●ONKYO D-200 Liverpool \27,500(1台、1987年7月発売) バスレフ方式 ・防磁タイプ
使用ユニット 低域用:
16cmピュア・クロスカーボン・コーン型 高域用:2.5cmハードドーム型
再生周波数帯域
35Hz〜45000Hz ・クロスオーバー周波数 2400Hz ・音圧 89dB/W/m
ポート共振周波数・約
51Hz

まず、これ持ったとき「
何だ!?この重さは! 」と思ったほど重い。
当時人気があった(売れた) = 現在でも数多く出回る。 代表はヤマハNS-10M。 
今でも多く出回るD-500&D-200。人気の秘密は?そして、この重さの正体とは!?
●とにかく重い。それでいて、やけに頑丈。 フルパワーかけたいっ!がエッジがパキパキなので、気持ちを抑えバラしに入ります。
全体がワインレッド系の濃い色調。
フロントバッフルは石目調だが、黒っぽくて全体の雰囲気とマッチしている。ちょっとコジャレタ感じ。
●ユニットを外します。 ユニット外しても重い! 内部、一周フェルトで覆ってある。TWの場所、フェルトが塊になって詰めてあった。これは能率が高いのかな?と判断できる。
矢印部、何か丸い板が貼られていた。 ネットワークは独立式。 一般的なこの辺りサイズのエンクロージュとして、板厚は厚いほう。だがこの独特のズッシリ感、なんだろう?まさか鉄板とか挟んで無いだろうな?w
この秘密は、次回エンクロージュアを分解して解明する事にします。
●TW。これー重いょー! 外してびっくりTWとしては、かなり重いです。
見てわかるとおり、マグネットもでかそう。 
下のほうが、少しピーキー感の癖があるが、上がかなり綺麗に伸びる!
●すごいTWに期待して、ウーハーはどうかっ!? 普通でした(^^;
マグネットサイズは中位か。重さも見た目通り、ごく普通。 
このカーボンコーンはかっこいい!ね。センターキャップもカーボンにしてほしかった。
●さて、エッジの交換に入ります。 まず矢印部スキマにシンナーを少し流して、放置します。 ●15分後。マイナスドライバーでコジっていきます。
外れてきましたね。シンナーでボンドを柔らかくしてるから、簡単に外れるが、シンナー使わない時は、少しづつ、慎重にやりましょう。
●カーバーが外れました。このカバーはプラ製。けっこう厚みがあるので、シンナー無しでも大丈夫だが、それでもあまり力を入れると割れます。気をつけて。 ●残ったボンド、紙製のガスケットをマイナスドライバーで、そぎ落とします。私はここもシンナー流して作業しますので、比較的簡単に剥がれます。
綺麗になりましたね。 次にエッジを張ります。自作布エッジを使用。
この布は結構厚みがあるので、ガスケットは必要ないですが、ゴムエッジの場合、厚紙を丸く切って代用します。ガスケットが無いと、プラカーバーを装着したさいに
スキマができてしまいます。
ウレタンエッジの場合、厚みしだいですが、ガスケットを装着したほうがいいでしょう。
右矢印部、結構クリアランスが無くギリギリです(^^;
てゆぅかーその前に、この
ダンパーかなり柔らかい!一部分だけんでいるヘタリとは違い、全面柔らかい。
こういう柔らかいダンパーは、8cmや10cmなど小口径のものや、モニター系スピーカーに多く、センター出しと同時に、上下方向のバランスもとらなければいけません。初めてエッジ交換する人には難しく、オススメできません。
コイルがスレなきゃいい!ってもんじゃ無いんですよっ。
●柔らかいダンパーは、鋭い動きをするのが特徴です。その特徴を生かす為、
2種類のエッジを用意し、比較してみる事にしました。
どちらも布エッジですが、右は、
以前のバージョンのもので布が薄い。現行バージョンと比べると、ゴムエッジに近い。
カーバーを接着せずに圧着し、音出しします。普通の音量時、どちらもさほど変わりません。がっ!
ラウドネスONBASSをフルでパワーでかけると、右の旧エッジは限界がはやい。
へ〜、なるほどね〜。DS-11XLより、この新エッジにしたのだが、その時も、何かイイ感じだった。
エッジはコーンの動きを安定させるだけではなく、
振動の抑制も同時におこなう。
現行Ver.エッジは、何かうまい具合に振動を吸収・分散させているようです。
ただ布が厚いので、しなやかさを出す為、混合液の比率に苦労し、最初は失敗ばかりでした。
●エッジを内側→外側と接着し、最後にカバーを接着します。
カバー裏側、2本のラインがあります。そのラインの外側(矢印)に写真のようにボンドを塗ります。
●あとはひっくり返して、圧着します。上に1kg程度の重しをのせておいてもいいでしょう。
これで、エッジの張替えは完了です。

