●DIATONE DS-25B \28,000(1台、1976年発売) 2ウェイ2スピーカー・バスレフ方式 使用ユニット 低音用:25cmコーン型 高音用:5cmコーン型 インピーダンス 6Ω 再生周波数帯域 45Hz〜20000Hz クロスオーバー周波数 1500Hz(1.5KHz) 音圧レベル 90dB/W レベルコントロール 高音:3ポジション(1500Hz〜20000Hz) でましたねー25B。1976年発売で、31年物です! これより大きい30Bもあるが、どちらも今時にはない、ビックな2wayです。 メーカー文句 オリフィス構造採用のトゥイーターで、高音域の伸び・つや・リアル感を向上。ハイエンドまでスムーズです。 確かに!その通りです。だが、つやは少ないかな。 私が言う「 つや 」とは、ツイーターからでる声(中域)ではなく、ウーハーからでる声の部分。 どんなにつややかなツイーターで、下まで出そうが能率上げようが、最終的には全体音として聴くわけで、 ウーハーにつやが無ければ、カサカサの音に聞こえてきます。 肌につやがある、の反対はカサカサ。クリアーになればなるほど声(中域)はカサカサになります。 ちょっとややこしいですね(^^; |
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●メンテ前のインプレ。 初めに音出ししてビックリ!なんとバランスのいい事か。ツイーターとウーハーの音量が「 ビシッ 」と決まってる! さっきまで15B聴いてて、同じようなバランスにも驚いたw 3ポジションのHIGHコントロール、切り替わり具合もいい。声質の変化もある。 無段変速のアッテネーターと違い、音質劣化やガリもない。 HIGHコントロール、ノーマルとHIGHでバランスがいい。ローだと若干こもるが、ボーカルの厚み・つやは向上する。 全体音のバランスとは別で、ボーカル部分、ツイーターとウーハーの重なり具合が絶妙!うまいっ! どちらかというとクリアー系だが、25cmウーハーのおかげで厚みもある。 この辺りのダイヤには、同じようなツイーターがついてますが このツイーターは中域がぶ厚く、小MIDツイーターと思ったほうがいいでしょう。 このツイーターのおかげで、こんなビックな2wayが成りたっている!と言ってもいいくらい、過言ではありません。 写真のように床にじか置きなので、低音の量感はUPする。このセッティングで、ちょうどいいとも思ってしまうほどだが、 よくよく聴いていくと、やはり25cmウーハーの力は出しきれていない感じがする。 少しこもりぎみでもあり、ひく〜いドロンとした低音も不十分。 これはエッジをやり直して、じっくりエージングすれば、驚くほど変わってきます。 中域はクリアー質ですが、ウーハーの力がでると、厚みと同時につやも出てくるので その時の、ツイーターとのバランスが問題だが。 エッジレスキャビネット?という意味不明なエンクロージュア。いったい、どういう構造なのか気になります。 さっそくメンテナンスを開始するとしましょう。 |
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●ネジ頭はボルト型。ツイーターは難無く外れたが、ウーハーが外れません! ツイーターの穴から手をつっこみ押してみたが、穴が小さく力も入れづらいのでダメ。 極細のマイナスドライバーをフレームの下に押し込み、ようやく外れました。 少し傷ついたが、フレームの下で見えないので良しとしましょう(^^; |
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●エンクロージュア内部。エッジレスキャビネットとは?どこのことだかわかりませんでしたm(_ _)m 材質はパーチクルボード。まぁこの時期のスピーカーは、箱の作りが頑丈でしっかりしています。 吸音材はウーハー後、コの字型(結構多め)に、ツイーターの後と上部に配置されてます。 ダクトは角型で結構奥行きがある。 ダクトの入り口をふさがないようにか、吸音材はエンクロージュアに、ピンでしっかり固定されてます。 内部端子や金属部、疲労や錆びはほとんど無い。これもバスレフだからという所が、大いにあります。 |
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●ここをあけると | ●ネットワークがありました。 | |||||
●基盤。ネジ止めで外せます。 こういう基盤は入り口から追っていかないと、解読が難しいですね。オンキョウーは超複雑の物が多く、見てるだけで汗かいてきますw |
●HIGHコントーロール。 1回路3接点のロータリースイッチ。 スピーカーの場合、これが無難でいいですね。 アンプはボリュームが命!ともいえます。 |
