●DENON SC-E535 \90,000(1992年) ・バスレフ方式 ・防磁設計 使用ユニット 低域用:17cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 音圧レベル 90dB/W/m 再生周波数 35Hz〜45kHz クロスオーバー周波数 3000Hz ポート共振周波数・約55Hz ★DENONはカタログなど、クロス値を書いて無いのが多いですが、そのほとんどが3K〜4Kです。 ダイヤトーンDS-55XL、中々バランスの良い音がでた。それと比べる為、候補に上げたのがこのE535。 音出しした時「 これはっ!? 」と好印象だったので、エッジに保護剤を塗り保管して置く事に。 今回、どっちが優秀なのか、興味深々比較してみる事にした。 ダイヤトーンDS-55XLの隣に並べると、E535は以外に小さく感じます。ダイヤが大きいのかな? はたして、どんな結果が出たのかっ!? |
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●ほこりかぶってますがw(^^; これ、ユニットのネジはカバーで隠されている。 赤い印の所を剥がすと、ネジが出てくる。ウーハーはゴム素材、TWは何かのプラスチックなので、慎重な作業をこころがける。 こういうのメーカーで修理する場合、バキバキに取って、新しいユニット、ポンっとつけて終わりなんでしょうねw |
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●バスレフポートより、LEDで照らし撮ってみた。 見えるのはTW。DENONおきまりのブチルが貼ってありますね。 |
●バイワイヤリング方式のターミナル。けっこうゴッツイ。 コレがあると便利! 私は、ユニットを別々に音出しする事が、目的ですが(^^; |
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●そのターミナルを外します。ネジ4本。 ウーハーユニットが見えます。 | ●矢印はウーハーのネットワーク。独立タイプでした。そのネットワークの下、エンクロージュア底部には、バッフル板をくりぬいた丸板が、再利用で貼られている。 吸音材は、小さめのフェルトが、所々まんべんなく貼られていた。 |
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●ターミナル裏に付いてるのはTW用ネットワーク。セメント抵抗、3発かましてありますね。DENONらしいw 左(並列→直列)の抵抗を調整すれば、能率が変更できる。 コンデンサはシルミック。電解コンデンサーの中では精度(誤差)も良く、癖の無いストレートサウンド。 ターミナルキャップは完全に外す事ができる。ジャンパーピンも外しクリーニングします。 |
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●よく階段型のターミナルは見かけるが、これは平坦型。 特徴はなんと言ってもこのジャンパーピン。 何金かは解らないが、かなりブ厚い!一般的なものより5倍ほどはあるだろう。 へたなジャンパー線よりも、これのほうが良いと思われる。 |
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●とにかく綺麗に磨きました。 | ||||
●知恵の輪ほどではないが、このジャンパー、外すのにチョットしたコツがいる。 まず矢印のように斜めにする。斜めのまま、上にスライドさせ、上にぶつかった所で又平坦に向きを変える。 平坦のまま、横では無く、手前に移動。これで外れます。ちなみに、このやり方以外は外れません。 スクリューキャップは、解りやすいよう外しただけで、全部外さなくても大丈夫。 |
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●パッと見、ゴールドリングが付いているように見えるが、それはたぶんボンド。矢印の所、コイルが見える。 銀色のダイヤフラムの上から、さらにもう一枚、透明カバーで覆ってある。 これは非常に珍しい! たぶんわざとこういうデザインにしたのだろう。ヨーロッパ人はすごい! |
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●ウーハー。写真でみると紙コーンのように見えたが、実際は何かメタルちっくなものだった。 素材は何かわからないが、いずれにせよガンメタ色の発色も良く、硬質な感じがする。 右写真、矢印部だが、コーンに金属プレートを付け、その上にブチルゴムのようなゴムが貼ってあり、さらにその上に、ダストキャップが取り付けてある、という構造。大変凝ったものだ! |
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●メロン?のそれより網目が細かいがw このウーハーいいですよ! ネットワークを通さない、スルーで聞いてみましたが、中・高音が綺麗に伸びてます。 最近聴いた、11&55XL、D-502A、E717などと比べてですが、フルレンジでいけそうなフラット感があります。 これこそ、クロス3Kではなく、4〜5Kがいいのでは?と、ふと思うほど癖が無い。 目が細かいので、慎重に徹底的にクリーニングしました。 グレーのフロントバッフルは塗装だった。 DENONのエッジはどれも良質で、硬化やヒビ割れは見たこと無い。 ダイヤ、オンキョーはエッジがダメなもの、多いですねぇ〜(T_T) |
