●たいへんたいへん・・・(50回くらい)
諸事情により、長らく更新が滞っており、大変ご心配をおかけしましたm(_ _)m
レストアのご依頼を下さってるオーナー様、
常連様、ほんとうに申し訳ございませんm(_ _)m 順次UPしていきます。

●最初に、E-83Aが届いた時の素の状態での音出しインプレ

まずは一言
「 少し軽いが自然な音だな 」

密閉といえど、これだけ大きなキャビネットに30cmウーハーとくれば、それなり

の低域を想像していたが予想とは裏腹、低域は軽く、ウーハーがきちんと動い
ていないのか?と思えるほどの印象でした。低域が弱めだから逆に中・高域が
際立ち、全体的に軽めのフィーリングです。ただ中・高域から出る音、ボーカル
の声質など特に嫌みな感じがなく、ナチュラルで聴かせてくれる音色でした。
このトゲの少ない自然なフィールはアルニコを彷彿させるものがあり、年代を考
えるとアルニコの可能性大です。ツィーターの高域は最初貧弱でしたが、鳴ら
していくにつれどんどん調子が戻ってきました。この変はケーブルや接点を見直
すだけで大幅に改善していきます。ツィーターにもっとシャリ感が欲しいところで
すが、ホーンから出る中高域がけっこうワイドなので物足りなさはありません。
特に人の声はより明瞭、まさにザ・ホーンといった音色でした。

すでに50年近く経ったスピーカーなので、ネットワークの接触不良も大きくうまく
調整できなかったことなど、このあたりを改善してやれば激変するに違いないで
しょう。それと要はやはりウーハー。ホーンから出るインパクトの強い音に負けな
いくらいの重厚感が欲しいところです。そのあたりに重点をおきながらレストアと
チューンをおこないたいと思います。オーバーホールにより完全動作するウーハ
ーに仕上がれば、どんな音が出るのか今からワクワクします。当時の雰囲気や
バランスを崩さないよう心がけながらさっそく開始したいと思います。
●今回はすでに50年近く経つヴィンテージと言えるスピーカー、ONKYO E-83Aの登場です。写真ではサイズ感がつかめませんが、これけっこう大きいんですよ。だいたいJBL4311の一回りくらい。当時の日本製、598シリーズの大型SONYくらいでしょうか。バランスよく配置されたユニット、特に中域ホーンが目につきます。
●背面のコントロールスイッチ。
なにやら複雑ですが、フルレンジ(全部)と各ユニットそれぞれで音が出せる仕組み、マルチ対応のようです。
三段階のロータリースイッチですが、いかんせん接触不良が多きすぎてまともな音が出ない状態でした。
●大きいのでそっと寝かし、さっそくユニットを外していきます。
●正面からはウーハーのみで、ツィーターとホーンスコーカーは背面(中)から外す構造です。
ウーハーのネジは木ネジではなくボルトナットなので、空回りしないよう慎重に作業を進めていきます。
●出ました。アルニコです。
まだエッジやダンパーなど、動作が硬い状態でしたが、単品で音出しすると、変なつっぱり感もなく聞きやすい音色でした。完全動作すればどんな音が出るのでしょう、楽しみです。
●ウーハーの穴から中をのぞきます。
スコーカーのホーンが見えました。大きいですね。自作スピーカーにこんな大きいホーンを搭載するのが夢でしたが、これだけ大きな箱になるのであきらめ気味でした。4311にも付けたい!アコガレのホーンです。
●ツィーターとホーンを外す為背面板を外していきます。背面にたくさんのネジがあり、パッと見外れる構造ですが、中には外れない物がありやられる場合もあります。
●精度が良くかなりキツメな状態でしたが、ウーハーの穴からコンコンやり背面板を外せました。
ツィーターとホーンドライバーが顔を出します。キャビネットの内側には、グラスウールとフェルトで全周巻かれてました。ケーブルがギリギリなので、経年劣化、腐食でポロッといかぬよう取り外しも神経使います。
●背面板の裏、コントロールユニットの裏側です。ロータリースイッチに抵抗が付けられており、数が多く複雑怪奇な構造です。ケーブルは11本、空きの端子もあるので、場所をしっかりメモしてから外します。
●底の吸音材をよけるとネットワークが現れました。当時のコイルは良い物が多いですね。
●さっそく先に電解コンデンサーを、全てフィルムコンデンサーに交換しました。
ネットワークのベースが木材になり、それをタッカーで止めてるので容易に外せず、このままの状態で作業しました。少しやりずらいですが音質向上の為に腕がなります。
●こちらは中域スコーカーのホーン。アルミでしょうか?このドライバーだけフェライトマグネットに見えます。各ネジがいちいち接着されているので、分解するのもままなりません。腐食を直すだけでもかなり時間がかかりましたが、これも音のため作業を進めます。
●ホーンツィーター。こちらはアルニコでしょうか。これも各ネジが接着されており、分解するのもままなりません。徹底した物作り。恐るべし日本製。
●各ユニット仕上げの完成です。ウーハーの焼けを着色しました。私は水性等で塗るのではなく、油性で染み込ませるタイプでおこなうので自然な仕上げになります。ほんとうはツィーターを分解してOILを塗ってやりたかったのですが、まともにできたのはウーハーのみかもしれません。それでも出来ることは全てやりました。
●ユニットが外された箱。次はキャビネットの仕上げです。70年代から80年代はコストかけてると言いますか、質の良い木材やツキ板が使われてますね。
●小傷が多かったので一皮剥きました。
左が元の状態で右が仕上げ後。
表面を綺麗にするために削りましたが、突き板の厚みがわかりにくいので、手探りの状態で慎重に作業しました。薄いツキ板だと木目がすぐに消えてしまいます。
●大きいのでやりがい(たいへん)がありました。これで下地の完了です。
●次は元の状態に近づけるため、着色しました。カラーは茶色系とオレンジ系を半々くらいに混ぜたもので、けっこう当時の色味が出たかなと思います。しっかり乾燥させたあと、透明の自家製OILを塗りさらに磨いてを何度か繰り返し仕上げていきます。フロント(黒)も雰囲気が消えぬよう、薄めに着色しました。
●コントロールユニットはひとつひとつハンダをやり直し、接点を磨きなおしました。通常使う(フルレンジ)部分のターミナルだけ交換しました。
ウーハーを先に取り付けてから、背面板を取り付けます。
●ちなみに内容はこんな感じ。
●そして 祝 完成!