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●さて、これのほうが解りやすいとおもうので、書いてみました。 無段変速アッテネーターと違い、一番HIGH側にはコイルが接続されてます。 コイルをかませてあるので、中域の声質が変わります!少し厚くなりました。 ローは抵抗で、能率を落としてます。 ツイーターはいいが、ウーハーはなんと3.2mHのコイルが付いていました!モロ3wayのようなw だがここから、ネットワークの奥深さに入ります。 この25B、ウーハーは「 コイル3.2mH ・ コンデンサー15μF 」という構成。 通常の定数をコイルで見ると「 コイル3.2mH ・ コンデンサー45μF 」で500Hzカット。 コンデンサーで見ると「 コイル1.2mH ・ コンデンサー15μF 」で1500Hzカット。 という事になります。 例えば「 コイル3.2mH ・ コンデンサー45μF 」の500Hカット、これのコンデンサーを落としていくと 中域が痩せてきますが、残響音が少なく、解像度が上がります。 「 コイル1.2mH ・ コンデンサー15μF 」でコンデンサーを20μ、F30μFと上げていくと 解像度が落ち残響音も多くなりますが、ぶ厚く・色気のある中域に変わります。 このカットのしかた、「 なるほどねぇ〜 」ダイヤ設計者の気持ち、なんとなく解る気がします^^ |
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●古いダイヤは、この手のツイーターが多いです。 80年代前半頃の物と比べると、少しマグネットが小さく非力です。 中域が少しだけ薄いですが、そのぶん10K以上の音がしっかり聞こえてきます。 このツイーター、「 伸びが良くなった 」とカタログにありますが、以前は伸びが悪い?またこれの5年後も悪くなった?w ぃぇぃぇ、どんなに伸びようが、それを生かすも殺すも全体音のバランスです。 |
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●これはウーハー。25cmとありますが、実際はもっと大きく見える。 フレームがぶ厚い!いいですねぇ〜。マグネットは小さめです。 スルーで聴くと中域に少し癖がありますが、その癖を生かしてもいいのでは?とも感じます。 比較するのもあれですがw 15Bのウーハーがいかに優秀かが解ってきます。 |
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●問題のエッジ。ダイヤの布エッジ、まともな物はありません!と言ってもいいでしょう。 かりに92年製だったとしても、15年は経ってますから。 テカリが固まったビスコロイドです。 ただビスコロイドが、エッジ凹みの中央に寄ってます。寝かせて保管した? まさか最初から、こんな塗り方をしていたのか!? んなわけありませんよね? |
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●強力シンナーで、ビスコロイドを溶かします。なんだか綺麗に溶けてきましたヽ(‘ ∇‘ )ノ マイナスドライバーで、溶けたビスコロイドをすくい集めたのが、手前の小皿に入ってるもの。 まずは、できる限り付着したビスコロイドを取り除きます。 シンナーを浸しただけだと、その時は柔らかくなりますが、シンナーが乾けば、また元に戻ってしまう。 シンナーで浸し、柔らかくなったビスコロイドを全体に伸ばしても、硬くてダメです(やってみました) だからメンドクサイが、一度全てを取り除きます。 次に、シンナーで極薄に伸ばしたビスコロイドを軽く塗り、ひっくり返してなじませます。 元々ビスコロイドは、エッジの裏表で処理してあるので、表を全て取り除いたとしても、 スカスカの空気漏れになる事はありません。 |
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●できました。一目瞭然ですね。当然ストロークも軽く、スムーズな動きになりました。 これ、エッジの表が凹なっているから、こんな作業もできますが、凸なっていたら、張替えのほうが楽かもね。 古いダイヤの布エッジ、見る機会があればよく見て触ってください。硬くてテカってますから。 |
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●このエンクロージュア、かなり汚れていました(>ω<) 汚れを取り、蜜蝋ワックスで仕上げます。 |
●これも汚いとイヤですねー。 黒い方が磨いたものです。 |
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●ユニットを装着します。端子にあるゴムカバー、こんなのが何気に酸化から守ってくれてます。いいです! 片側ウーハーのセンターキャップ、凹んでいたので修正しました。少し折れ跡が残ってます。 |
