶での印象になってしまうが、はたしてこの805、どんな音が飛び出してくるのやら。
さっそくメンテナンスに入ります。
B&W Bowers & Wilkins 805 2001年 ペア \300,000 |
●メーカー解説:技術的特徴
・フリーマウント・アルミニウム・ドーム・トゥイーター
・ケブラー ファイバー・コーン・バス/ミッドレンジ
・マトリックス キャビネット
・フローポート |
方式 |
2ウェイ・バスレフ型 |
使用ユニット |
165mmウォーブン・ケブラー コーン・バス/ミッドレンジ
25mmアルミニウム・ドーム・トゥ イーター |
再生周波数帯域 |
42Hz〜50kHz(-6dB) |
インピーダンス |
8Ω |
出力音圧 |
88dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
4.0KHz |
外形寸法 |
幅238×高さ418×奥行351mm |
重量 |
11.5kg |
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●一目でB&Wと解るのが、このツィーター。独特なラウンド形状の箱と合わせ、最大の特徴でもありますね。
値段が高いという事で、それなりの高級感はあるが、私のような普通の部屋に、普通にマッチする。
何かこう圧倒的な存在感というか、特別なオーラは感じられず、それほど神経を使わなくてもよい品である。
上部についたツィーターだが、ガッチリとは固定されてなく、少しグラつく。
ここの質感が普通だから、全体の印象がパッとしないのかもしれませんね。
突き板はチェリーかな?仕上がりは普通。 |
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●このウーファー、時代の流れで色褪せた感も多少あるが、かっこいいと思う。
だいぶ前に、似たような色合いのウーファーを購入し、箱の色合わせで悩んでいました。
このフロントポートも特徴的で、ゴルフボールのような模様になっている。
空気うんぬんというこだわりがあるようで、私はこれを見たとき、車のマフラーの排気効率を想像してました。
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●せかっくなので、以前作った作品と並べてみました。音出ししてみて、これがもぅビックリ!
中域・ボーカル部分が、まったく同じと言える音質です。
箱の外に装着したツィーター。だから何か通づる物があるのか?少し潜ってみたいですね。
さて、この805。動作は問題ないようなので、さっそくインプレに入ります。
まずは一言。
「 かなり乾いた音ですねー 」
高域
刺激の少ない柔らい音。これも高級機にありがちな’10KHz ’以上の音が目立つが、それほどうるさくはない。
何か少し’濁り ’があるようにも感じた。
中域
ボーカルは凹みで、リアル系クリアー質。輪郭はシャープで、定位も良い。
クリアー質なので高域に埋もれがちだが、「 浮上感 」はギリギリあるかな?という程度。
雑味は少なく、ネットワークで上手にコントロールされているあたりは、「 うまいっ 」と感じた。
超乾いた中・低域と、クリアー質の特性が合わさり、「 色気・艶っぽさ 」が’ぜんぜんない ’。
低域
量感はある。フロントポートだが、ボーボーと伸びる音ではなく、’ボソッ、ボソッ ’と切れる感じ。
だがキレが鋭いとか、解像度が高いという感じではなく、何か’不自然さ ’が漂う音である。
この出方だが、
箱の形状から生み出される音なのか?ユニットの特徴なのか?何か不思議さが感じられる音。
ケンウッド LSF-777 に、少しだけ似てる傾向でもある。
全体音
パッと鳴らした時、何か違和感を感じるようなバランスだった。
低域の’ボソッボソッ ’が斗出していて、繋がりが悪いように聞こえる。
かなりソースを選ぶというより、これ
完全な「 クラシック専用 」マシーンです。
クラシックを鳴らすと、何時間でも聴いていたくなるような音で、楽器ってこんな音なんだ?
と思わせる、気持の良い鳴り方が、時折感じられた。
しかし、すべてのソースに言える事だが、ボーカルものは「 まったくダメ 」
1時間ほど鳴らしてみたが、気持ち良くないというか、途中で’飽きる ’
もぅこのスピーカーいいゃ、ってな感じ。
705はもっと’こもり ’の強い印象だが、ボーカルは奇麗に鳴っていたと思う。
この805、セッティングうんぬんの前に、まず使う場所を選ぶ。
しっかりとヒヤリングをし、真面目に作られてるスピーカーという事は、一聴して分かった。
それほど、’完全なヨーロピアンサウンド ’であるがゆえの弱点も多々ある。
ヨーロッパ、石造りの家のような、響きやすい場所に合わせたセッティングの為か、超乾いた音。
20畳ほどある広くて天井の高い部屋とか、コンクリートや大理石などがふんだんに使われているような部屋が、
このスピーカーの実力を、大いに発揮できるステージではないか?と感じました。
和室などもってのほかで、私の視聴部屋、壁3面・2重カーテン張りでは、とにかく味気のない音に聞えてしまう。
クラシック愛用者には、超おススメできるスピーカーだが、
機材やセッティングの前に、反射パネルを使うなどして、部屋そのものを工夫して欲しいと思う。
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さて、また長くなりそうなので仕切りを付けました(笑
この805、クロスオーバーは4KHzだが、一般的な厚みのある4KHzとは、まったく傾向が違います。
音を聴いた限りでは、1.5KHz〜2kHz辺りのクリアー質傾向。
それだけ、ウーファーからクリアーな音が出てるんでしょうね。
このスピーカーは完全なクラシック専用と、割り切ったほうがよく、どうしてもこれでボーカルものを聴きたい!
という理由がないので、今のところ改造プランは練ってません。
ただ簡単な実験として、「 フェイズプラグ 」でも作ってみようと考えてます。
長さ10cm程度のフェイズプラグが外せるからか、真鍮やステンレスのような硬質な物が販売されております。
そんな硬質素材を試してはいませんが、硬質な物に変えたからと言って、音の傾向が変わるとは
とうてい思えません。私が視聴した結論や予想を踏まえると、
’クリアー質の音を、これ以上クリアー質にする必要性はない ’
だから発想を変えて、新しいフェイズプラグを作ってみようと思います。
まずは素材探しからですね。
ですので、この805は一旦保留に致したいと思います。
楽しみにしていてくだいね。 つづく
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