●DIATONE DS-11XL \38,400(1989年発売) バスレフ方式・防磁タイプ 使用ユニット 低音用:16cmコーン型 中高音用:3cmドーム型 インピーダンス 6Ω 再生周波数帯域 50Hz〜30000Hz 音圧レベル 90dB/W/m クロスオーバー周波数 5000Hz ポート共振周波数・約70Hz エッジがダメな状態で、音出ししてみると、えらくクリアな中域だなぁ、これクロス5K?と思った。 真相はいかに!? |
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●中央はDS-55XL・ボロンTW。22cmWF。 | ●さっそくユニットを外します。 | |||
●55XLはボロンだが、これは樹脂ドーム。プラ製ミツビシの分割仕切りが付いている。 なんてことない、普通のTW。だが、上が綺麗に伸びてるんですよね〜。 |
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●口承16cmだが、事実14.5cm位だろうか、一回り小さく感じる。マグネットは普通。コーンは紙は小さい凹凸のある紙に、コーティングが施されたもの。 エッジはウレタン。風化しボロボロですね。 |
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●エンクロージュア内部。材質はバーチクルボード。右は下部。左は上部。ポートが見えますね。 容量は約12Lで共振周波数は70Hz。背面と底にフェルトが貼ってある。 |
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●えっ!?コンデンサーが1個のみ(矢印)。クロス5Kって・・・。 数値は2.2μF。データシートを見ると、約8Kでカット。 で、ウーハーはスルーのフルレンジ動作でした。これがクリアーに聞こえた訳だったのですね。 赤い点、エンクロージュア背面を見た時、ここにネットワークが付いてるのねっ、と思っていたが実際はダミーでした。たぶん、付ける予定ではいたんでしょう。DS-300は同じような場所にネットワークが付いてます。 サイズも近いだけに流用かな? |
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●さて、エッジを張替えます。外側からドライバーでコジっていきます。その部分より、シンナーを少量、流し込むのですが、これ接着剤が強力で、それでも簡単には取れません。ヒートガンで少しづつ暖めながらゆっくり外していきます。 ヒートガンがなければ、ドライヤーでもOK。 紙コーンなので、暖めても多少は大丈夫ですが、プラ製コーン場合、変形する恐れがありますので、その場合は使わないほうがいいでしょう。 |
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●コーン紙裏側。ウレタンが風化してるので、簡単にポロポロ剥がれます。指で転がすようにやさしく剥がすのがいいでしょう。指がベトベトになりますがw 布エッジの場合、ヘタに剥がすとコーンが破ける場合があります。 その場合はヘタに剥がさず、上張りしましょう。 ガスケットも全て取り除き、綺麗になりました。 |
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●エッジを張ります。エッジは自作物。 ボイスコイルとフレーム&ヨークにクリアランスがある為、比較的簡単に貼れます。外周のゴムリングを接着、汚れを落とし完成。 張替え後は、エージングを必ずしましょう。 | ||||
●鉄製ネットを外し、清掃しました。ささやかですがブチルを貼っといてやります。 | ||||
●これで、ユニットの完成です。 右のエッジ、赤線の所に切り込みを入れておくと、貼りやすいです。 実はこのエッジ、失敗作(>▽<;; 今回使った布は、以前より厚めのもので、そのぶん縦横しっかり伸びてくれます。液体の濃度は以前と同じですが、布に厚みがあるぶん、硬くなってしまった。 さぁ!貼るぞっ!って時に解ったので(TT) 濃度を変えて、又作り直しました。 |
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●フルレンジ動作とわかれば、これを変えずにはいられません!(^^; 今回、ケーブルの変更では無く、追加してやりました。 右が追加後。 TW(黒・白)だけ軽くねじってあるのは、何か意図があるのでしょうか?製作者に聞いてみたいものだw |