次にエンクロージュアにはいります。特に大きな傷も無く綺麗なエンクロージュアですが、汚れがひどいっ!
オクで大量に販売してる某所よりの購入ですが、クリーニング済みとはいったい・・・
水拭きかっ!?手抜きだろっw 色が濃いので、よけいわかりません。
●↑これがその汚れ。軽く拭いてコレ(>▽<;; 洗剤革命Uを使用、愛用しています。
汚れをシッカリ落とし、蜜蝋ワックスで仕上げます。中央部、矢印は蜜蝋を塗った所。違いが解りますよね。
●フロントにも蜜蝋を塗りエンクロージュアの完了。
ネジをできるだけ均等に締め付け、ユニットを装着します。 受けのナットがあれば別だが、木ネジの場合、トルク測っても中々均等にはなりません。
●完成!なんかしっとりしてるでしょ^^
●インプレ
まず驚いたのが
静粛性
なんと言いますか、風にゆれる風鈴の音ではなく、無風の場所で聞こえる「
チーン」という音(^^;
とにかく
ピアノがすごく綺麗!透明感がある。近い帯域の女性ボーカルも綺麗。
それより下や男性ボーカルは、やや潤いに欠ける。
20KHz以上でるTWは沢山あります。一般メーカー製では70年代〜あり、少し前のDENONは90Kなんてものも、ありました。だが多くのそれらは、はたして
肌で感じる事ができるのでしょうか?
そのような物は以外に少ないのが現状ですが、このD-200は、それを感じる事ができました。

かなり重みのあるTW、剛性の高いエンクロージュア、内部フェルトの入れ方などなど、全てにおいて、うまく機能してる結果では?と感じました。ぃゃ〜りっぱ。
2種類のエッジを試したウーハーは、レスポンスも鋭く上々。奥行き感もあります。
なんと言うか、振動を上手に受け止め、流してる、この厚みのあるエッジは、そんな印象があります。
共振周波数が約
51Hz。ポートで低い音をかせごう!と、がんばってる傾向がありますが、
このサイズ、
65Hz位の方が量感出てイイのでは?と感じる所もありました。
全体的バランス
  1  2  3  4  5
 高    中    低
ってな感じで
です。重心が上よりで、低域の量感が少なめ。ラウドネスやBASSを持ち上げてやるとバランスが取れます。そして、電気的に持ち上げすぎるとブーミーになりがちな低域ですが、
鋭いレスポンスのおかげで、密閉のようなシャープな「
キレ 」があり、とても気持ちのいい音がでます。
カタログでは、
クロス2400Hzとありますが、聴感的には1500Hz位に感じ
TWがんばってんなー 」という印象もあります。
だからと言って、変なシャリシャリ感は少なく、聞きやすい部類で、長時間でも疲れません。。

私的には、もう少し下が欲しい所ですが、このサイズでこの値段。立派なもんです。D-500は期待大かもね!?
このスピーカーはコンポとセットだったのか?これでJ-POP聞いた人も多いはず。
独立ネットワークといい、エンクロージュアの高剛性といい、
女性に好感持たれるような音質で、その辺りに、
人気の秘密が隠されていたのかもしれません。
ONKYOの箱は優秀ですね。クラシックなんかも、いけそうな感じです。
このサイズで、もっと低音欲しかったら、迷わずDENONがいいでしょう。

最後に、このD-200。数多く出回っていて、エッジがパキパキの物が多いですが、
これのエッジの張替え、少し難しいので慎重な作業を心がけるように。
純正エッジはゴムですが、私の
実験の結果から言うと、ウレタンエッジのほうがイイかと思います。
初めて張替え作業をする人は、やらない方が無難(^^;

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