いかがでしょうか。
●かなり綺麗に復活できたと思います。
そして肝心のインプレッションへ
●後編 レストアとチューンが終わり、エージングもそこそこに
まずは一言

「 なんだこれ、すごくいいぞ! 」

届いた状態、ノーメンテでの音出しはどこかパッとしない不安定な音でしたが、
フルレストア&チューンをおこなったことにより、激変と言えるほどの変貌を遂げました。

簡単に言うと、まずは全体音、低中高すべての音が一皮剥けた状態になりました。
特筆できるのはやはりこの「
生々しい声質
元々優秀だった中域ホーンもレストアにより限界性能が上がったのか、柔らかい
中にもメリハリのある音には自分でも驚いたほどです。電解コンデンサーを全て
フィルムコンデンサーへの交換や、全接点をくまなく仕上げた結果が功を奏した
ようです。そして肝心の低域、ウーハーのエッジを柔軟にし、ダンパーをよく
動かし慣らした事で、重厚で深みのある低域が軽々と出るようになりました。
やはりスピーカーは低域が重要なファクターですね。

最後に。
アルニコは嫌みな音、ピーキーな音が出にくいというのが妙な安心感に繋がり、
それが結果的に良い音に感じるわけで、現代のスピーカーが決して届かぬ
自然なフィーリングが楽しめます。それが50年も前のスピーカーだなんて、
きっと当時の人は想像もつかなかったでしょう。
70年代の日本製品は素晴らしい物が多くありますが、それが50年の時を得て
完全復活しました。

ここに「 
日本で一番良い音が出るE-83A 」の誕生です。

あと半世紀は十分に使えるでしょう。日本製のポテンシャルを改めて実感しました。

次回
JBL 4305Hのフルチューンを予定しております(早めにUPできるよう努力します)
お楽しみに♪

ONKYO E-83AmkIII 1972年頃〜 1台¥約6万円
メーカー解説:E-83AmkIIをベースにアタック音などの一瞬の特性を追求したスピーカーシステム。

低域には30cmコーン型ウーファーを。
エッジやダンパーなどのサスペンション系によって機械歪を押さえると共に、エッジワイズ巻ボイスコイルとアルミ箔ボビンを採用
することで耐入力を高めています。

中域にはHM-500AmkIIの改良型にあたるホーン型スコーカーを搭載。
振動板には厚さ40ミクロンの超硬質ジュラルミンダイアフラムを採用し、さらにスロート部には新設計の二重イコライザを採用する
ことで中高域の切れ味を向上させています。

高域にはホーン型トゥイーターを搭載しています。
振動板には超硬質ジュラルミンダイアフラムを採用しており、高域の伸びや過渡特性を改善しています。
方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式
使用ユニット 高域用:ホーン型
中域用:ホーン型
低域用:30cmコーン型
再生周波数帯域 30Hz〜20000Hz
インピーダンス
出力音圧 99dB/W/m
クロスオーバー周波数 700Hz、7kHz
外形寸法 幅420×高さ720×奥行390mm 約L
重量 23kg(1台)


     ・・・    
   オーディオ12へ