●今回はV1シリーズ51台目のレストアになるSX-V1X(以下V1X)の登場です。
オーナー様にチューンの依頼をされたV1Xですが、追加であるカスタムもご注文
頂きました。たぶんV1シーズで日本初となるカスタム、どうぞご覧ください。
●元々の状態。ぴかぴかのV1Xですねー。
あまりにも綺麗なので比較用に、
●いきなりレストア後の写真を載せて見ました。一皮むけて綺麗になっていてほっとしました(^^;
毎回ですが、このウーハーを綺麗にするには、超神経使います。
●まずは分解作業から。ユニット面が床と接触しないよう、スポンジ等で浮かして設置。背面にあるゴムキャップを外し、長さ20cm以上のロングドライバー(+)で奥にあるネジを外します。このときネジを内部に落とさぬよう注意します。私はドライバーの先端に両面テープを貼ってます。
●内部には写真下に見える白い吸音材が固定してあり、そのもこもこにつかまるとドライバーをうまく回せない場合があります。じゃまな吸音材をよけながらトライあるのみ。
●内部のネジ4つが外せたら、次は底にある足を外します。前面の2本だけ外せばOK。
●次は正面に戻り、ネットを取り付ける凸を外します。ネジ式ですがほとんど指で回ります。回らない場合は傷が付かないよう、ゴム+ペンチなどを使います。
●そーとっ本体をおこし、フロントバッフルをずらして外します。ケーブルの長さに限界がるので、バッフルを押さえながらケーブルを外します。これも強引にやると端子が破損する場合があるので注意が必要です。それとバッフルが固着気味の固体もあるので、根気よく作業します。
●フロントバッフルが外れたらネットワークを外します。ネットワークはターミナルに連結されてるので、ターミナルと固定のネジ4つを外せば外れます。
●今回はオーナー様に「 バイワイヤ仕様 」
にして欲しいとのご依頼です。純正風が良いかと思い、何個かチョイスしたターミナルから選んでいただきました。こちらコイズミ無線で購入。値段のわりには質が良く、シャフト部も5mm(純正は4mm)だったので、耐久性も良さそうです。
●キャップを置き位置決めをしていきます。
上の2個は純正位置。
●位置が決まったら穴をあけます。
●ターミナルを合わせて具合を確認します。
●次にネットワーク。コンデンサーとケーブルを交換しました。V1の場合ケーブルは悩みどころで、太い物や硬い物を使うと、衝撃で外れてしまう場合があるからです。内部を簡単に開けられない苦悩も。今回は純正ケーブルがあまっていたので追加しダブルにしました。これだけでも効率はぐんと上がるはずです。
●バイワイヤ仕様なのでこんな感じで取り付けます。一番の問題はネットワークの取り付け場所で、大きくて長いウーハーのマグネットにコイルが接触しないかひやひやでしたが問題ありませんでした。よかった。
●ターミナル、ネットワークを取り付けたら本体を綺麗に磨いていきます。磨いた後は汚れやほこりが着きにくくなるようテフロン系ワックスでコートします。
●傷もほとんど無く綺麗な固体だったので作業もスムーズにはかどり、一皮向けて綺麗になりました。
●フロントバッフルも同じように磨きます。
●ツィーターはキャップのクリーニングと内部コイルにOIL再塗布。これ適当に持ったりすると、むき出しの細いリード線がいつのまにか切れていたりするので注意が必要です。
●ウーハーはゴムエッジの弾力回復とダンパーの調整、そしてコーンの染み抜きをおこないました。何度やっても神経使う作業です。
●最後に逆の手順でユニットを取り付け
●祝!完成!

ぴっかぴかでかっこいいですね〜
●今回はV1至上、たぶん発となるバイワイヤ仕様の背面が主役かもしれません。
●純正風に仕上げました。使い勝手もばっちりです。
●V1シリーズの中で一番洗練された音質のV1X。
ユニットのオーバーホールとチューンによりリフレッシュされより磨きがかかりました。
初代V1やV1Aは中高域の処理に悩む場合もありますが、Xは問題ありません。
逆に低域の量感が少なく感じるので、ウーハーの調整は入念におこないました。

そしてたぶん日本初となるV1Xのバイワイヤリング仕様。
各ユニットの音質が確認できるのも長所の一つです。
もちろん使い勝ってのカスタムですが、なにやら不思議なオーラがぷんぷん漂ってます。
細めの箱なので、内部に手をつっこんだりの作業は中々苦労しましたが、やはり完成
した写真を見るとすべてが吹き飛ぶくらい嬉しいものです。
ターミナルのチョイスも良く、純正風に仕上がったのも功を奏しました。
唯一無二のカスタムがほどこされたV1X、オーナー様にご満足頂ければ幸いです。


最後に。
V1シリーズは最後の最後まで神経を使う作業の連続ですが、それが完成
したときの安堵感や嬉しさは倍増です。そして音がよければ尚良いですね。
これからも日本の代表選手としてリードし続けるV1Xでした。

次回。
JBLをどんどんどんーとUPしていきます。中にはレア機種も。お楽しみに。

VICTOR SX-V1X 1999年 \175,000(ペア)
メーカー解説:
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:2.5cmドーム型 ・低域用:14.5cmコーン型
再生周波数帯域 55Hz〜40000Hz
インピーダンス
出力音圧 87dB/W/m
クロスオーバー周波数 4kHz
外形寸法 幅200×高さ343×奥行263mm 約L
重量 8kg(1台)


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