●ONKYO D-502A \49,800(1台、1993年発売) バスレフ方式・防磁型 ユニット・低域用:20cmコーン型・高域用:2.5cmドーム型 ・クロスオーバー周波数 2800Hz 再生周波数帯域 32Hz〜35000Hz・インピーダンス 6Ω・音圧レベル 90dB/W/m アコースティックで自然な音色と優れた音像の立体的定位を目指したスピーカーシステム。 6Nのボイスコイルを採用。信号を伝送する能力が飛躍的に向上。 低域にはアドバンスド・バイオクロスコーン振動板の採用によって、ピーク、ディップの少ないスムーズな ロールオフ特性を実現しています。などなど。 バランス派のONKYO製にしては、珍しくバランス悪い。 加えてここの所、いい音のスピーカーつづきだった為、これが最悪に感じてしまった(^^; なので大改造の道へと進む事に。 |
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●まず、なんだこれ?20cmウーハーなのに低音がぜんぜん出ない。というより、150Hあたりが持ち上がってる感じ。 なんと言うか、ポコポコした音というか、軽い低域。12cmユニットと同レベルに感じた。 さっそくダクトチューンや、モニター500のネットワークを付けたりと、色々やってしまう。が艶がまったく無い。 |
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●TWを外して驚いた。ガムテープが至る所にペタペタと。ブチルゴムがべったり・・・。 いかにも後からやりました!ってな感じだったので、前オーナー(知り合い)がやったのかな?と聞いてみると、何もしてない!との事。メーカーに問い合わせてみた。どうやらメーカーの仕業らしいw なにか納得がいかないから、後から色々やってしまう、そんな風に感じた。 |
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●ウーハーにもガムテープ。エンクロージュア内部、ユニットを固定する補強が見える。 この補強、私は自作スピーカーで試していますが、ウーハーは◎。TWは×です。ウーハーの振動を箱に流す目的としては有効だが、TWもやってしまうと、その振動をもろに受ける状態になる。 なのでTWのほうは、ブチルを剥がし、非接触としました。これでユニットの能力も冴えるはず。 |
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●このサイドについているネットワークはTW用。分割されてました。質は普通。 | ●内部底部分に丸い板が貼ってある。 「オンキョウ特有の吸音材を斜めに張る」のと合わせ、定在波の軽減が目的だろう。 矢印の補強板、中央に窪みが見えるが、受けのコインのようなものは、ずらして貼ってある。設計ミスかな?w |
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●ウーハー後部、鉛のようなものが付いてます。真ん中のネジと、補強板のコインが接触するように考えられていたのかな?フレームは強硬だが、マグネットはそれほど強力ではありません。 エッジはゴム。見た目、破れも無く、硬化もしていない、指で押すと弾力もある、ですがダメです。 軟化剤にシンナーを混ぜたものを、裏表に何回か塗っていきます。 |
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●一晩おき、さらに弾力が復活しました。ここで割れたり、しなやかさが出ないようなら、エッジ交換となります。 エッジを押さえるゴムリングを外してみると、矢印のように、エッジの貼り方が「超・ザツ」でした(^^; これじゃぁ、ちょっとした振動で、歪がでる可能性があります。中国生産?もちろん貼り直します。 |
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●不可解なものパート1。コイルから出る配線部分に、ブチルゴムが貼ってあります。通常は接着剤で、ポツンとした点ですが、なぜブチル?コーンの鳴きを押さえる為?いずれにせよ「左右のみ」2箇所というのが、バランスが悪く、どうせ貼るなら上下左右、4箇所にして欲しいものだ。 テストします。私はユニット単体でテストしますが、この時、大パワーをかけます。アンプのボリュームで10時〜12時位。 小音量で問題なくても、大音量で歪がでたりするもんなんですよ。もちろん深夜はおこなえません(^^; |
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●不可解なものパート2。これも左右2箇所に接着剤が、しかもエッジにあたる部分。目に見えないだけで、TWもかなり振動しています。その振動を吸収するのがエッジ。これでは、上下運動のさい「バランスが悪く」片よりが起き、歪の原因ともなります。もう少しズラす事はできなかったのか?ビクターはこういう事絶対やりませんょ。たぶん(^^; | ||||
