●300シリーズにウーファーを追加したモデルだが、とにかくこもりが強い。
ネットワークチューンで変貌をとげそうだが、この箱、7Lというところに目をつけ、別の改造をする事にしました。
TEAC S-500 1989年 39800円 |
●メーカー解説: |
方式 |
2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計 |
使用ユニット |
13cm同軸2ウェイ |
再生周波数帯域 |
70Hz〜20000Hz |
インピーダンス |
6Ω |
出力音圧 |
88dB/W/m |
クロスオーバー周波数 |
4KHz |
外形寸法 |
幅165×高さ355×奥行213mm 約7L |
重量 |
5kg |
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●このシリーズ、化粧(ビニール)が剥がれやすい(物もある)。ちょっといじってるだけで、すぐに傷や欠けができてしまう。
部品を全て外し、ポートもヒートガンで温めながら外します。 |
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●Fバッフルを作ります。材質はMDF。 |
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●こんな感じに作りました。ポートはフロントに移動。ポート周波数は約65Hz。 |
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●ユニット部、開口75φ、ネジ穴85φ(爪付きナット)、3部艶ほどの黒で塗装。
爪付きナットの出っ張りは、グラインダーでカットしエッジを丸く。さらに手に触れないよう、エポキシでコーティング。
ポート部の処理はしたが甘い。塗装すると、荒が目立ちますね。 |
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●クリーニング後、きず・欠けを補修。仕上げは蜜蝋WAX。足はスポンジが貼ってあり、足りない部分だけコルクシートを貼ります。 |
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●ケーブルの写真を撮ると、何か懐かしく感じてきた。これはカナレの4S6。
4芯なので、2芯づつまとめます。 芯線の被覆は硬めだが、テフロンではなく燃えます(笑
以前このケーブルでRCAインタコを作ってみたが、どうもピンときませんでした。新品だったからか?
1+3-が、まァ聞ける音という記憶だが、SPケーブルとしては普通です。 |
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●フルレンジなんで超楽。背面を再塗装(黒)後、ターミナルを取り付けます。 |
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●吸音材を入れます。とりあえず標準的に、上下と背面に少々。 |
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●あとでユニットに合わせたチューニングができるよう、Fバッフルはネジ留めにしました。
木ネジが長すぎ、貫通した為、きつく噛んでくれません。ボンドで穴を埋めたので、手回しで疲れるくらい硬くなります。
あとは密着性を良くするため、両面テープを軽く貼りました。 |
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●塗装したバッフルにユニットを付けると、くっついたりしますよね。それを防ぐため、厚紙でガスケット作りました。 |
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●SA/F80AMGは、端子の場所が悪く、本体に接触する恐れがあります。
なのでビニールのカバー付けましたが、本体(マグネット部)にビニールテープを、貼ってもいいです。
ユニットを取り付け。端子カバーで、かさが増したので、取り付けが少々困難です。
もう一つ、ファストン端子のMサイズは何種類かありますが、どれもきつすぎ、奥まで挿すと外すのが困難なので、
写真の位置にとどめてます。 |
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●完成!フルレンジ(8cm)箱として、この7Lあたりが、一番素直な低域の性能が発揮できる。
そんな風に思ったので、こんな感じにしてみました。
ネットのTEACエンブレムは、ご愛敬ということで。 |
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●毎度このユニットはインプレしているが、とにかく新旧で、音の出方がまったく違います。
写真の状態で視聴すると、赤丸辺りから、ボーカルが聞こえてきます。
前面ポートの影響か、以前の300より定位は悪く、点音源は感じられません。 |
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● FOSTEX FE83En 最近発売されたのでしょうか?安いの購入してみました。 |
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●マグネットは大きめ?エッジが軽量化されたとの事ですが、見た目ではわかりません。
それよりこの端子、金メッキはいいが、マイナスまでMサイズ。凡庸性がありません。 |
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●旧モデルは84φ、これは86φだが、多少誤差がききます。 右はF80と並べてみました。 |
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●購入前、写真を見たとき、凸の高さが低くなった?と思い、ここも購入するきっかけでしたが、高さは変わらず(ガッカリ)
回りのボンドが多めなので、凸が低いように見えるだけでした。
だがこの部分のこんな感じだけでも、音が変わると思います。 |
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●音出ししてみると、「 ダメだこりゃ 」という音。
とりあえずPDA・システムエンハンサーCDで、3時間ほどエージングし、通常音楽で12時間鳴らしぱなし状態。
まず第一音で、「 おっ!この音は 」と思わせる音が出ないと、どんなにエージングしても、ダメなものはダメです。
あと、Fostexのユニットにしては、能率が低く感じる。TEAC Sシリーズと同等に感じた。
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●さて、個別にインプレしていきます。
まずはSA/F80AMG。
音出しした瞬間「 なんじゃこの低音は-! 」世間一般で言う、8cmとは思えない、驚くほどの低音。
十分に出ます。ていうか出過ぎ。完全に中・高域が負けてます。
出過ぎの低域で、高域が隠れぎみだが、それでも10K以上のピーキーさは、多少耳につく。
イコライザーの写真でイメージを作ってみました。
出過ぎる低域は下のほうなので、中域はクリアー質。
8cmでパワーが無いのか?ボーボー低音ではなく、キレのある音。 けっこう量感のある、20cm密閉タイプによく似ています。
腹にズンドコ響く感じは少なく、大口径に比べ圧倒的な空気感は無いが、それでもこの低音だけは、とにかく気持ちいい。
ただし、このユニットの場合、3、4Lあたりの箱がベストかな?なんて思う。
この7L箱は、「 クラシック専用スピーカー 」として使うにはバツグンに良いでしょう。
楽器の名前は解らないが、ベートーヴェンの運命とか、このサイズではありえない程、重なった音が重厚に聴けます。
逆にその為に、このような構成にした場合、10万円クラスの外製スピーカーを、軽く凌駕する実力があると思います。
中域は、ボーカルに適度な厚みが無いので、JAZZはまったくダメ。楽器のみなら多少○
J-POPもいけますが、低域を絞ったほうがいいでしょう。
とにかく、中域の調整ができないアンプがほとんどなので、通常音楽は小箱がいいでしょうね。
ただしその場合、10K以上のピーキーな音が耳につくので、何かしらの対策は必須です。
10点満点中・7点
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●次は旧型のF80。 見た目は全く変わらないが、シリアルで4万番台あたりまで。
これは素晴らしい音です。
新型より中・高域を少し持ち上げた感じ。とにかくバランスは、格段に良くなってます。
中域の質感は新型とほぼ変わらず。上が出てる分、10K以上のピーキーさは、耳につきにくい。
4L、7L、どちらでもいいが、迫力がほしいなら7L。4Lの場合は、やはり高域の対策をしたほうが、気持よく聴けるでしょう。
10点満点中・9点
これで500〜1KHzあたりが、、もぅ少し持ち上がってくれれば、JAZZやボーカルがもっと艶っぽく聴けて10点満点。
うまいバックロードを作ればできるか?
