●2018/9/14 真夏の猛暑がうそのように涼しくなりましたね。
毎日大量に食べていたアイスも自然に食べなくなりました(^^;
さて、2ヶ月ぶりの更新は大物、数多く作れない「
至高の4311 」の紹介です!
オールアルニコ、そして純正風に、そんな所が今回の目玉。
涼しくて作業もはかどりそうですね。ではいってみましょう!
 U
●ベースとなるのはこちら
ウーハーが2212アルニコの初期型4311です。
431系はウーハーの音が7割方占めるほど重要なものですが、2212はドロドロしないすっきりした音色が特徴。いつまでも聞いていたくなるほど爽やかな音色を奏でてくれます。
ツィーターはLE25のフェライト、スコーカーはLE5-2のアルニコ。写真の通りとても程度の良い品です。
●箱はこちら。
こちらは4311の中期型の箱ですが、木目の良い物をあえてストックしておいたものです。
オールアルニコカスタム、至高の一品にふさわしいトップレベルにするには、一つ一つの材料が重要になります。こんな日の為に、ここぞとばかりに使います!
●さて、こちらはALLアルニコカスタムの最重要パーツとなるアルニコツィーターLE20、カバー無しタイプです。
4311のユニット構成はツィーター(LE25)のみがフェライトなので、それをアルニコに変えれば、誰もが憧れるオールアルニコ仕様になるわけです。
ですが取り付けには色々と問題がありまして
●まずは箱(キャビネット)。
これはLE25が収まっている場所で、●穴に端子部分の2ヶ所が凸られています。
●このまま装着できる事はできるのですが、ご覧のよう端子部分の凸穴が見えてしまいます。 この凸部分だけ埋めればOKと思いますが、実は本体が入る●穴もやや大きめなので、ネジ留めするには●穴を小さくする、もしくはネジ部分だけ土台を作ってやる必要があります。結構手間のかかる作業なんです。穴を一度全部埋めてから開け直すのが一番確実な方法ですが、4311はご覧のよう箱に「 フチ 」があります。このフチが邪魔で作業性が悪く、神経を使う事になります。
●そこで今回は
LE25のフレームをそのままドッキングさせる事にしました。LE25って、けっこういっちゃてる品多いですよね。これもコイル焼けの品で、部品取り用にと保管しといたものです。
●まずはベトベトを落とし綺麗にします。
次にLE20用の開口径を●く切り抜きます。で元々空いていた端子穴をアルミパテで埋めます(左)。硬化後、塗装。LE20を取り付ける3つのネジ穴を開けて完成。自在鉤を使えば綺麗な円に切れるのですが、刃がいきそうなので手作業でやりました。
●パーツの完成
左から
LE20本体
フェルトカバー(ウレタンスポンジから変更)
今回製作したLE25のアルミフレーム
●ウレタンスポンジは厚みが5mmあり、マッチングが悪く感じたので2mmのフェルトに変更しました。中々良い出来でしょ。これでLE25が装着されてるスピーカーにはどれでもポン付けできます。ちなみにカバー付のLE20を装着する場合は、元穴を斜め下に2cmほど拡大する必要があり、そうしないとウーハーにあたってしまいます。ただ凸部分は埋める必要があるので、結局は全部埋めた方が早くてスマートにできるかもしれません。
●こちらはLE25(フェライト)。
実物はコーンの大きさが違うのでもっと差が出るかと思ったが、実際に比べてみるとかなり似てますね。詳しくない人が見ればどっちも同じに見えてしまうほどかもしれませんね。正直もっと差別化したかったです。だが逆に純正風仕上がりへと向かってくれました。
●こちらもスピーカーにとって、肝心要のネットワーク。今回はLE20に合わせた専用設計です。よくツィーターをそのまま換装とかする人いますが、音は出るが似た音になるでしょ。それはネットワークが同じだとユニットの能力が出しきれないからなんです。だからユニットのポテンシャルを引き出すには専用ネットワークが必要というわけです。それと古いJBLではありがちな、「 同じユニットでも音がぜんぜん違う(TT) 」なんてこともよくあるので、トータルで合わせてやることが、美音を出すには重要なんです。
●続いて箱の仕上げに入ります。フロントと背面は共に純正ブラックで塗装しました。古いJBLはパーチクルボードというチップの集合体が使われており、MDFと違い表面がざらざらしています。さらに水に弱く、劣化により凸凹も多くみられます。だからそのまま普通に塗ってもかっこ良くはならないので、全体をさざなみ塗装で仕上げてやります。これで新品の自然な雰囲気や、高級感も醸し出てくる、ちょっとした小技なんです。
●背面も同様に塗装します。下地をやらずにスプレーでガーっと吹いている箱をみかけますが、あれ塗ったのに汚ったなく見えるでしょ。下地は大事なんです。それとJBLの箱はターミナルプレートが貧弱なので補強します。そんな感じで隅々まで丁寧に仕上げて、初めて「 新品復活 」と言えるようになります。ちなみMKUは表面がつるつるのMDFなので、メーカーが塗装で凸凹に仕上げてます。
●4311の中期型から後期型の中には、バックプレートが無いタイプのものもあります。そこでバックプレートをウォールナットで製作しました。これは私が以前からやってる、ウォルナット版スペシャルバックプレートです。手間がかかるので全部はやりませんが、プレートが無い箱の特権でしょうか。オーラ、雰囲気がぐんと変わります。
●装着するとこんな感じ。
奥様受けのよいウォルナットでした。
●ユニットのオーバーホールが完成。
どれも程度の良いユニットですが、特に2212ウーハーは極上で大当たり品です。
木目部分はプレミアム2仕上げ。
コーティング工程を2つ省いたver.ですが、下地仕上げはプレミアム仕上げと同じよう手間がかかるので、木目が際立ちとても良い雰囲気に仕上がります。
●こちらが大当たりの2212ウーハー。
エッジとダンパーは調整してますが、コーンの彩色は極少量でほぼオリジナル状態。綺麗でしょ。LE5-2スコーカーも、私の元にあるストックの中では普通ですが、一般的に見ると極上の程度です。もちろん音も最高に仕上がってます。
●綺麗な品は音も上品ですね。
部品は全てオリジナルのままオーバーホールしてますが、今回ウーハーのガスケットだけコルクにしてみました。
●ターミナルも交換してます。チューニングの証であるVKステッカーもぺたっと。
●市販のコルクガスケットは幅が11mmで、純正の3山エッジに合わせると隙間ができます。そこで12.4mm幅のものを加工して取り付けました。小さなこだわりです。