●TWの改造は難しいので、オイルを入れる事にしました。これはデンマーク製ユニットに数多くみられ、スキャンピークも一部、おこなってる方法です。まずオイルが漏れない用、シリコンで土手を作ります。 用意したオイルは、車のデフ用のもの。他のオイルより少し硬いのが特徴。ラジコンのダンパー用オイルでもOK。 少量で、硬さも色々あるので、一般的には、使いやすいかと思います。 中央の綿は干しておきます。 |
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●まず満タンにします。 | ●なじませたら、3割ほど取り除きます。 | |||
●コイルは柔らかいので、外す際、ちょっとした接触でも変形する恐れがあります。装着の時、写真の棒のようなもので、できるだけ真円にしてやりましょう。 | ●真上から、そぉ〜っと装着。ネットワークを付けてテスト。ネットワークはモニター500の物。クロス1.3kで下のチェックもできます。上質な音になりました♪ TW泣かせの音をUPしとくので、聴いてみてください。 |
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●エンクロージュアの仕上げに入ります。シートの剥がれがあり、そのシート、結構厚みがあります。 なので、底部より拝借しましたm(。≧Д≦。)mスマーン!! 剥がした所は塗装しておきます。 |
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●こういうはがれは、 | ●まわりをカット | |||
●接着。R部は軽くヒートガンをあてると、綺麗に貼れます。 | ||||
●段差を削り、 | ●塗装し完成。同じ材料を使っているので、補修としてのレベルは高いですね。欲言えば、もっと木目が合わせられると最高です。 | |||
●一見綺麗に見えますが、 | ●よく見ると汚いです。0を磨きました。 | |||
●プレートを外します。ネットを止めるゴムも外します。 | ●で、マスキング。 | |||
●何をするかって?フロントバッフルを塗装します!なんかグレーの石目調塗装が、どうも気に入らない(^^; 革を貼ろうかとも考えたが、4mmのR部が難。で塗装でそれらしく再現してみようと思いました。 凸凹風に仕上げる為、今回はローラーを使います。 このローラーと受け皿はダイソーで購入、210円! ホームセンターだったら、1000円位はしますよね。ローラーは広い面を、一気に塗れる事に適してますが、塗料が沢山必要になる所が難点かな。あと洗うのも大変なので、使い捨てを考えたほうがぃぃかも。ダイソーなら・・・(^^; |
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●塗料は、3部艶ほどに配合した黒。これは塗りたてですが、凸凹もまぁいい感じ。 右は乾燥後。革風にはちょっと・・・でしたが、ハイエンド感タップリの、いい具合で仕上がりました。 |
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●続いてネットワークを作ります。金色のコンデンサーはドイツ製のRoedersteinというもの。 ERO社と似てる。これが小さいのに、いい音出るんですよね〜。使ってみるまで、わからないものです。安いので大量にストックしてます。 切り替え式にするので右の物を使います。 ものは一般的なスライドスイッチだが、ノブがちょっとカッコイイ。余計な接点が無いので、ストレートな音がでます。 |
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●ダイヤトーンDS-10Bの部品を流用しました。コイル以外変更。コンデンサーは4個使用。配線は、TWにPCOCCを使い、透明感ある音を目指す。ウーハーには太目のOFCでバランスよく、ってな感じにしました。 データシートは参考にせず、モニター500のネットワークを参考にして作りました。フォステクスなどのデーターシートは、あくまで目安であり、メーカー製ネットワークのほとんどは、それと違います。フラット感が強いNS-10Mも。 クロスは、約1.4k。繋がり具合をかねてテストします。 |
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●純正ターミナルを外します。 | ||||
