●2017年12月28
今年のとりを飾るのはスピーカーではなくアンプ・・・でした(^^;
先月新しいデジタルアンプ FX-AUDIO D302J+ を購入したので
以前から使っているデジタルアンプと比較してみたいと思います。
ただし私はスピーカーのみに特化してるので、スピーカーに関しては
誰にも負けないと自負しておりますが、他の機材、特にアンプに関し
てはまったくの無知で、ほぼ素人同然の知識しかありません。なので
話し半分だと思ってくだされば幸いです。では番外編のはじまりです。
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●こちらは6、7年くらい前に初めて購入したデジタルアンプ。PCパーツを扱うサイズというメーカーで、鎌ベイアンプ2000というものです。
接続はアナログ(RCAプラグ)のみですが、トーンコントロールやヘッドフォンが使える充実ぶり。PCケースの5インチベイにも取り付け可能ですが、ひときわ大きい足(インシュレーター)がお洒落で箱の上に乗せていました。メーターは飾りみたいなものですが、青く光ってなかなかのものです。
●こちらは2年くらい前に購入した
TOPPINGというメーカーのTP30-MK2 です。
USB接続ができ、PCのON-OFFに電源が連動してくれるという便利性で買ってみましたが、何か鎌ベイと比べるとこもった感じがあったり、本体のボリュームを大きめにしないと音が途切れたり、左右で差があったりとか。そんな短所があったので良さがわからないまますぐに売却しました。固体差があり外れだったのかもしれません。
●環境の元となるパソコンは昔から自作派でして、こちらのZ170は2年前くらいに購入したものです。この前にZ68というマザーボードを使っていたのですが、そのあたりからオンボードオーディオの性能が上がり、不満が無いほどでした。それ以前はONKYOのサウンドカードを使ってました。このZ170はゲームに特化したボードですが、同時にサウンド面も強化され、サウンドカードよりも良い音が出てきたときにはびっくりしたほどです。
●さて、こちらが先月コイズミ無線より購入した
FX-AUDIOというメーカーの D302J+ 。本体価格は¥8500円で、電源アダプターやケーブル類は別売りです。”フル”デジタルアンプ、”ハイレゾ対応”という文句にやられ購入しました。
●箱を開けると日本語の説明書が入ってました。電源アダプター(12V3A以上推奨)は鎌ベイで使っていたものがそのまま使えました。
●箱から出してみました。
本体は鎌ベイより一回りほど小さいです。トーンコントロールやダイレクト機能、ヘッドフォンまで使える多機能ぶり。シルバーが欲しかったのですが、黒しか売ってませんでした。でもけっこう高級感あります。48K、96K、192Kのランプもあり、どれで繋がってるかがすぐにわかる親切ぶりです。
●背面。通常のアナログRCAに加え、USB、光、同軸接続ができるフル装備ぶり。
●底面には高さ1cmくらい硬めのウレタンスポンジが足として貼ってありました。本体が小さくて軽いからこれで十分です。
インシュレーターを両面テープで貼ればさらにゴージャスになりそうですね。
●内部はこんな感じ(メーカー写真)
オペアンプはソケット式で交換できるらしいです。
●経路はこんな感じ(メーカー写真)
●光接続は良い印象が無いので、ほんとは同軸接続にしたかったのですが、私のPCには光出力しかなく残念です。なのでこちらの光ケーブル(1.8m)を購入しました。
●外装被覆にメッシュのナイロンが使われており、なんともゴージャスでハイエンドな見た目です。接続部も安心の金メッキ、これで800円(アマゾン)ですから驚きですね。
●スピーカーはちょうどレストアしていたこの3台に加え、TEACの300NEO、タンノイのインパルス10、ロジャースLS3/5Aと同型のスペンドール、B&Wの805、あとはJBLの4301や4311など色々試しました。
●ではさっそくインプレッションに入ります。
最初は鎌ベイと同じ条件のRCAアナログ接続で音出ししてみました。
まずは一言
「 おー、良い音だな。中低域が厚くなった 」

 最初にぱっと聴いた時、鎌ベイと比べ中低域が丸くなった、柔らかくなったと
いう印象でした。スピーカーで言う硬いエッジから柔らかいエッジに換えた感じ。
特に声質が良くなり、デジタルなのに艶っぽさが出てるのには驚きました。低域
も若干重くなり、ドロドロ感は無く、小気味良くリズミカルに弾む感じが◎。ハード
ロックとかヘビメタとか中森明菜さんとか、重なりが激しかったりで何言ってるか
わからない曲ってありますよね(笑 そんな歌詞が聞き取りやすくなった感もあり
ます。高域は若干透明感が出てますが、量、伸び共に変わらずという感じです。


