私の悪い癖というか、気に入った物があると衝動買いしてしまう。そんな人もいると思うが
このTEACシリーズ、まだまだ沢山ありますが、正直ぼちぼち飽きてきました(^^;
紹介がちぐはぐで、紛らわしいかもしれませんが、今回はS-300
Rです。

TEAC S-300R 1991年 2台1組 33000円
メーカー解説:
方式 2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・防磁型
使用ユニット 13cm同軸2ウェイ
再生周波数帯域 80Hz〜20kHz
インピーダンス
出力音圧 86dB/W/m
クロスオーバー周波数 4KHz
外形寸法 幅165×高さ240×奥行161mm 約3.3L
重量 3.1kg
一番左の黒い物が300PRO その隣が300R その隣が500R
ただの300と300Rの違いはユニットの違いと箱の奥行きが少し長い。
PROは300と同じユニットだが、箱の高さが3cmほど高い。
どれも低域がかなり弱いが、その中で一番バランスがいいのが、ただの300。
ただの500(右から2番目)は300の1.4倍くらいの高さで奥行きも少し長い。
同素材で多品目作る気持ちは解るが、もう少し明確なをつけて欲しかった、とも思う。
多少の差はあれど、TW裏側のスポンジは全て× まとめて補修します。
これは300R 300、PROと違い、箱内部に補強を施してあります。
元々箱鳴りがひどいと感じられる箱だが、補強により若干低減しています。
これは私もすぐに気になった部分だが、メーカーは発売後、ユーザーの声を聞いて改良するんですかね?
それとも発売後でも、じっくり聴きこんでいるとか?
いずれいせよ、違いは微妙なところだが、ないよりはあったほうがいいものです。
こちらはPRO。 ご覧のように補強はないが、とにかく箱の精度が高い。
ユニットはゆいつのゴムエッジで、箱の容量が一番大きいが、低域は一番弱い。というか締まりがある感じ。
見た目は別として、精度の高さは質感の良さにもつながる。
これはスタジオ向けに作ったのかもしれないが、こういうノリで、まずは一般ユーザー向けに作るべきだと、おおいに感じます。
300を購入した人がかわいそうにも思う。ただ私の聴く限り、300が一番いい音ですけどね。
内容は同じで、コンデンサーの容量(実測)も同じ。 コイルは解らないが、手持ちの物と比較するとほぼ同じだった。
フィルムのほうが若干柔らかいが、300R
には、電解コンデンサーのほうが合っているので、組み合わせはいいと思う。
さて、改造にはいりますが、まずは何といっても低域を増やす事だけを考えます。
なので箱のチューニングから始めます。
まず最低域を稼ぐ為、ダブルバスレフにします。これは1cm刻みで試し、ヒヤリングで決定しました。
多少低い音がが出るようになったが、それよりも「 箱鳴り 」がかなり抑えられました!
次は吸音材。入れないのが、一番低域の量感はある。だが箱鳴りで中域が鈍くなる。
そこで、できるだけ容量をかせぎ箱鳴り抑える方法として、ウレタンスポンジを貼りました。
この箱にとってこれがベストセッティングでした。
2種類の吸音材を試しました。青いのはスベリ留めマットで、比重も高く凹凸があり、効果的な予感がしました。
箱鳴りにはウレタンスポンジのほうが良く、マットは高域減水に効果がみられました。
凹凸は、内部で音を乱反射させ、打ち消しあう、という効果が表れていたようです。
傷を補修後、蜜蝋WAXで仕上げ、底にコルクシートを貼ります。
ユニットは、一番素直でチューニングしやすい、ノーマル(300)を使います。
ただしこのユニット、スポンジがかなり崩壊していたので、作り直す事にしました。
元のスポンジを奇麗にそぎ落とし、あらたにウレタンスポンジを貼りつけます。
一日おきテストしました。これがけっこう高域の反射を抑えてくれて、明瞭な音になりました。
違いは多少ですが、なんか新品のようにシャキッとした感じです。
他のユニットは全て補修してしまったので、やり直す気にはなれませんが、少し後悔しました。
さて、箱のチューニングだけでは満足できないので、ここももちろんチューニングします。
まずは低域確保の為、TWの能率を落とします。
次に少しづつ能率を上げながら、TWのクロスを設定、低域の出具合と中域の明瞭具合を確認しながら
バランスを取っていきます。 かなりの数を試したので、大変な作業になりました。
完成したネットワーク(ターミナル)を箱に取り付け。背面は再塗装しました。
完成!!!
Rどうしの2ショット。
今回は低域増量が目的の為、トグルスイッチ(可変式)は取りつけませんでした。

さっそくインプレに入ります。
元は中域がシャープで、低位はバツグンだが、少しうるさい。低域も弱く、薄っぺらい迫力の無い音でした。
改造後
低域はアンプのBASEを、15分上げたくらい増量。 中域の厚みも若干でる。
一番は、伸びるようになったので、迫力も増して聞こえるようになった事。
低域が増量したので、若干だが中域は曇ってしまう。
それを解消するために、やはり若干だがクロスを落とす。
同時に高域も、曇るか曇らない微妙な所に、能率を合わせました。
これにより、この同軸ユニットの最大の特徴である「 定位の良さ 」がそこなわれず、
ボーカルの輪郭がシャープで、「 そこにいる? 」感が味わえるようになりました。
と言ってもバランス比重を下げているので、そこにいる?感の具合は
これ<500R<自作物 といった割合。

とにかく低域が出ないだけで、バランスを取るのが非常に難しかった。
気持ち的には、もう少し中・低域の厚みが欲しく、TWの能率をあと1、2Ωさげようか、とも悩んだが、
それだと、中域が曇り、同軸の良さを味わえなくなる。
そんな感じで試行錯誤してきたわけだが、このスピーカーとしては最良のセッティングが出た、と思っています。

置き場所だが、背面ポートなので、背面は壁(1〜2cm)に近ずけたほうが、より低域の量感を感じられ、迫力が増します。

クリアー質の傾向なので、クラシック、J-POP、ロックなど合いますが、
音楽だけではなく、TVやパソコン用途で使うにもベストです。
通常女性ボーカルに合わせると、男性ボーカルに違和感を感じる場合があるが、
これはまったく違和感なく、ピアノの鍵盤をタッチする力強さも大丈夫、といったところです。

最後に。
小さくてかわいい、どこにでも気軽に使えるようなサイズだが、
音楽再生能力だけを考えると、内部にもぅ1ユニット仕込むとか、何か工夫が必要になる。
根本的に箱、ユニットすべての問題であり、
コンパクトサイズで心を打ち抜くのは、難しいなァ-と感じました。
これはこれでレベルの高いスピーカーに改造できたが、私が作った自作箱を聴いちゃってるから、そう思うところもあるんですがね。
もぅ少しこのシリーズが続きそうですが、のちに他メーカーの同軸ユニットも試したいと思います。

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