●スイッチ用の穴と、ポートの穴を開けました。この502Aはフロントにポートがあります。 一般的に、背面にある場合が多いが、フロントにあると、中・高域の音ものっかってくるので、特に中域(声)が厚くなります。 アコースティクな音が狙いでフロントポートにしてあるのでしょうが、いささかバランスが悪く感じました。 純正のポート共振周波数は約55Hz。もっと低い音を出したいので、背面ポートを40Hzに設定しました。 |
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●配線を繋いでいきます。端子部は↑のように。 右の写真、ごちゃごちゃして見づらいと思いますが、矢印部、TWのネットワークの下に、新たなネットワークを追加しました。ブチルとネジ止めで、強固に固定してあります。 | ||||
●スイッチに配線をつなぎます。 | ●スイッチプレートは黒で塗装。 | |||
●ターミナルを洗浄して、 | ●装着。 | |||
●スイッチをネジ止めし、バーンッ!と完成。「 KC-control 」クボタ・クロス・コントロールという意味。 KEF104のアコースティクコントロールに見習い、さっそく製作。プレートはプリンターで印刷して作りました。 プレートのおかげで、自作っぽく無いでしょ。色も純正風に合わせてみました。 クロス2800kと1400kの切り替え式。差があるので「 ガツン 」と変わります。 2800は純正のままですので、音色の違いも確認できます。 自分で言うのもなんだが、これいいですね♪ 材料費はかかるが、TWの能率を変えるより、ぜんぜん楽しめます。 3接点のロータリースイッチなどを使い、TW能率変化を、追加してやるのもおもしろいでしょう。 このKCコントロール、もっと簡素化して、これからバンバン作ろうかな?と考えておりますw |
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●ユニットを装着し、最終の音色確認をします。 | ●ネームプレート、ネット用ゴムを接着。 | |||
●背面ポートは、ブチルとフェルトで、このように仕上げました。 | ●形がちとイビツだが、これはウレタンスポンジ。フロントポートの調整用に使います。一回り大きくカットしてあるので、装着に問題はありません。 | |||
●外装を蜜蝋ワックスで仕上げ、完成!!! まず見た目ですが、ハイエンド風で高級機に見えると思いませんか?^^ インプレですが、オーバーホールせずに、いきなり音出しをした時、低音出ない、中・高域がガサついてる、という感じで「 なんだコレ 」と思いました。 ユニットのみオーバーホール後チェックすると、ずいぶん低音が出るようになりました。ですが、150〜500Hzが強い感じがあり、特に低〜い音が、掻き消されていると言うか、あまり聞こえません。 中・高域、特にボーカルの声は、「 オイル 」が効いたのか、しっとりと艶やかな音が出るようになりました。 改造後 背面ポートの追加により、量感はそれほど変わりませんが、「 低〜いウネリ 」が聞こえるようになりました。 これでバランスがだいぶ整いましたが、それでもやはり中域が少々出張ってきます。 中域が出張る音、JBL的な音、私は好きですが、 この502Aは、なんというか、品がないというか、音が安っぽいんですよね。 そこで、ネットワークの追加に至ったわけです。 2800Hz→1400Hz、クロスを下げた事により、ウーハー中域のピーキーさ、が減りました。そのおかげで、ボーカルの輪郭がハッキリし、解像度が上がったかのような感じです。 能率が絶妙でビシッと決まり、以外にも「 落ち着きのある上品な音 」が出るようになりました。 1400Hzの方は、ボーカルの張りこそ減ったものの、バランスが良くなり「 ハイエンド 」感タップリです。 おかげで、ソースの幅もグンっと広がります。 2800Hzは、ボーカル物にいいかと思いますが、どうでしょう。 1400Hzの時は、フロントポートに、スポンジを装着しない、2800Hzの時は装着するとバランスがいいです。 モニター500(クロス1300Hz)と同メーカーだけに、1400Hzで、かなりそれらしい雰囲気の音が楽しめ、加えて品格ある音になりました。 ぶっちゃけ、やっぱ20cmはこれ位の音が、ドーンと出てくれないとねぇ。 まぁ10万クラスのスピーカーなんで、ネットワークの切り替え式にして、元の音を確認できるようにしましたが、たぶんスイッチは1400Hzのままで使う事になるでしょうwww(^^; ネットワーク切り替え式、中域の質を変えるもので、こんなのあると、以外にいいですね。 「 KC-control 」、どんどん改良し、沢山作っていきたいと思った、今日此の頃です。 最後に、私のPCには何万曲あるかわからないほどのソースがありますが、 ちょっとツイーター泣かせの曲をUPします。 しっとり、なめらか、上品に聞こえれば、優秀な音(TW)では? チェックしてみては。「 こちら 」 |