◆続いてRCAアナログ接続から光接続に変更。
さきほどの柔らかい印象とは違い全体が一気にシャープになり、今まで使ってい
たデジタルアンプに戻ったような感じでした。それだけRCAアナログ接続では、ア
ナログアンプを使っているかのような錯覚にとらわれていたことがわかりました。
光接続では他のデジタルアンプとほぼ同じ傾向でクリアー質ですが、24bit192kに
設定すると、少しシャリが強く感じ、いつもより薄っぺらくなったという印象も出てき
ました。またRCA接続に切り替えると、どこか温もりがあり、どこか心地いい、そん
な音楽性豊かな音色は、なんとなく真空管アンプ(ELEKIT TU-870)に似てるな、と
いう印象もありました。

 ちなみに24bit192kの光接続のほかに、24bit96kのUSB接続で視聴してみると、
ほぼ光接続と同じ傾向で、「 中高域の音数が多くなったな 」という印象でした。
J-POPではシャリシャリ感やキツさが目立ちます。同じアンプでも接続方法の違い
でフィーリングがだいぶ変わりました。RCAアナログ接続は光に比べ柔らかく心地
いい音色ですが、2、3曲聴いてるとコンデンサーがエージングされてきたのか、ど
んどんクリアーになっていくのが、逆に残念でもありました。


◆次に操作感
ボリュームとボタン3というシンプルな構成ですが、BASSやTREBLEのトーンコントロ
ールやダイレクト(ストレート)もついてる多機能。ボタンは押すだけでなく「 長押し 」
することで切り替えが可能。上げ下げはすべてボリュームで操作します。トーンは14
ステップで数えながらやればなんとか位置がわかりますが、ボリュームにいたっては
なんと100ステップになり、中立・12時の位置がどこだかわかりません。さらに早く回し
たり遅く回したりで音量が一気に変わるので、12時、1時あたりの目安に合わせるのは
至難です。ボリュームボタンを2秒間長押しすると、トーンレベルが0にリセットされるの
が便利でありがたい機能です。ダイレクトはメニューボタンを2秒間長押しすると、トーン
とダイレクトの切り替えができます。スピーカーをセッティングする上で、アンプのダイレ
クト(ストレート)は重要でありがたい存在です。あと電源ONでポップアップノイズが出な
いのも◎でした。本体が小さいので、長押しは本体を手で挟むような感じで押しますが、
何か本体を固定できるような構造になっていれば、さらにベリーGOODでしょうか。


◆まとめると。
昔アナログアンプからデジタルアンプに変えたとき、ずいぶんリアルになったなと驚いた
ものですが、同時に甲高い女性ボーカルのサ行とかノイズとか、そんな音の忠実ぶりに
は、やや疲れることもありました。今回の FX-AUDIO D302J+ の”RCA接続では ”、そん
な音がマイルドになり、アナログアンプで聴いてるような優しい音色が特徴的でした。


最後に。
 今回のFX-AUDIO D302J+は、本体が¥8500円、アダプターや光ケーブルを含めても1万
円くらいです。1万円でこれだけの音が買えるなら安いと思いますが、普段デジタルアンプを
使っている方が乗り換えるのなら、あえて換える必要はないかもしれません。私が経験した
デジタルアンプ、鎌ベイ2000、TOPPING TP30-MK2、D302J+では、大雑把な言い方ですが、
どれも似たようなフィーリングです(^^;
それよりもスピーカーにお金をかけたほうが、満足度は高いものになるでしょう。もし今アナ
ログアンプやAVアンプをお使いの方でしたら、D302J+に乗り換えてもすんなりと馴染みやす
い音色だと思います。
TVがデジタルに変わり、そして4Kと進化していく中、音質もここにきてようやくハイレゾブーム
の波に乗り、デジタル化がますます飛躍してるように感じます。ですが音質は画質と違い、解像
度が上がれば良いというわけではありません。環境によってはシャリシャリがうるさく感じられる
場合もあるでしょう。今だレコード盤や真空管アンプに人気があるのは「 目に見えない何か 」
が感じられるという理由があるはずです。きっとこの先100年くらいは、アナログも生き残っていく
ものだと、ちょっぴり確信しました。

スピーカーをチューンする上では微々たる変化を求めるので、刺さるくらい鮮明な音が出てくれ
るほうがセッティングには向いてますが、普段使いにはD302J+のような柔らかい音が疲れなく
て良さそうです。特にJBLやヨーロッパ製品は中高音がきついものが多いので、柔らかい音の
出るアンプとは◎の相性です。日本製は全般に中域・声質がこもり気味なので、デジタルの中
でも光やUSB接続にした方が、より相性が良くなるでしょう。というような結果でした。
個人的にFX-AUDIO D302J+は購入してよかった、しばらく使ってみよう、そんなアンプでした。

次回。2018年、新年一発目は久々に、音色を激変させる本格フルチューンの登場予定です!
   比較動画もUPする予定なのでお楽しみに♪ どうぞよいお年をお迎えくださいませ^^

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