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●完成! 今後↑のような図が解りやすいと思うので、書いていきます。斜めだとややこしいので、垂直にしました。 インプレ まずエッジの復元をおこなう前より、パンチのある低音が飛び出してきました。 ドロンとした音ではなく、キレのある低音です。 バランスは崩れておりません。むしろ良くなりました。 中域は図で解るとおり、クリアーで凹んでます。 ツイーターを下まで引っ張っているので、少し残響音のような音が気になる。 基本的にクリアーな音や高域は、硬いイメージがありますが、この25Bのツイーターは約1.2Kでカットしてあり 中域までしっかり音が出ているので、10K以上が柔らかくツンツンしていません。 オンキョーのモニター500も同じようにクリアーですが、ツンツンしていません。 例えば4K〜5Kでカットしたツイーターは、ツンツン音が目だってくるので、全体音として硬いイメージになります。 25cmウーハーだけあって量感ももちろんありまが、なんと言ってもこの「 音に包み込まれる 」ような感じは 大型スピーカーならではの、とても気持ちの良いもので、小口径やフルレンジでは味わえない空気感と思います。 机や棚に気軽に置けるサイズではありませんが、6畳位の部屋でも、TVの隣りにドンと置いて音楽を聴く場合 これくらいのサイズの方が楽しめると思うし、やっぱでかいウーハーはいいですね^^ (防磁ではありません) ソースはボーカルものより、クラシックや楽器系音楽のほうが向いてるかな?と思います。 最後に。 このスピーカーを鳴らした瞬間、クリアーでリアルなボーカルに驚くことでしょう。 鳴らした瞬間、私もそぅ思いましたし、ほとんどの方にもそぅ聞こえるでしょう。 だが 本物のリアルではありません。 私はこと中域、特にボーカルに関して、初代自作作品であるRV-00(リアルボイス)を製作した当初より かなりのこだわりがあります。 アマチュアの歌手ですが、「 アカペラ 」で歌ってもらい、「 生と録音 」の聞き比べもしました。 細かく書くと膨大な文章になってしまいますが、生と録音 の一番大きな違いは「 残響音 」です。 この残響音が少ない方が、よりリアルに近づいてきます。 しつこいようですが、25Bのカタログにある文句の「 リアル感 」、先入観で期待してしまいましたが さらなるリアルを求め、改造することにします。 |
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●解像度とは、よくモニター画面などで使われる言葉ですが、音に置き換えると一音一音しっかり聞こえる、 という感じでしょうか。嫌味な音が目立つ場合、解像度が高いと目立ちにくくなります。 情報量と微妙に思えますが、情報量が多いと解像度が良い? 音がカブって聞きやすいのを、情報量が多いと勘違いする場合があるが、それは解像度が悪い? 自分で書いてて、頭がごちゃごちゃに混乱してきましたwww(@Д@;・・・m(_ _)m ようは 解像度が高い=リアル ということを言いたいのですがw |
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●基盤なので配線をバイパスさせ、部品をたしてやり完成。 3種類の音色の違いを、じっくり試聴し決めました。 |
●切り替えスイッチを付けました! 全面ダクトより出し |
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●上部に両面テープで固定し、完成!!! このスピーカーの、長所を伸ばした改造です! 赤でON!銀はOFFでノーマルの音です。見た目での操作性を、とりあえず解りやすくしてみました。 両面テープなので少しグラつくが、奥に移動させる事もできるでしょ。 右の写真は、ほぼ正面から撮ったものです。少し見えますね。 切り替えスイッチでノーマル音と聞き比べができる、私の自信の表れでもありますw(^^; 元々25Bがリアルだった事、25cmの大きいウーハーだった事が重なり、頭を捻らせる事で比較的簡単にできました。 スイッチONでけっこう変わります。 もっと差をつける事もできますが、最初はノーマルとの差が少ないセッティングでした。 あまり差が無いと「 あれ?変わった? 」と思われるのは嫌なので、少しだけ解りやすい差にしてみました。 聴いて下ください これが本物のリアルです! ちと過大表現かもしれませんが(^^; 傾向として図とほとんど変わらず、中域が少し凹みました。ツイーターの能率を少し落としてもいい気がします。 リアル=音がいい! とは限りませんが、クラシックやJAZZの楽器は冴えまくりです。 ボーカルは張り出すものと比べ、少し聞きにくくなり、苦手気味に感じますが 「 リアル 」なので、ソースやセッティングによっては、「 そこにいる? 」感が味わえます。 ボーカルものの場合、リアルスイッチONで、HIGHコントロールをローがいいかもしれません。 私はPOPがメインなので、厚みがあるほうが好みですが、こういうのがハイエンド的な音かも?と感じる所はあります。 もっと追求し部品を総取替えで、リアルを求めるのもいいですし、私好みの色気のあるボーカルにする事もできます。 ですが、何ヶ月頭痛に悩むことかと、考えさせられたりもしてきます(^^; 最後にA。 JBLの大型モニター系スピーカーが、どちらかと言うとリアル系サウンドだと思います。 ですがこの25B改は、4311ほど乾いてはいません。似てるようで似てない別物です。 中域を凹ます事が容易なのも、2wayならではの技で、3wayで凸する事は簡単でも凹のは難しいでしょう。 凸させたいから3wayにする!とも言えますが。 クリアーで凸張り出してくる中域、聞いた記憶はありませんが、3wayなら可能かも?しれませんね。 |