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●エンクロージュアの補修に入ります。 矢印部、エグれていたので、底のシートを移植しました。 このエンクロージュア、一般的なものより光沢がありますが、鏡面ほどではない。 |
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●薄くクリアーが、かかっている感じなので、スリ傷が目立つ。写真は底部なので、よけい多い。 写真じゃ写りにくく、実際はもっと傷が目立つ。 | ●まず全体に軽くペーパーをかけます。2回目、600〜800番の耐水ペーパーをかけると、なお良い。 鏡面タイプのものは、この後コンパウンドで仕上げればいいでしょう。 |
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●少し太めの傷には、近い色目の塗料を流します。 プラモで言う、スミ入れ的な作業。 | ●塗料が乾いたら、液体ワックスを塗ります。 水と1:1で薄めた水性ニスなんかでも、使いやすそうで、いいんじゃないかな。 まだ若干、線が見えます。 | |||
●最後にお決まりの自家製蜜蝋ワックス(固まりやすい配合で仕上げた蜜蝋)で仕上げ。 角度により太線は見えますが、ほぼいいでしょう。 矢印部は、シートの移植。 完璧に仕上げたいっ!ならクリアーを厚く吹いてやればいいでしょう。 元々光沢が出てるシートなので、鏡面までもっていけば、高級なイタリアン家具風に見えるかもしれない。 E717、727の鏡面仕様もあるが、あれはちょっとかっこ悪いw |
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●で、完成!!! | ||||
●DENONのEシリーズは、SC-E202 SC-E212 SC-E252 SC-E535 SC-E717 SC-E727 SC-E737 と聴いてきました。 まだ聴いてないのがSC-E232 と SC-E757。 結果から言いますと、この535はバランスが最高です! ダイヤの55XLも、ダイヤらしからぬバランスのよさ。 で、この535もDENONらしからぬバランスの良さを持ち合わせています。 基本的に80年〜90年前半のDENONは、ウーハー高能率タイプが多い。 90年後半〜2000年n前半はAV・5.1の影響もあり、ガラっと変わりクリアータイプが増えていった。 80年〜90年前半、この頃のDENON製品は、オーディオマニアからすれば、上が出ない!ふんずまってる! こもってる!的な印象が多いと思うが、逆に「 小さいのにこの低音! 」 低音出るっ、つったら、やっぱDENONでしょう。的な、好印象をお持ちの方も、多いだろう。 変にシャリシャリしすぎずに、低音ズンズン迫力があり、聴き易い所もDENONの魅力だと言える。 2006年に出たSC-CX303。何か、ただならぬイイ感じの雰囲気を持ってる。 ピュアオーディオ復活の兆しもあり、たぶん購入しても、後悔の無い音質だと感じている。 横にそれましたがm(_ _)m それでは、ダイヤ55XLとの比較&インプレに入ります。 まず、ノーメンテのまま、左に55XL、右に535を繋いでみた。 えっ!? 最初に音が出た瞬間、かなり似てる音質に驚いた!とにかく似てる! 特にに中域、ボーカルの質感・張り具合はかなり似てる。 近い音質のスピーカーは沢山あっても、どこか何かは違うもんだが フォステクスのFE-83と87の違いよりも差が無い。能率は535はやや低い。 次に、高域だが、535の方が控えめで、55XLのほうがキラキラしている。 ユニットも違えばサイズも違う。 なのにこの似た音を聴いて、驚きをうまく言葉で表現できないほどですc(>ω<)ゞ 発売時期も近いだけに、新品で55XL買って、「 そろそろ買い換えようかな? 」次は別のメーカーにしよう。 と、この535を購入。 「 な、なんじゃこりゃ〜、おんなじジャン! 」なんて希少な体験をした人いるのかなぁ〜w で、535のインプレですが、Eシリーズはもちろん、Aシリーズ、SC-数字、やその他DENO製品と比べても 「バランスはイイ!」 ウーハーの能率が高くこもりがちなセッティングにしてあるのだが、このウーハーのせいか?変な癖もなく、柔らかく心地いいボーカルを堪能できた。 とは言えやはりDENON。他メーカーと比較するとウーハーの能率が高く、TWの能率が低い。 DENONらしいと言えば、らしさは感じられる。 そんなのひっくるめて、これだけ質の良い中・低域がでるのは、 全てにおいてマッチングが、バシっと決まったからではないでしょうか。 717は2回りほど小さいサイズ。それを考えると、優秀なスピーカーだと思う。 大きいものと比べるのも酷かと思うが、やはり低〜いうねりやキレが不十分。 この535は低〜いうねりが感じられる、質のいいスピーカーです。 最後の右側の写真は、右のグレーは純正で、左の紺はウール生地を引っ掛けてみた。 そう、JBLの4302に似た雰囲気になりました。 4302はあまり見かけず、人気があったかどうかは、解りませんが。 最後に、ダイヤ大好きの私として55XLのほうが「 イイ 」と言いたい所ですが、サイズの事や、大音量で長時間聴く事を考えると、この535を選んでしまうかもしれない。 ひっくるめると、好みはSX-V1、最優秀はKEF104かなw 見た目は55XLが渋くてイイですけどね^^ |