そしてユニットを取り付け
●祝!完成!

 ALLアルニコ

 至高の4311

 ほぼ新品同様

 かっこいい〜
●4311や4311Aをオールアルニコにしたいと思ってる方はたくさんいますよね。 U
一番の鬼門となるのが”LE20の取り付け方 ”です。U
4312Aや4312MKUでは、カバー付のLE20がピッタリでそのままポン付けできますがU
、4311に取り付ける場合は、カバー有り、カバー無し、どちらのLE20も加工が必要U
になります。そこは業者のセンスが問われ、腕の見せどころでもあります。U
今回はLE25の部品があったので、シンプルに純正風の加工にしてみました。一番U
の利点は見た目ですが、ツィーターをそのままLE25に戻す事ができる機能もありまU
す。(戻さないとは思いますが)U
すごく自然にできたと思いませんか。一見普通の4311ですが、中身はALLアルニコU
4310と同仕様で素晴らしい音色を奏でてくれます。2213ウーハーと比べると繊細なU
音が出て、ドスドスしてない、なめらかで爽やかな音質です。U
4310を聞いてみたい人も多いと思いますが、いかんせん物が無いですよね。U
そんな時はオールアルニコカスタムが約に立つはずです。こちらはツィーターを交換U
しただけの品ではなく、ユニットのオーバーホールかネットワークチューンなど、隅々U
まで手塩にかけて製作した作品U

 唯一無二の存在U
   ALLアルニコver. 「 至高の4311 」がここに完成しました!U

最後に。U
私の気持ちを正直に書きますと、ほんとは「 シンメトリー 」加工も追加したかったです。U
ですが4311の場合、箱にフチがあるじゃないですか、あれが邪魔で加工が大変なんU
ですよ。もし4301のようフチが無かったら、私の元にある4311はたぶん全部シンメトリU
ーにしてるんじゃないですかね。それだけ加工の手間がかかるんです。U
4311のグレーもALLアルニコ「 至高の4311 」にカスタムする予定ですが、グレーのほU
うはLE20に専用プレートをあてがってやるカスタムにする予定です。そこはセンスの見U
せどころなので、腕が鳴ります。U
今回は外観をそこなわない、かつ音質が向上した純正風カスタムで決まりました。U
完成した作品を見ると、カスタムはやめられなくなります(笑U


次回。先ほどの話しにも出た「
至高の4301 」の登場(予定)です。U
 2wayの4301、フルカスタムです!お楽しみに♪U

JBL 4311(初期型) 1973年〜 1台約¥200,000円  当時としは超高級品ですね
メーカー解説:小スタジオや調整室、ポータブルタイプのプレイバックモニター用として開発されたスピーカーシステム。

低域には30cmコーン型ウーファー2212を搭載し、中域には13cmコーン型スコーカーLE5-2を搭載しています。
また、高域には3.6cmコーン型トゥイーターLE25を搭載しています。

エンクロージャーはバスレフ設計を採用しています。また、スコーカーユニットの背面にバックキャビティ
を装備することでウーファーからの背面干渉を防いでいます。

中域と高域が独立して調整できる連続可変コントロールを搭載しています。
グレー仕上げとウォルナット仕上げの2種類のバリエーションがありました。
方式 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式
使用ユニット 高域用:3.6cmドーム型(LE25)元 → LE20に変更(アルニコ)
中域用:13cmコーン型 (LE-52)アルニコ
低域用:30cmコーン型 (2212)アルニコ
再生周波数帯域 45Hz〜15000Hz
インピーダンス
出力音圧 91dB/W/m
クロスオーバー周波数 1.5kHz、6kHz
外形寸法 幅360×高さ600×奥行300mm 約L
重量 19kg(1台)

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