ネットでRogers LS3/5a という単語を目にすると、英国BBCという文字も付いてくる。
ダイヤトーンとNHKの関係みたいなものでしょうか。
一口に、モニタースピーカーと言っても千差万別、特に日本製と外国製では、全くと言えるほど味付けが違います。
私は当初より、ONKYOのモニター500を、モニタースピーカーの基準にしてました。
だがこのモニター500、他のモニターとは、だいぶ異なる存在。
LS3/5aとは、真逆と言えるほど、方向性が違います。
何を基準にするかで、他の評価がずいぶん変わると思いますが、
私の評価は、気持ち良く聴けるかどうかを重視している。


Rogers(ロジャース) LS3/5a Monitor 1976年〜 1台 75000円
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット ・低域用:11cm コーン型
・高域用:2cm ドーム型
再生周波数帯域 80Hz〜20000Hz
インピーダンス 11Ω
出力音圧 90dB/W/m
クロスオーバー周波数 3KHz
外形寸法 幅190×高さ300×奥行160mm
重量 5.5kg
パッと鳴らした時、以前のLS3/5aとは、ずいぶん印象が異なりました。
簡単に言うと、こもってるんですよね。 高域の能率が低く、前ではなく上に抜けるよな感じに聞こえてくる。
その分、中低域に厚みがあり、低域はいいが中域は微妙なところ。
SA/F80AMGの前・後期型の違いに、よく似ています。
メンテやエージングでどれだけ変わるか気になるところだが、さっそくバラしてみましょう。
前面、8本のネジを外すと、Fバッフルが外れます。
ネジが硬く、手動だとネジ山をなめる恐れがあるので、
電動で一気に回し、外します。
ご開帳♪
以前より刺激臭は少ないが、何かの匂いはしました(笑
Fバッフルは本体にギチギチに収まってません。
本体を軽く傾けるだけで外れるので、注意も必要です。
でましたT27。 このシリーズでの顔ですね。
ただこれに関しては、ずべての力を出し切れていないように感じました。
深い音を出すのがこのB110。
サビが出ているが、わりと綺麗。
ドーン!っと出ました、最大の特徴でもあるネットワーク。
右は以前メンテした15Ω版。 構成は変わってないように見えるが、部品のグレードがだいぶ良くなってますね。
グレードがいいから音がいい!、とは一概には言えないが、コイルをきちんと密封してある所なんかは、注目できる。
一番最初の、トランス搭載モデルも見てみたいですね。
以前の印象で、次はバスレフに改造しようかな?と構想を練っていました。
だがこのLS3/5a、その必要がないほど質のいい低域を奏でる。
ただ気になるので、一応簡易テストをおこなってみた。
矢印のように隙間を開け、バッフルを手でしかっり抑えての音出し。
箱の容量が小さいせいか、100Hz以下の低い音は、質・量感共にそれほど変わりませんでしたが、中域が張り出してくる。
張り出し量はかなりのもので、隙間から出てる音と言うよりは、箱全体が響いてくる音。
右写真でも解るとおり、この箱は共振を入念に抑える設計になってます。
それでもファンファン響くわけですから、B110は強力なユニットだという事ですね。
やはりここでも、低域の問題はエンクロジャーにあり、と言ったところでしょうか。
ターミナルを交換します。 このターミナルのプラ部分(赤黒)はヒビが入りやすいようで、これも入ってました。
線材は銅・より線だがグレードは解りません。以前のLS3/5aも同じタイプ。
こういうスピーカーは錫メッキが多いなか、ストレートは珍しいかな?なんて感じます。
太さ1.25mmほどで、特徴は柔らかい。
柔らかい線は解像度が鈍く、高域の伸び悩みも気になるが、逆に低域はストレートで量感も出る。
硬い線やメッキものは、解像度が高まる方向で高域重視感がある。 加えてメッキは、耐久性も良い。
そんな印象だが、変えようか迷ってます。
とりあえずロスが少なくなるよう、ワッシャーは金メッキに交換します。
ターミナルも交換しました。
あまり使ってる人は見かけないデイトン。
特徴は色で、黒黒が新鮮かっこいい。
デイトンは値段のわりに精度も良く、品位もあります。
取り付け。
緩み防止の為、ナット周りにはエポキシを塗りました。
箱はわりと綺麗だが、何か所か傷があるので、徹底的に補修した。
仕上げは薄色で配合したOIL。
底にはコルクシートを貼ります。
ユニットは外し、ネジも含めサビを取り防腐処理をした。
TWの鉄製カバー部、茶色の接着剤は黒で塗装。
ウーハーエッジはゴムなので、劣化しにくいよう浸透剤を塗る。
元々綺麗だったが、さらに磨きがかった具合。
組みなおし、完成! じっくりエージングします。 STWと並べてみました。
ちょっとノッポさんですかね。  セッティング場所など、色々とアレンジできます。
最初、下置き(下の写真)がいいかな?なんて思っていたが、上下はそれほど変わらず、
志向性の強いSTWを、目線の高さにするのが、一番気持ちよく聴けるでしょう。
ホーンは左側写真のように、横向きがまとまりが出ていい感じ。
広い部屋の場合、広がり重視の縦や、隣に並べてもいいかもしれません。
ポピュラーな線材、ベルデン9497。
芯線を長く飛び出させると危険だが、STWの配置をアレンジできるよう、ターミナルは横向きにしてみた。
まァ、向きは簡単に変更できますけどね。
背面はこんな感じ。