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●追加したケーブルはこれ。より線を単線のように束ね、銀メッキでコーティングしたもの。スナータイプで、珍しいものです。 バランス重視にするには、極太の線が有効ですが、銅と銀のハイブリットもかなり有効な手段です。 メーカーもハイブリットのケーブル出してますよね。でもそれは、1本の被覆に束ねてあります。 電流が芯線の表皮を走るならば、別々のほうが、表面積が大きくなり、有利という訳です。解っていても、コスト上、メーカーはやりませんけどね。自作ならでは。 10万や20万、はたまた100万以上するバカみたいな、RCAなんかありますよね。たいがい、こういうハイブリット構造の物が多いんですょ。 例えば純度の高い銀で、太さ2mmほどある単線。単線で2mmもあれば表面積も稼げるので、低域も十分に出るようになります。 ですが!メートル2、300円の安い銅線を追加してやるだけで、さらに驚くような低音が出るようになります。 銀と銅。長所をうまく噛み合わせてやれば、バランス良いケーブルができあがります。試してみては。 |
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●エンクロージュアの仕上げに入ります。液体クリーナーで浸した状態。鏡面に見えますねw 明るめの、赤・黄系の色は、鏡面仕上げも悪くないが、こういう渋い色の鏡面は、あまりかっこよくありません。と感じます。右写真、TWの段差部分が塗装してある。こういう細かい配慮は素適ですね。 |
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●さて、外装をお決まりの蜜蝋ワックスで仕上げたのですが、どうもこの箱、鳴くんですよね。 響きがいい、と言えばそれまでですが(^^; 重さにも現れているよう、70年代のダイヤは、もっとしっかりした作りになってます。 で、とりあえずグラスウール入れます。これで少しは抑えられるでしょう。 |
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●メーカーが作った、フレレンジ+TW。能率が気になるので、こんな感じでテストしました。 | ||||
●全てのユニット装着して完成! まず、インプレですが、一言で言うと、聞きやすいクリアーな音です。 TWとウーハーの能率バランスも悪くないので、シャリシャリしていません。 癖の無いウーハー、伸びはそれほどでもない為、逆に中域(ボーカル)の重なった部分に嫌味が無い。 実はTWのコンデンサー、2.2μFですが、実測値は3.5μF。 3.5μFだと、だいたい5Kカットになるんですよ。 8Kでカットしてるから、ウーハーはミッドバス的に上が伸びてるのかな?と思いきや、そんなに伸びていない。 これで、バランスが取れているのは、やはり無饗音室で、きちんと測定して出した結果かな?と思いました。 昔のコンデンサーって、表記数値のわりにサイズがでかいから、実測値も大きいものが多いんですょ。 ウーハー、低域の量感はまぁ普通。なんというか自作スピーカー的な音だが こういうの、以外にひたしみやすく、ソースのジャンルを問いません。 これから自作スピーカー、それも2wayにチャレンジしたい方には、もってこい!の「 素材 」です。 癖の少ないユニットだから、コンデンサーとコイルを用意し、様々なクロスによる音色の違いを確認できます。 サイズも手頃。箱の響きが多いほうで、その響きを生かしたり殺したりで、鳴り方の確認も容易です。 響きの少ない箱を響かせるのは、無理ですからね。 私が、これで改造するとすれば、まずウーハーを3K辺りでカットするかな。 ダイヤフリークの私としては、あまり文句を言いたく無いが、しいて上げるなら箱がダメかな(^^; まぁそれは、ダイヤの70年代物と比べて言える事で、他メーカーはこんなのいくらでもありますけどねw ですが、TWいいですよ! 触った感触はおもちゃっぽい所もありますが、巷で売ってる1〜5、6千円辺りのTWより、よっぽどいいです! ボーカルの耳にツクような音も無く、上も綺麗に伸びてます。 私が、自作スピーカーでダイヤを使っているのは、もちろん値段もありますが、色んなユニットと比較した場合、鳴り方がとても自然。癖が無いから、好みの帯域でビシッと決まる。 だからいつも優秀なユニットだなぁ〜と感じています。 最後に、55XLも同時にメンテしてますが、この11XLどうよう実際見て感じたのは、まず高級感ただよう雰囲気を持ってる事。シートが安っぽくない!し、とてもシックで色気がある。1000や2000の雰囲気をかもし出してます。 DS-300、DS-500辺りの購入を考えているのならば、見た目もそうですが、音質的にも 絶対こっちがオススメです! DS-500・・・売りづらくなってしまいそうだが( ̄Д ̄;;www |