●2019.2.6
今回はJBL L26のフルチューン&フルカスタム 2019年バージョンのご紹介です。
20cmウーハーの4301を一回り大きくしたタイプがこちらのL26・25cmウーハー。
一回りと言っても実物の箱は想像以上大きく、高さが610cmと4311よりも少し高い、
幅は逆に4cm小さくスリムなたたずまいが特徴的です。
先日UPしたビクターSX-V1Aは、私がレストアを手がけてちょうど50台目のメモリアル
でしたが、こちらのL26もちょうど20台目という記念モデル。だからいつもより腕が鳴ります。
L26の低音不足を補うスペシャルなレストアからチューン&カスタムまでどうぞご覧ください。
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●写真でもわかるようすごく程度の良い固体です。
とても大事に使われてきたことが一目見ただけ感じとれました。L26は25cmなのに20cmの4301よりも低域が薄く迫力がありません。そんなイメージを持たれる方も多いと思いますが、私は以前L26のプロフェッショナルモデルの製作を期に、ウーハーに独自にの改良を加えました。それにより低域も改善するので、今回も同じ手法をとっていきます。
●ユニットを外していきます。
まずは本体を寝かせますが、以外に大きく自重で傷つくこともあるので慎重におこないます。
●ユニットを外しました。
箱の水ぶくれも無く程度の良い固体なので、ユニットもすんなり外れました。L26をパッと見た時、真っ先にプレート周りのネジが見えるかどうかを確認します。こちらはネジが見えるタイプなのでネットワークを容易に外す事ができます。ネジが見えない箱は、ネットワークが接着剤とピンで強力に取り付けられており、外すのがかなり困難です。だからそのタイプの場合、ぶっちゃけ作業を避けたくなるほどです(^^;
●ユニットの状態。
左はアルニコウーハーの125A
右はフェライトツィーターのLE25−4

マグネット部分に緑青(ろくしょう)が出てますね。ただこれくらいの緑青はJBLでは普通の事です。一般的な赤錆が出てる場合はやばめで、コイルにまで錆がこびりついてる場合もあり注意が必要です。
●ツィーターもかなり綺麗ですね。
分解後はしっかり錆止め剤を塗り、さらに塗装で仕上げるので、どのような環境でも安心して使えるようになります。
●アルニコに多いこの緑青は、手で触ると粉のようにさらさら取れていきます。うかつに触ると手が粉だらけになるので、まずは掃除機で吸い取ります。
●次に表面を磨いて完全に錆を取り除きます。その後回りに見えるフレームと共に錆止め剤を塗っていきます。(透明タイプ)
●最後は塗装を重ねて完成。
ここまでやれば、よほどのことがない限り錆の再発は防げます。音はもちろんですが、ポートから出る空気も綺麗で、精神的にも良いですね。
●こちらはLE25ツィーター。
コイルを綺麗にクリーニングしたあとOILを塗りこみ、エッジをしっかり調整しました。それによりコーンツィーターとは思えないほど上が伸びるようになります。それがしっかりオーバーホールしたユニットの証です。
オーバーホールを終えたあと、最後に潰れたキャップを交換します。
●キャップはこちら。メキシコから取り寄せた物ですが、元々は一番右の黒々としたタイプです。
それを日光にあてて日焼けさせ色をぬきました。だいたい1週間から2ヶ月くらいと時間を変えて色味を調整してます。左にある一番白い物でだいたい1ヶ月半くらいでしょうか。ヴィンテージスピーカーの多くは日焼けによる劣化がほとんどなので、同じ物を作るには同じ症状にさせるのが一番です。塗装では出せない自然な雰囲気、色味が再現できます。
●左が交換したキャップで右は元々のキャップ。ほぼ同じに見えますよね。片方だけ黒いのはかっこ悪いし、かといって両方交換してキャップだけ黒くなるのも、またかっこ悪い。この手法をおこなえばどんな物でも自然に見せることができます。ただし時間と手間がかかるので、このようなやり方をしてるのは日本でも私だけではないかと思います。レストアに対する愛情ですかね(^^;
●次はエンクロジャーの補修に入ります。
よくあるのが、こんな角の潰れ。これは単純にパテを盛っていきますが、数回に分けて成型するのがポイントです。パテを箱の色に合わせておけば、仕上げの色付けや木目書きもだいぶ楽になります。
●L26でやっかいなのが、このフチぎわ。
矢印のように崩れている場合が多く、これも補修していきます。
写真だとわかりやすいですが、実物は小さく補修も大変です。JBLはなぜこんなフチを残したのか?フラットでもいいと思うのですが、デザインなのでしょうか。仕上がりを良くするためコツコツやっていきます。
●傷や欠けを補修したあと、全体の塗装を落としていきます。1枚目の写真でわかるようとても綺麗な固体ですが、部分的な色ムラがあったので塗装を完全に落としていきます。それによりまるで新品のような雰囲気にうまれかわります。ただ腕がぱんぱんになるほどたいへんなんですけどね。
●左に見える濃い箱は初期型の4311です。古い4311はウォルナット材で元々黒っぽい木ですが、塗装の劣化によりさらに黒ずんでいきます。L26はチーク材で黄味がかった色味なので、こうして並べると凄いギャップがありますよね。どちらも新品復活のよう美しく仕上げるには、一度塗装を落とす事が必須となります。
●さて、難しいチークの仕上げに入ります。
どんな感じで仕上げるかオーナー様と相談した結果、白木のような雰囲気がご希望でしたので、できるだけ努力していきます。
←はサンディングで削ったあとワトコオイルのみで仕上げるような一般的に多いタイプ。木材は濡らすと色が濃くなり、木によってはこのように下地と模様の色差が激しく、模様によっては小汚くすら見える場合もでてきます。
●それをなくすには、できるだけ全体を統一する必要があります。
上の写真が左の美しくないタイプ。
右が目標とする雰囲気。全体を白のステインで塗ればそれらしくもなりますが、白すぎると逆に不自然に見えるので、塩梅が難しいです。
●そんな感じでちょこちょこ仕上げていったのがこちら。この写真はまだ2段階目なので、あと2回は塗っては磨きを繰り返すと、最後にはもう少し綺麗になる予定です。
チークはウォルナットに比べ凸凹も大きく、作業する加減も難しいので手間がかかりますが、美しくする為には努力を惜しみません。
●木目の最終仕上げの前に前後の塗装に入ります。こちらは背面の黒。下地を整えたあと、純正と同じカラーで仕上げました。
●そしてこちらがフロント。
往年のJBLブルーで仕上げました!
ポートはもちろん、隅々まで丁寧に塗装しております。
●前後の塗装が完成しました。フロントは4層コートとこだわっており、実際に見たときの深みが違います。ただ乾燥にはだいぶ時間をとられてしまいます。
木目部分の色味はいかがでしょうか。フロントの青に合わせたので、マッチング良く仕上がったかと思います。


 
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