いずれにせよ、この旧ユニットはもぅ購入できず、この違いを試す事が出来る人も少ないと思うが、
元に戻す方向で改良して欲しいと、おおいに感じます。
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●最後にFostex FE83En
まず、中域がとにかく突っ張ってます。このツッパリ、Fostexらしい音と言えばそれまでだが、これ、突っ張りすぎ。
エージングでだいぶ上が出るようになり、ツッパリ感は減少したが、低域がまったくダメ。
高域は柔らかく聴きやすいが、全体音は軽く、一昔前のラジカセのような感じ。
なんでこんなに低音でない?と思えるほどで、アンプのBASSを全開にしても、F80の半分もでない。
箱が4L程度だったら、もっと出ない?と感じたので、Fostex専用箱に入れてみました。
バランスが若干良くなったが、これも若干中域(ボーカル)が濁る。
コイズミのHPに、バックロードホーンを楽しめる強力な磁気回路を搭載、とあるが、強力さは感じない。
バックロードで若干低域が持ち上がるかもしれないが、中域も飛び出してきて、本末転倒の予感。
F80なら、適当な箱で簡単に低音でるが、このユニットで低域だそうとすると、箱作りは大変でしょうね。
中域の質は、さすがFostex!と言えるが、何か若干ボーカルに癖がある。
TVの音を聞くとわかり易く、どの辺りの凸凹かはわからないが、人の声が風邪の鼻声というか、鼻をつまんだ声というか。
厚みとかこもりとは違う、自然ではない、微妙な違和感を感じました。
ダメだしばかりでFostexファンには申し訳無いが、良いところを一つ上げます。
それはドラムのスネア、ここは最高、絶妙でリアリティがあり、とにかく気持いい!
あとハーモニカとか、その辺りの帯域です(^^;
まァ低域はアンプで調整できるので、絶妙な中域を味わうには、このユニットがいいでしょう。
10点満点中・5点
全体のバランスで言うと、87E(ESコーン)のほうが厚みがあり、低域も出ていて断然良い。
ボーカルは83Enが若干クリアだが癖もあり、87Eは落ち着いた、深みのある音色。10点満点中・7点
このESコーンになる以前は、Fostexすげーなーと思っていて、特に旧型FE87は低域もしっかり出て最高にバランスが良く、
もぅ他のスピーカーいらないんじゃない、と思えるほどの音でした。
だから、センターキャップの高さに目がいった、というわけです。
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後日、この箱の背面ターミナルを外し、ポートの調整をしてみました。80〜100Hz
低域は出るようになりましたが、重低音ではなく、箱の響き(箱鳴り)を利用したなり方で、
同時に中域もさらに凸になります。
量感は上がりましたが。解像度の低い濁った低域と言うか・・・残念です。
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ソースですが、30曲(色んなジャンル)ほど何百回と聴いているテスト用の他に、
毎月J-POPの新曲(オリコンより)を50〜100曲くらいの中から、2〜30曲ほど選んで聴いてます。
録音はとにかく様々で、KREVAなんかは超低音が入っていたり、ラジカセのような、ダメダメな音の曲もあります。
オリコンなんでアニソンとかも多いですが、以外に録音(ミキシング)が良かったりもします。
曲が多いので、今8月あたりを中心に聴いてますが、矢沢永吉sanの「 コバルトの空 」なんか最高ですね。
そんな感じで曲が多く、流し聴きしてる時の音で、低音出るとか出ないとかの判断材料にもしています。
最後に。
現存で買えるユニット、F80とFE83Enはどっちもどっちだと思うが、旧型ユニットに関しては、10人中8人が良いと言うでしょう。
メーカー製スピーカーも、初期の物が一番良く、改良したものはガッカリする場合がほとんどでした。
スピーカーは進化しないのか?と一言で終わりそうですが、食と同じで好みがあるので、体験してみるのが一番です。
他に複数、20cmクラスやFostex PS300などの、大型ユニットを持っていますが、
PARC Audio DCU-F101W と FOSTEX FE138ES-R を、しっかりした箱を作り、先にインプレしたいと思います。
だいぶ後になりそうですが(^^; 楽しみにしていて下さい。
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