さて、インプレに入ります。 まずはLS3/5aのみ。
エージングによりだいぶ馴染んできたが、ソースによっては多少のふんづまり感は残る。
POPは割といい具合で鳴ってます。
中域、ボーカルの輪郭は、若干だがシャープになった。
中・低域に厚みがあるので、どちらかと言うと色気タイプだが、
ネットワークでかなり響きが抑えられてる事に加え、密閉方式が相交じり、
中域は凹み〜フラット感漂う、スッキリ高解像度タイプとも言える。
11Ωで、一番いいのは低域。 
以前のLSは、中・高域が出ていたせいか、ラジカセのような軽い音に感じたが、
このLS3/5aは、深くて重い音が出てくる。
サイズ以上の量感で、密閉のわりには伸びてくる、だから下の物足りなさはまったくない。
この「 コクがあるのにキレがいい 」低域は、とても気持ちの良いものです。
一般ユーザーへ意識を向けたのか、改良型は低域の改善が多く見られる。
日本製でも改良型は多く出ており、特にONKYOにはこのように、低域UPが見受けられる傾向です。

全体的には外国製の特徴でもあるスッキリタイプ。
つっぱった音が少なめで、個々の分解能力が解りやすい、解像度が高く感じられる音。
リアル系クリアー質という事や、つっぱり感・響が少ない為、スピーカー周りにへばりつく傾向もみられる。
その辺りは置き方や場所なのどのセッティングが重要事項かと思うが、
やはりこれはモニターなんでしょうね。

音楽を聴くのであれば、気持良く聴きたい!
という事でスーパーツィーターを加えた訳だが、どうせなら見た目を純正風に、という具合で制作してみた。

このスーパーツィーター、中点ありのトグルスイッチにより、
6dB/oct OFF 18dB/oct の切り替え式 」にしました。
6dB/octは約5Kカット、なだらかに落ちるようにした。
これは中域を被せる事ににより、ボーカルの輪郭がシャープになります。
18dB/octは約12KHzあたりで、スパンと切るカットの仕方。
これがSTWとして、もっともそれらしい「 透明感 」を感じられる音。
できるだけ嫌味な音がでないよう、コイルは入念に調整した。
スイッチの真ん中はOFF、音が出ないようになる。

6dBと18dB、どちらもLS3/5a本体の音を「 じゃましない 」程度、少し低めの能率設定にしました。
特に6dBの場合、能率によってはボーカルの音がかなり出るで、雰囲気がガラっと変わってしまう。
その辺をできる限り「 LS3/5aの味を消さず 」足りない部分をたしてやる、そんな感じに仕上げました。

このリボンTW、爽やかで嫌味がなく、どんなスピーカーにも合わせやすい。
だからまとまりもよく、眠くなるほど心地いい気分が味わえる。

よく上が出ると下が消えるという傾向もあるが、それは上が出すぎ、能率が合っていないからである
ビタッーと能率が合うと、低音まで良くなったかのような全体音に変わります。
自作スピーカーを作り、一からセッティングすると解りやすいが、
低域は、「 生かすも殺すも高域しだい 」そんな風にも言えます。
今まであまり関心がなかったSTW。
オーディオグレードの底上げを謀るなら、アンプやCDプレーヤーなどの機材を変えるより、
断然効果的な方法の一つだと感じました。

最後に。
1年ぶりに再スタートした「 ヴァリアスクラフト 」ですが、とにかく腹に響く重低音!から、
締まりある解像度の高い低域へと、好みも変わってきたようです。
これも経験による変化かもしれません。
音楽をこよなく愛するなら、一度はSTWを試してみるのもいいでしょう。
密閉をお使いの方は、1年に一度はフレッシュエアーを入れてやってくださいね^^
只今、自作系スピーカーの製作中です。 次回もお楽しみに。


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